小説『寝坊しただけでからまないでください。迷惑なんで。』
作者:てた・りる。()

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今日も普通に登校してたら、変な女子が家と道路を隔てる塀の上をフラフラしながら歩いてきた。

「…ツナ。あの子はリボーンの知り合いか?リボーン目掛けて変な格好で歩いてるけど。」

って言っても俺は知ってんだが。

「えっと、リボーン知り合い?」

「いんや、初対面だ。」

「こんにちわ!私、三浦ハルと申します。」

「知ってるぞ。ここんちの奴だろ」

「やっぱリボーン知ってんじゃねえか。」

「お友達になってくれませんか?」

「いいぞ。」

「はひーーっ!!」

塀の上の子…三浦は感極まったのかフラーッと地面に落ちー…無い。
新体操でもやってるんだろうが、綺麗に地面に着地して飛び跳ねてる。

「あ…あの、早速なんですが、こう…ぎゅうって抱きしめていいですか?」

ハアハア言いながらだと変態チックだぞ。花の中学生よ。

「気安く触るな。」

「えっ?」

「俺は殺し屋だからな。」

「こらリボーン!白昼堂々そーゆーことを…!」

三浦の右腕が振り上げられたのを見てとっさにツナの顔の左に手を出した。

パァンッ

「セーフ。」

理不尽なのは性に合わないんだよね。と思っても言わないよ?相手は今は一般人の女子だから。
と、思いつつツナの前に出ておく。

「邪魔しないでください!そこの沢田さん最っ低です!!
なんてこと教えるんですか?!殺しなんて…!」

「はあ?!」

「赤ちゃんは真っ白なハートをもった天使なんですよ!!あなたはそんな純情を腐ったハートでデストロイですか?!」

思い込みってすげぇな。

「違うって…何か誤解してるよ!!」

「何が違うのよ!!」

「オレはリボーンに殺しなんて教えて無い!!」

「うそつきです!あなたリボーンちゃんのお兄ちゃんでしょ?
よく一緒にいるの見てるんだから!!」

最近感じてた視線の正体はお前か!

「兄弟じゃないんだって!」

「じゃあなおさら最悪じゃないですか!
他人の赤ちゃんをデビル化なんてーー!!」

話が通じないねー。

「良いですか?あなたはもーリボーンちゃんに会っちゃダメですよ!
悪影響です。」

てか俺を挟んでるのに俺空気だ。すんごい空気だ。

「そーはいかねーぞ。」

「ほぇ?」

「そーだよお前説明しろよ。
なんで俺が怒られなきゃいけないんだよ。」

「ツナをマフィアの10代目ボスに育てるのが俺の仕事だ。
それまでツナから離れられないんだ。」

わぉ、爆☆弾☆発☆言☆!

「何がマフィアですか!不良の遊びにもほどがあります!!
リボーンちゃんの自由まで奪って!!」

「ちょっ!あのね?!」

おーおーめっちゃ睨んでるー。
般若みたいだー。

「貴方もです!いつも一緒にいるのになんで止めないんですか!」

「リボーンが勝手についてくるんだけど。」

「貴方もグルなんですね…!
わかりました。またねリボーンちゃん。」

一瞬睨んでからリボーンに笑顔を向けて去って行った。

「お前ら息ぴったりだな。
夫婦みたいだぞ。」

「離婚寸前のな!」

「いやいや、ツナとリボーンのも負けてないぞ?
漫才みたいでww」

「ちょ、玲人もやな事言わないでよっ!」

「さて、茶番はこのくらいにして。
今からだとツナに合わせて走ると間に合わないんだが、おぶっていいか?」

「ってうわほんとだ!…玲人お願いします!」

「よしゃ、とばすぞー。」

さてと、明日は襲われる日だな。



――次の日――

「ふ〜〜っあっつい…――」

「あついなーー。」

ガシャン…ガシャン…

「あれ…あまりの暑さに耳鳴りが…」

「ツナ。耳鳴りじゃないぞ。」

ガシャ…

恐る恐る振り返ると、くそ暑い恰好した三浦がいた。

「あんた何ー?!」

「昨夜頭がぐるぐるしちゃって眠れなかったハルですよ。」

「寝不足だとそーゆーかっこしちゃうわけ?!」

「違いますーっ!
それじゃ私おバカですよ。」

昨夜何があったかは知らないし、いくら考え抜いた結果だとしても
このクソ暑い日にそんな恰好しちゃったらおバカだと思う。

「リボーンちゃんが本物の殺し屋なら、
本物のマフィアのボスになるツナさんはとーってもストロングだと思うわけです。」

「な?!」

「ツナさんが強かったらリボーンちゃんの言ったことも信じますし、
リボーンちゃんの生き方に文句は言いません。」

そういいつつヘルメットを被ったので、俺はツナの前に出て構えた。

「ツナさがれ!」

「うわ!?」

「お手合わせ願います!」

「んなーー!!」

「あちょーー!」

「っく…」

思いっきり振りかぶってきたので受け流そうと思ったが、ツナが真後ろにいるからそれができなかったので受け止めたのだがいつもより重いものを着ているからだろう。
掌で受けたにもかかわらずゴッ…という鈍い音がした。

俺は掌が少し痛むがそのまま獲物を握って固定した。

「っ!手、放してください!今あなたは関係ないでしょう!!」

「いやぁ、目の前で親友が殴り掛かられそうになったらほっとけないだろー。」

「れ、玲人!!手!さっきすごい音したけど大丈夫?!
あと、オレはマフィアのボスになんかならないって!」

「じゃあやっぱりリボーンちゃんをもてあそんでるんですね!!」

「そーじゃなくて…!」

「十代目下がってください!折川手ぇはなせ!」

「え?獄寺くん?!」

「げぇ!」

原作より時間ねーじゃねーか!
しゃぁねえな!

