小説『革命委員会』
作者:遊革()

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男鹿が姿を消してから2時間後・・・
「全員集まったな?それでは今から革命を始めるぞ諸君」
一樹たちタキシード姿の7人の革命委員会は夜の高層ビルの上から現金輸送車が通る道路を見下ろしていた。
「副委員長、後どれくらいで輸送車が来るんですか?」
一樹は初めての大きい革命に興奮を隠せない様子で男鹿に聞いた。
「あせるな紅尾君、後48秒もすればくるだろう。しかし、その前に皆の役割を説明しておく必要がある。」
その言葉に各々別のことをしていた革命委員会が男鹿を見る。
「諸君、ただ今から各々の役割を説明する。まず、私が輸送車及び警護車の動きを止める。そして紅尾君が輸送車を襲い、他5名は、アレだ・・・えー、ま適当にヤッテオイテクレ」
「張った押すぞ、テメェ!!」
男鹿の後半の丸投げの説明に委員会の2年生酒井恭平(さかい きょうへい)が雄叫ぶ。
「そう、怒鳴らないでくれないかな酒井君」
「お前の説明がキッチリカッチリしてたらつっこまねぇよ!!何、適当って!?え!?なめてんの!?ゴラァ!!」
「てきとう[適当](自サ・形動ダ)?よく あてはまること。(⇔不適当)?ちょうどいいこと。「−な機会」?〔俗〕いいかげん。「−にやる」」
「そういう事聞いてんじゃねぇよ!!何、お前!歩く辞書!?」
相変わらずの酒井と男鹿のやり取りを聞いている内に遂に輸送車が一樹たちの視界に入る。
「二人とも、アホなやり取りは終わり。つか、相変わらず君たちのやり取りはウケるね(笑)」
二人のやり取りを止めにケータイを片手に2年生の輝実綾(てるみ りょう)間に割って入る。
「おい、輝実。ウゼェからそのカッコワライってのやめろ」
つっこみながらも酒井は車に視線を合わす。
「来たようだな。諸君しくじるなよ?我々は誰一人欠けてはならない」
男鹿の言葉に一樹たちはゆっくりと頷く。
「よろしい、それでは健闘を祈る」
男鹿の一言を合図に一樹たちをSOWによる青い光が包む。
「いくぞ!」
一樹が叫ぶと同時にそれぞれの役割を実行するために全員が強化した脚に力を込め跳ねる。

午後12時52分、後に世界を揺るがす革命が始まる。

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