小説『DOG DAYS〜俺が最強の勇者になってやるよ!〜』
作者:音無()

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  【 第6話 】







レオ閣下の紋章が現れ斧を地面に叩きつけ「師子王炎神!!」と言った瞬間、地面から炎がいくつも飛び出てくる。


炎の勢いで飛んで行った岩が次々と降り注ぎ俺とレオ閣下の闘いを見ていた軍達はその岩にぶつかり毛玉化する。


俺はローラーのスピードを上げ後ろに下がっていく。


炎は俺を追うように地面から飛び出る。


「くっそー!紋章術ってこんなことまで出来るのかよ!」


さっきまでは互角の戦をしていたのに……


俺はなめられていたのか。


そういえばエクレが言ってたもんな……


とにかく今はこの場から遠くに逃げて一気に反撃したら俺にも勝ち目があるはずだ!


俺はここからの逃げ道を一生懸命素早く考える。


「あっっ!!」


そういえば俺はこの世界の人より遠くにまで飛べるはず。


「一か八かだ!」


俺はローラーの方に輝力を回し出せるスピードを限界まで上げ俺は側面を上がって行きその勢いのまま空へ飛びあがる。


「大爆破ぁぁぁ!!」


レオ閣下の声がした瞬間、レオ閣下を中心とする場所から闘っていた場所が大爆発する。


『ビスコッティの勇者敗北かぁ!?』


本部からの解説が聞こえてくる。


あいにくだが俺は今、カメラが映らない空にいる。


『範囲内にいる限り立っていられる者はいないという超絶威力の紋章砲!!見方もまきぞいにしてしまうが…それにしてもすごい!』


「確認しろ!あの勇者は倒れたのか?」


『あっはい!』


空の上から聞いていると面白いもんだな。


そんなことを思いながら俺は上に浮かんでいる島の下側を蹴り飛ばし全力で下に下りる。


まるで隕石が降ってくるかのように俺の周りにオレンジ色の気力が輝き始める。


俺は今気力、紋章砲を全力で出せるように集中している。


俺は最後の島を蹴り飛ばしレオ閣下がいる場所に向って飛んでいく。


俺は大剣を思い浮かべ両手で持ち、紋章を発動させ紋章を強化!


強化したと同時にでかい紋章が浮かび出る。


俺はそれを確認すると大剣をレオ閣下いる場所をめがけて全力で解き放つ。


解き放った紋章砲は今までとは桁が違うほどの速さで向かっていった。


『え〜と、まだ生きています!上っ上にいます!』


レオ閣下は上を見る。


逃げようとするが遅い。


俺が気づかれる前に放った紋章砲はものすごい速さでレオ閣下に近づく。


「なにっ!」


レオ閣下は魔戦斧グランヴェールで俺の解き放った紋章砲を受け止めている。


『おぉーとすごい!勇者の紋章砲を受け止めています!』


次の瞬間レオ閣下のグランヴェールは二つに割れ俺の紋章砲がレオ閣下に当たった。


俺はそのまま地面めがけて落ちていく。


「ぎゃぁぁ〜〜」


『ドーン』と俺は落ちるはずだったが、地面にトランポリンがあったのか何とか助かった。


「あっ…………すみませんっ!」


俺を助けてくれた?のはけものだまになった軍の人たちだった。


「わしはまだ負けておらんぞ!」


……っ!


砂煙の中から姿を現すレオ閣下。


正直俺にはもう力が残っていない。


エクレが言ってたもんな!


『使いすぎには気をつけろ!』みたいなこと。


『すごい闘いです!まだ、まだ両者ともに諦めていません!』


俺はけものだまさん達にお礼を言ってレオ閣下の方に近づく。


「まだやりますか?」


「いや……わしの負けじゃ」


???


なんでレオ閣下の負けなんだ?


「見ていろよ勇者!」


「はっはい……」


レオ閣下は一歩前に踏み出す。


するとレオ閣下の武装は『ビリッ』と音がして下着を残すすべての武装が千切れていく。


俺はすぐに両手で目を隠す。


『勇者っ勇者が勝ちましたぁ!!』


本部からの声が聞こえたのと同時に花火が打ちあがる。


『ここで終了です!』


……終了?


「ビスコッティの勇者!なかなかのものじゃったぞ!名はなんと申す!?」


「あっありがとうございます///え〜、ココロです」


「ココロだな!またわしと闘ってくれるか!?」


「あっはい!」


とにかく早く服を着て欲しい。


「次はわしが勝って見せるからの!」


そう言ってレオ閣下はセルクルンに乗ってこの場から姿を消した。


それにしても下着を見られても恥ずかしくないのか?


そんなしょうもないことを考えていると後ろから誰かが飛びついてくる。


「見事だったぞ勇者!」


エクレだった。


エクレは嬉しそうに言ったが、自分が俺に飛びついていた恰好を確認すると『プシュー』と頭から湯気が出る感じになり顔をまた真っ赤にさせる。


「言っただろ!勝てると信じているって!」


「そっそうだったな!」


こうして俺の初戦は終わりを告げたのだった。

-6-
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