〜夢の中にて〜
「こんばんはー。」
んー…こんばんふぁあ…
「あいさつの途中で欠伸しないでください。」
しょうがないでしょ。出ちまったんだから。
要件は何?
「あなた、マント作ろうとしてますよね?」
ああ。ないと不味いかなって。
「それ、私が作ってあげてもいいですよ。」
まじで?!なんで!?
「代わりにあなたにはもう一つ枷を付けてもらいます。
正確には、枷を付けてもらうからその対価としてマントを作ってあげるっていう話です。」
あー、そういうこと…どうりで話がうますぎると思った。
じゃあマントは何か注文してもいいのか?
「あー…小さいことを2個までならいいですよ。」
じゃぁ、武器を入れるポケット(四次元)とフードを外れにくくして。
「それくらいならいいですよ。
武器のポケットは一つでいいですか?」
…そうだな、三つ作っといてくれ。
いざという時のために。
「武器も増やしときますか?」
いいのか?
「コピーするだけなのでいいですよ。」
それじゃあ五つ頼む。
それで?枷っていうのはなんなんだ?
「実際問題、あなた今の状態でも肉弾戦ならだれにも負けないんですよ。
それだとこっちが面白くないので、あなたの喋れる情報に制限をかけます。」
それってどういうこと?
「簡単にいうと、あなたは転生者であるということを原作の人たちに伝えるとあなたは死んで、
原作の人たちに憑く背後霊になるんです。」
…あんまり意味ないんじゃ?
「よく考えてみてください。
あなたは幽霊なんです。ただ見ていることしかできないんですよ?」
………
「主人公たちがピンチになって傷だらけになっててもただ見ていることしかできないんですよ?
あなたがとても大切に思ってるツナ君が、傷だらけで倒れてしまっても、手を差し伸べることも、声を届けることもできずにただ見ていることしかできないんですよ?しかも目をつぶっても見えてしまいます。
…こんなつらいことに、あなたは耐えられますか?」
…無理だ…死んでしまいたくなる…
「でも死んでるので死ねませんし、消えることもできません。原作の人たちが死ぬまでは。」
…そんなの…絶対…むり……
「一応転生者でないと知らないようなことを言おうとしたりするとひどい頭痛がするようになります。
頭痛が来たらこれ以上は言えないことだと思ってください。
なお、行動に制限はありませんが、あんまり壊しすぎないでくださいね?
そうなると私たちが大変なので。」
…その方がそっち的には面白いんじゃないか?
「まぁそうなんですけど。」
…話は終わりか?
こっちも一つ話しときたいことがあるんだけど。
「なんでしょう?」
抽選者は4人って言ったよな。
そいつらは全員原作知識もってるのか?
「基本的にみなさん原作知識より自分の記憶の方を選んでるので、原作を知らない人もいます。
たぶんあなたが一番詳しいですね。」
…そうか。わかった。
俺はもう話すことはないよ。
マントはできれば一週間以内に届けてほしい。
「明後日には届きますよ?武器と一緒に百均で明後日に買ってください。
行けばわかります。」
はやっ!…わかった。明後日に百均だな?
「ええ。それではー。」
「…ん…」
神様との話で目が覚めてしまった…
まだ5時なのに。
…とんでもない枷をはめられたもんだ…
ほんと死にたくなるよ…そういえば、俺の炎は隠密って言ってたな。
どんなふうになるんだろ…でも炎の色は銀って言ってなかったか?それでどうやって隠密行動するんだ?
…今考えてもしょうがないか。
とりあえず、今日はツナが持田先輩とバトる日だ。
勝てるってのはしってるが、なんかドキドキするな。
楽しみだ。