黒歴史
やぁ、三島錬だ。九重師匠との鍛錬も慣れてきた今日この頃。小学校最後の学年である6年生になり、ある日、大人の階段をのぼった・・・・精通しただけだが・・・・
「うぅ〜・・・・気持ち悪い・・・・・」
とりあえずパンツを洗おうと風呂場に行って洗濯機に放り込んでから、台所にいる母に挨拶をしようとしたのだが、
「あら、錬ちゃん。おはよう。」
「う、うん・・・お、おはよう、マ・・・マ?・・・・・っ!?」
な、何だ!? すっげ〜恥ずかしくなってきたっ!!?
「ど、どうしたの!? 顔が真っ赤よ?」
「えっ!?」
うわ〜〜マジだ! 顔あつっ!? いや、マジで何でだ!!?
「大丈夫?」
「ああうん、大丈夫だ。」
うん? 何か口調が・・・・
「錬ちゃん? 何か急に大人な感じじゃない?」
「へっ?・・・・あぁ〜いや、気にしないで・・・・」
「そう?」
あれか・・・大人になったから羞恥心が出てきたんだな・・・・
「っ!!」
orz
「ちょ、ちょっと錬ちゃん! 本当に大丈夫!?」
あかん・・・・一気に今までのあれやこれらの行いに対する羞恥心が襲い掛かってきた!? 大人になったから!? そのままスルーして墓場まで持っていかせてよ!? なにこれ、新手の精神攻撃だよ!? 効果は抜群だ!!!
「か、兼松さん!? れ、錬ちゃんが! 錬ちゃんが!!」
ドドドドッ
キキーーッ
「どうしたっ、真理!!・・・・・何がどうなっているのだ?」
「私に申されましても・・・・」
家の人が大集合ですね・・・まぁ今までの修練やら鍛錬でだいぶ心は強くなってるから、もう回復してきたよ・・・・なんだろう、この精神攻撃にこれだけの回復力になれる鍛錬って・・・・
「よっと・・・うん、もう大丈夫だよ。『母さん』、親父。」
「っ!?」
「うん? そうか? 何があったのかはわからんからどうとも言えんが・・・」
「む?」
まぁ前向きに考えるなら、考えていることと口にすることに違和感を抱かないですむということだな。それでよしとしておこう・・・・
「れ、錬ちゃん?」
「どうしたの、『母さん』?」
「っ!!?」
えっ、何か泣きそうなんですけどっ!?
「錬殿。なぜ『ママ』ではなく、『母さん』と? 理由はなんとなくわかりますが・・・・」
はい?・・・・あ・・
「錬ちゃん・・・ママが嫌いになったの?」
「なっ!? いやいやいや! た、ただ来年は中学生だから、は、はずかしいな〜と・・・・」
もう無理だろ、ママは! よく守った方だと思うよ、小6まで!!
「あぁ〜うん・・・とうとう錬にもそういうことが出てきたのか。しかし・・・・」
「ふぅ〜〜っ」
やばい・・・母上の目に涙がたまってきた!!
「お、お願い! やっぱりママはさすがに恥ずかしいから、これからは母さんでよばせて!!」
「むぅ〜〜・・・・はぁ〜〜・・・・・わかったわ。けど・・・」
「けど?」
「時々はママと呼ぶこと。具体的には私の誕生日とか。」
「ま、まぁそれぐらいなら・・・」
「うん、よろしい♪」
まぁ親孝行とでも考えとけば良いか・・・・
「それにしても、錬殿にもようやく年相応の羞恥心が現れましたな。」
「いや、そうなのか、夜島?」
「ええ、私の息子などはもう少し幼い時にはこういう時期が来ていました。錬殿の性格からちぐはぐな印象を受けていましたから・・・」
「そういうものだと思っていたが・・・確かに考えてみると・・・・」
まったく関係ない話なのだが、先ほどから夜島さんに殿付けされているが、はじめは様付けをされていたのでそれを嫌った俺が変えさせてもらったのだ。本当に関係ないのだが・・・・
「はぁ〜〜・・・・」
今までのことを考えるとまた落ち込んでしまうが、できるだけ考えないようにしよう・・・・完全記憶能力で忘れることはできないので・・・・
「旦那様、そろそろ仕事にお戻りを。」
「む、わかった。しかし・・・あいつは苦手なのだがな・・・」
そんなことを言いつつ台所を出て行く二人を見送る。親父の仕事は神社の仕事以外に関東一帯を守護する土地守の仕事もあるため、十師族とも頻繁に連絡を取り交流を図っている。いつも誰かしらと連絡しているようだが誰かはわからない。
「じゃあ錬ちゃん。八雲さんのところに行くんでしょ? よろしく言っておいてね。」
「あぁうん。了解。」
とりあえず日課に行こう。これ以上黒歴史を思い出さないためにも・・・・