委員長
やぁ、三島錬だ。理事長や先生方が言うには、親父から直接よろしくと言われたらしく、くれぐれも粗相のないようにという対応だったようだ。
・・・・いや、俺に丁寧されても・・・・とりあえず、俺が偉いわけでもなく、ただの学生の俺には普通に接してくれるほうがありがたい等、しっかりと話し合い、お互いが理解できたところで、変なところで親父の偉さが分かってしまった場面だった。
まぁそんなことよりも今は一人である。遙さんは職員室までの付き合いだったのか、俺が職員室に入るとどこかに行ったので、別の仕事に行ったのだろう。
遙さんについては別にいいとして、俺は今生徒会室と思う場所に向かっている。なぜ思うのかは場所が生徒会室かは分かっていないからである。
しかし、七草会長や生徒会の面々、さらに『あの人』がいるのを視ているため、合っていると思う。
風紀委員になったのなら、挨拶しておこうと思ったので向かっている次第だ。
とあれこれ考えているうちに、着いたようだ。扉には「生徒会室」と書かれたプレートがあるので、間違いないだろう。
とりあえず、インターホンを押す。すると、扉の開く音がする。で、出てきたのが、
「は〜い、どなた?・・・・あら? 錬君、生徒会室に何か用?」
「まぁそうなんですが・・・・・インターホンの意味はあったのですか?」
なぜすぐに出てくるんだ、この人は・・・・七草会長はインターホンがなるとすぐに出てきた。
「あら、学校なんだから、大体の人は学校の関係者よ。それに今日は特に外の人は来ない予定だもの。」
「ああ、そうなんですか・・・・・いや、答えになってないような?」
「それよりも、錬君はどうしたの?」
「ああそうでした。ううん・・・本日より風紀委員に配属されました、深島錬です。よろしくお願いしますね、『渡辺委員長』?」
「ああ、すでに聞いていたが、やはり君だったんだな。二科生と聞いたときは何かの間違いだと思っていたんだが。」
「親の方針と自分の意志と思ってくだされば。というより、ノリが悪いですね、『摩利』さん?」
「私がわざわざ君に合わせるとでも? それこそまさかさ。」
「何々? 二人とも知り合いだったの?」
若干ふてくされている七草会長は置いておいて、渡辺摩利風紀委員長とは面識がある。修次さんに紹介されてからの付き合いである。修次さんとの鍛錬で、時々稽古をつけているので、俺の実力を良く分かっている人でもある。ちなみに俺が圧倒的に強いために、稽古をつけているで合っている。
まぁ、鍛錬と実戦は違うため、実際に戦うとなると分からないが。(実際にやっても錬が圧倒的に勝つが、鈍感が発動しています)
「俺が修次さんの従兄弟なので、その関係ですね。修次さんがいるといないでは、摩利さんは全然違いますから、傍から視ていると楽しいですよ。」
「修の話はしないでくれ・・・・こいつが面白がるから。」
「あら、失礼しちゃうわ。まぁ後で錬君に聞いちゃうけどね。」
「はぁ〜〜・・・」
「それよりもこちらのお二人は?」
七草会長と摩利さんとの話にまったく加わらず、黙々と昼食を食べていた二人に話を振る。まぁ、実際は原作で知ってるけどね。
「私は、「こっちの会計の『市原鈴音』、通称リンちゃん。」・・・・そう呼ぶのは会長だけです。」
「あ、あの、わ、わた「こっちであたふたしているのは、書記の『中条あずさ』、通称あーちゃん。」う〜会長、いいかげんあーちゃんはやめてください〜。」
七草会長にさえぎられた二人は通称が気に入らないようだ。まぁ当然だろうが・・・
「では俺もあらためまして・・・・1年E組、風紀委員になりました、深島錬です。よろしくお願いします。市原先輩、中条先輩。」
ここで必殺のスマイルが炸裂! さあ効果は!?
「・・・・よろしくお願いします。」
「っ///・・・よ、よろしくお願いします!!」
「っ/// ちょっ、ちょっと摩利! これは!?」
「落ち着け、真由美。錬くんは狙ってやっているから。今のうちに慣れておけ・・・・しかし、あの笑顔は卑怯だな・・・」
市原先輩の反応は分かりづらいが、赤くなっているのでまぁまぁ効果があったようだ。逆に中条先輩は分かり安すぎるくらい真っ赤である。七草会長も赤いが、摩利さんと小声でやり取りしている。
まぁ総合すると、効果は抜群だ〜、といってもいいだろう。さすがはイケメンスマイルである。
「で? あの男子の人はいないのですか? 彼にも挨拶をしたかったのですが・・・」
誰かは知っているが・・・
「はんぞーくんのこと? というか、入学式で紹介はしたわよね?」
「そういえばそうでしたね。たしか、服部形部副会長でしたか。」
「正確には、服部形部少丞範蔵だな。」
「それで、はんぞーくん、と?」
「そうよ?」
いや、改めて聞いてみても長いな・・・まぁどうでもいいが。
「それよりも錬くん? 昼食は済ませたのかい?」
「いえ、これから学食に行こうかと。」
ちなみに今はちょうどお昼時である。
「じゃあここで食べていくかい? 自配機もあるし。」
「摩利が許可を出すわけじゃないでしょ。生徒会室にあるものだし。まぁ錬君が良かったらどう? 今からだと混むと思うわよ、食堂。」
「まぁそうですね。じゃあ、お邪魔してもいいですか? 市原先輩、中条先輩。」
「ええ、大丈夫ですよ。」
「え、あ、は、はい、全然かまいません!!」
「ねえ、私には? 生徒会長何だけど?」
七草会長が腕に抱きついて聞いてくるが、無視をする。ただすねているだけなので。
その後は男一人の中、昼食と雑談で楽しんだ。ちなみに男一人で居心地が悪くなると思われるが、中学でも同じことがあったので慣れている。ふっ、リア充爆発しろと中学では言われ続けていたからな・・・・
午後の予鈴が鳴る前に解散となったが、
「錬君は午後はどうするの?」
「とりあえず、授業の見学をしておきますよ。目立たなくなることはないとおもうので、今のうちは少しの平穏を満喫しておきますよ・・・」
二科生で風紀委員なら、確実に目立つに決まっているからな・・・はぁ〜〜・・・・
「はっはっは、まぁ本当に少ししかないと思うがな。」
「しょうがないと思いますよ・・・」
「が、頑張って下さい!!」
摩利さんが笑い、市原先輩は同情のような表情で、中条先輩は両手を胸の前で組み、上目使いで見上げ励ましてくれている。さすが生徒会のマスコットの中条先輩だ、癒される・・・そして、七草会長は、
「フフフフ・・・・・」
怪しげな、何か企んでいるかのような顔をしていた。何考えてんだ、この人は・・・
「じゃ、じゃあ俺は行きますね。それでは。」
「ああ、明日は風紀委員の集まりが放課後にあるからその時にな。」
「了解です。」
とりあえず、午後はどうしようかな? エリカや幹比古とかと回ってみるか。
この時の七草会長の企みで、俺がすぐに目立ってしまうのはこの後すぐだった・・・・