小説『魔法科高校のイレギュラー』
作者:rassan()

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 忍びとの遭遇



 やぁどうも、三島錬だ。魔法の修練も剣の鍛錬も慣れればどうということは無い!! と思えるようになってきた今日この頃。我が家はとある寺に来ている。そこの僧に親父が俺を紹介するためにきているのだが、

「先生? また隠れているのですか? 息子を連れてきたので出てきてください。」

「あの〜親父? 先生って?」

 いやなんとなくわかるのだが・・・・

「うん? ああ、そういえばいっていなかったな。『九重八雲』先生には体術の指導をしていただいたことがあるのだよ。」

「わたしも八雲さんに組み手の相手を時々させていただいているのよ?」

 あぁやっぱりですか・・・・そして当然のようにここまでは何の説明が無かったのは、俺を驚かせようとしていたのか・・・・

 こっちの世界に来てからも『九重八雲』という名は凄腕の古式魔法使いとして有名であった。しかしその実態を知るものは少なくあくまでうわさの範疇だったのだ。それでもすごい内容だったので、それで驚かせようとしていたのだろうが・・

「いや、親父と知り合いなのだろうことはうすうす気づいてたよ?」

「むっ、そうなのか・・・」

「あら、残念♪」

 最近の二人の趣味がはた迷惑なことに、俺を驚かせようとすることだったりする。俺の驚いた顔を見るのが楽しいらしい・・・・あんまりだろう・・・

「まぁそれはともかく、先生はどk「やぁ、僕を探していたのかい?」」

「のわっ!?」

「あら、八雲さん。お久しぶり。」

「先生、ご無沙汰しております。」

「久しぶりだね、二人とも。相変わらず仲がいいようだね。そして、君が錬君だね。僕は九重八雲。『忍び』だよ、よろしく。」

 後ろから突然気配がしたと思ったら、探していた九重八雲がいた。どうやって俺の知覚範囲から逃れていたのだろうか・・・恐るべし忍び・・・・

「それにしても・・・・さすがは先生。錬には背後の死角から接近しても気づかれてしまうというのに。」

「それは僕が忍びだからね。けれど、気配の意識を現した瞬間には気づいていたようだから、将来有望だよ?」

「錬には気配を探る修練を課していますから。」

 すみません、気配はまったくわかりませんでした・・・・イデアの知覚にかかったのに気配が無かったことに驚いてました・・・・親父のドヤ顔がむなしく感じる・・・

「ふ〜む?・・・・まぁそうゆうことにしておこうか。」

 この人はなにか気がついているっぽい・・・・さすが忍び・・・・

「じゃあ、とりあえず・・・」

「はい?」


 シュッ


「うおっ!」


 パシッパシッパシッ


「ふむ・・・」

 ありえね〜・・小学生に手裏剣投げるとか・・・しかも微妙に死角ついてるし・・・・

「錬君?」

「な、なんでしょうか?」

「君の『それ』は誰も知らない?」

 うわ〜絶対気づいてる・・・どうしようか? いや、隠し通せはしないだろう・・・

「まぁ、そうですね・・・」

「ご両親も?」

「はい。」

「そうか・・・」

「あの〜先生? 何の話で?」

「あぁ、いや〜はっはっはっ」

「いや、ごまかさ「兼松さん。」・・うん?」

「それは後で錬ちゃんから聞いたらどうですか?」

「ふむ、そうしようか・・・・」

 母の笑顔がとっても怖いです・・・明日の鍛錬ががががが・・・・

「ま、まあそれはともかく、錬君を連れてきたのは体術を習いにきたのかな?」

「ええそうです、先生。」

「私が千葉の剣術を教えているんですけど、結構な吸収率で進んでいるので兼松さんの体術も教えようと思いまして。」

 はい? やっと慣れてきたのにまた増えるの!!?

「は、母上? これ以上は・・・・」

「朝に八雲さんのところね。今の錬ちゃんならここまで20分で来れるわ。学校が終わったらママとの鍛錬で、そのあとに兼松さんとの修練は一緒よ。朝が八雲さんに変わるだけだから大丈夫よ♪」

「勘弁してくれ〜〜!!」

「あ、僕の所では弟子たちが朝の稽古で門前で手当たり次第に組み手をする予定だから。そのあとに僕と組み手だね。いや〜楽しみだな〜♪」

「NO〜〜〜!!??」

 この日から更なる拷問の日々が始まったのだ・・・・はぁ〜〜・・・・

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