小説『魔法科高校のイレギュラー』
作者:rassan()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 番外編 夜島の過去



 原作に入る前に夜島について語ろう。

 彼には別の名前がある。その名は、


 『八島巌』


 である。このことから原作を知っている人はわかるだろう。

 彼は『|数字落ち(エクストラナンバーズ)』である。

 なぜ彼が数字落ちになったのか。そして、なぜ今の立場になったのか。それをこの場で話したいと思う。



 まず、数字落ちになった理由についてだが、彼固有の魔法が原因である。

 彼が得意とする魔法は座標固定魔法『非振』であるが、これは八島家の固有魔法であり、彼の固有魔法ではない。

 その発展型といっても過言ではない、物体固定魔法『無振』が彼固有の魔法である。

 この魔法は相手の魔法に対する干渉力を突破して、相手を粉々にする魔法である。つまり、達也の分解と似たことができる。達也の場合では火が出るが、彼の場合は消えるようにいなくなる。

 彼に対する危機感から他の十師族による策略により彼以外の八島家がいなくなった。彼の妻や子供も例外ではなかった。この事件は秘密裏に後処理をされており、表には出ていない。

 これにより、彼は隠れるように『八島』から『夜島』に変えた。

 つまり、彼の魔法が強すぎるために数字落ちとなったということだ。


 夜島と三島兼松は元々護衛と依頼人の間柄だったが、お互いに話が合い、友人となっていたため、八島家殲滅事件後、彼を専属で雇い入れたことで彼が今の立場に相成った。ちなみに、兼松は事件のことを九重八雲から聞いており、不憫に思った兼松が彼に連絡を取った次第である。恐るべし忍びである。

 兼松が彼の妻や子供について聞いた時には、

「妻に先立たれたのは残念ですが、子供はもう独り立ちしてましたからね・・・八島家のしがらみが消えたのは楽になりましたね。」

 といっており、過ぎたことは気にしないといった感じであった。

 また、敵討ちについても聞いており、

「復讐は無いですね・・・・八島家から解放されたといってもいいですかね。面倒ごとが多かったですから。」

 と言っていて、むしろなくなって清々といった感じだ。

 短くなったが、これが夜島巌の過去である。

 ちなみに錬はこの話を兼松から聞いている。興味本位で聞いてしまったので、聞いた後には、

「マジですか・・・・」

 と少しの間効かなければよかったと思い、夜島との距離感が掴めずにいたが、ある日突然、夜島から、

「錬殿。旦那様から聞きました・・・」

 と言われて、しばらく話し合い、お互いの関係は元に戻った。

 後で兼松になぜ夜島の過去を語ったのかを聞いたところ、

「錬なら大丈夫だろうと思ったからな。なにせ私たちの息子だからな!!」

 と親バカを発揮して、錬と夜島にため息をつかせたとかいないとか・・・・

-13-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える