小説『寝坊しただけでからまないでください。迷惑なんで。』
作者:てた・りる。()

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〜ツナ視点〜

「ツナ!ボール行ったぞ!」

バシッ

「ぶっ!」




「ツナのせいで負けたんだからな!」

「ご、ごめん…」

「とゆーことでお掃除頼める?俺たち貴重な放課後は遊びたいから」

「えっ」

「んじゃ頼んだぜーっ」

「ファイトだダメツナ!!」

「ちょっ、まってよっ!」

「テストは?」

「入学以来ほとんど赤点!」

「スポーツは?」

「ダメツナのいるチームはいつも負け!」

「「「「ぎゃははは!」」」

「…へいへい。どーせ俺はバカで運動音痴ですよー。」

…こんなダメな俺がなぜ学校に来るのかといえば、笹川京子がみられるし、玲人もいるから。
笹川京子はなんたってかわいくて、無邪気な笑顔はサイコーだから!!
玲人は幼稚園からの親友で、頭がよくて、運動もできる。俺とは正反対だけどとってもよくしてくれる。
一度なんで俺にそんなに良くしてくれるのか聞いたことがあるんだけど、玲人曰く、
「ツナが俺の初めての友達で、俺の一番聞きたかったことを言ってくれたから。」
って言われたんだけど、正直何の事だか分らなかった。

「お待たせ京子!」

「あ、持田センパイ。」

「!」

「それじゃ私いくね。2人のジャマしちゃ悪いし。」

「もーー、花ったら。」

「やっぱ剣道部主将とできてたんだ。もう学校に来たくねー…けど、玲人がいるしな…
下駄箱にメモ入れとこ…」

『ごめん。具合悪いから先帰る。』

「うん。これでいいだろ。帰ろ…」



「綱吉ー。学校から電話あったわよ。
また途中からサボったんだってねぇ。あんた将来どーするつもり?」

「別にぃ…」

ガチャッ

「母さん、別にいい高校や大学に行けって言ってるんじゃないのよ。」

「黙って人の部屋に入るなよ!!」

「あんたみたいに退屈そーに暮らしても一生、楽しく暮らしても一生なのよ!
ああ生きてるって素晴らしい!と感じながら生きてほしいのよ!」

「そーゆーこと人前で言わないでね。恥ずかしいから。」

「ま…ツーっ君…今日家庭教師の先生来るの。」

「はぁ?!家庭教師?!!」

「ポストに面白いチラシが入っててね。『お子様を次世代のニューリーダーに育てます。学年や教科は問わず。リボーン』素敵でしょ?こんなうたい文句見たことないわ!」

「胡散臭いよ!」

「きっと凄腕の青年実業家庭教師よ!母さんこういう先生に見てほしかったの。」

「勝手にイメージつくんなよ!オレ家庭教師なんてぜってーヤだからね!
どーせ何やったってムダなんだって!」

「ちゃおっス。3時間早くきちまったが特別に見てやるぞ。」

「ボク…どこの子?」

「ん?俺は家庭教師のリボーン。」

「ブッ」

「まあ!」

「うさんくさい広告の主がどんなやつかと思ったらこの赤ん坊?!」

「お前がツナか。」

「悪いけど、お前に教わることなんてないよ!」

ドシュッ

「ほむっ!」

かっくんっ

「そんじゃーはじめっか。この部屋だな。」





〜玲人視点〜

「『ごめん。具合悪いから先帰る。』ね…」

これは…サボったな。ツナのやつ…
そういえば最近、笹川京子と持田先輩が付き合ってるっていう噂を聞くな…
これは原作開始かな…?



〜ツナ視点〜


どうしよう…
玲人には言えないよ…変な赤ん坊がオレをマフィアにしようとしてるなんて…

「冗談じゃないよ!っていうかなんでついてくるんだよ!?
お前保育園は?!」

「殺し屋は保育園なんていかねーぞ。」

「殺し屋ごっこはもーいいって!」

「!」

サッ

「?」

「きゃーー!かわいいー!」

「ちゃおっス。」

「!」

「ボクどーしてスーツ着てるの?」

「マフィアだからな。」

「わぁーーー!かっこいいーーっ」

なっ!あのクソガキいきなり笹川京子に気に入られてるーっ!

「がんばってね。バイバーイ。」

「ちゃおちゃお。」


「マフィアモテモテ。」

「んな!」

「ツナあの女に惚れてんだろ。」

「お前にカンケーないだろ!?」

「俺は読心術を習得している。」

「もういいから!オレのことはほっといてくれよ!」

「いやだ。」

「いででで、ギブ!!ギブ!!!」

ちっくしょー……
俺はこんな赤ん坊にも勝てないのか…

「告白したのか?」

「するわけないだろ!
笹川京子はわが校のアイドルだよ?
どーせ俺なんか眼中にないよ。告白するだけムダだって。」

「すげーな、その負け犬体質。」

「ほっとけよ。」

「やっと俺の出番だな。」

「ん?」

「死ね。」

「は?!
おもちゃだろ。」

「いっぺん死んで来い。」

「おい…っ!いつまでも年上をからかうなよ!
だいたい殺される意味が分かんないよ!」

「死ねばわかる。」


ズガン!!




「…イッツ死ぬ気ターイム。」


〜玲人視点〜


さて、もし今日から原作に入るんだったら、どう絡むかなー…
…まてよ?それよりも、ツナの性格ならおれに隠そうとするんじゃないか?
だとしたら、初めは何も知らない状態で行動しなくちゃいけないってことで、急にピンチの時とかいきなり出て行ったらダメなんじゃないか?
…変装すればいいか。
って、変装ってどうするんだよ!都合よくマントなんて持ってないぞ?
夏祭りで取ったお面ならあるがそれだけじゃ絶対ばれる。ツナに。
…兄ちゃんなら女装用の服とか持ってるかな…性別ひっくり返せばすぐはばれないだろ…

マントはー…ぶかぶかのなら脱げにくいかな?

ん?このドドドドって音なんだ?
あっちから聞こえる…。

あー、原作が始まったのか。
ツナがパンツ一丁で走ってくる。
生で見ると、ツナじゃなかったら警察に突き出しに行くとこだな。
…追いかけてやるか。

おーほんとにひかれてらー。今のは完全にツナのせいだからいいとして…
このままいったらリボーンにびっくりされるな。
…少し離れたとこに降りるか。


ザザザザッ


「きゃーー!」

お、あれは笹川の悲鳴か。
ってことは、そろそろ正常に戻るかな。

いたいた。

「ツナー。」

「?!玲人?!なんでここに?」

「なんか飛んでるのが見えたから。」

ほんとにリボーンって赤ん坊なんだなー。
でも微かに睨まれている気がするのは気のせいかー?
ここで俺も殺気を出すと不味い気がするからやんないけど。
とりあえず、ツナには上着を着せてやって、肩に手を置き、

「どんまい。(笑)」

「!そういえば俺パンツ一丁だ!恥ずかしっ!」

「上着貸してやるよ。かえろーぜ。」

「ありがとー!!」

「…玲人って言ったか。お前、どこから出てきた?」

さっすがアルコバレーノ。

「普通に道からだけど?にしても、赤ん坊なのに口が達者だな。」

「…そうか。」ニッ

…これは、興味をもたれたかな。
まぁいいか。

-11-
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