「あれ?ドカーンってやつですねー。ってなんですかセクハラですか!」

「良いから黙っとけ!あと絶対俺から手を離すな!」

俺は三浦を抱き、ヘルメを外した。

ドガァン!!

「はひーーっ!!」

ザボーンッ

「あ〜!玲人まで落ちちゃった!」

「これでもう大丈夫です。」

「「ぶはっ」」

「何が大丈夫だ馬鹿野郎なんにも大丈夫じゃねえよ!」

「なんであんなもん持ってるんですかーっ!」

ガシャッ

「ちょっ暴れんな!支えてられねえだろうっで!…」

水中でうまく泳げないことに動転した三浦は腕を無茶苦茶に振り回しやがった。


後ろから重い何かがすごい勢いで迫ってくる音が聞こえた。


ゴスッ!……


あれ、これちょっとやばいかも。

バシャバシャッ

「助け…ゴホッたすけてぇーっ!」

「…?玲人?玲人大丈夫?!
玲人が動いてない!や…やばいよ!」

「ん?」

「打ち所が悪かったんだな。助けてやる。」

「リボーン!!」

「だめです!この川はリボーンちゃんが泳げるよーな…
!、なにして、」

ズガンッ

「ええええっ?!」

「死ぬ気でハルと玲人を救う!!」

「はひっ?!」

「追加だ。かかとを撃てば足スクリュー弾。」

「オレに、つかまれーっ!」




「ありがとーございました、それとすいませんでした…」

「ああほんとにな。手、離すなよって言っといたのに…
水中でむやみやたらに暴れるのはもう勘弁してくれ。」

あの時振り回した腕がたまたま後頭部にヒットしたっぽい。
そして俺は見事に気を失っちまったってことだ。

「ったく、反省してんのか?
十代目にもしものことがあったらおめー、この世に存在しねーんだからな。」

「………プ。」

「?!」

「!」

「お?」

「死ぬ気でハルと玲人を救うー!
オレにつかまれーっ!」

「!」

「そういえば言ってたな。」

「そんなクサいセリフ、テレビの中だけだと思ってました。
向こう岸まで泳ぐーっ!」

つかそんな人の黒歴史みたいなのを大声で言うとか普通にひどいぞ…

「ちょっやめてよ!はずかしいー!」

「すごく…ステキでしたよ。
リボーンちゃんのかわりに飛び込んでくれた、10・代・目♪」

「な!!」

「さっきからドキドキして、胸が…っ」

「ちょっ、はあ?!」

「ハルはツナさんに惚れた模様です。」

「んなーー!!
で、でも確かリボーンの事が好きなんだろ?」

「今はツナさんにギュッとしてもらいたい気分です。」

「えーーー!?」

「それに、玲人さんもとっても優しいんですね!(ツナさんのお兄ちゃん的な意味で)」

「あー…ハルちゃん、悪いことはいわん。ツナはやめといたほうがいいと思うぞ…」

「そっそれはもしかしてベーコンレタス的な…!」

「想像してるのとは違うと思うが、…まあ、ツナは競争率が高いぞってことだ。」

「?そんなことでしたら大丈夫ですよ?
それは人を好きになった時点で誰もが覚悟することだと思いますが…?」

「あー…そういうことじゃぁねぇんだが…まあいいや。俺は反対も応援もしないからがんばれ。」

「?はい頑張ります!」

「…へくちゅっ!」

「あ、ツナ忘れてた。」

「ツナさーん!タオルどうぞ―!」

「んな!十代目俺のをどうぞ!
そっち濡れてるんで!」

「なっ!失礼ですね!新しいのに決まってるじゃないですか!
横入りしないでください!!」

「…今日も平和だなぁ…
ツナ、今日はちゃんと風呂であったまるんだぞ?
ほら、ふいちゃるからこっち来い。」

「あ、ありがとう玲人。」

「あとこれジャージな。」

「ほんとありがとう玲人…」






――ハル視点――

今日はいろいろあったなー。
ツナさんと玲人さんはじつはいい人だったし
川で溺れちゃいそうになったし…

「こんにちわ。」

「わ!こ、こんにちわ!すいませんボーっとしてて
…えと、どちらさまでしょう?」

ふと気が付くと三人の男女がいた。

「お初にお目にかかります。私は沛然(はいぜん)といいます。皆からは『学者』と呼ばれます。」

「俺は間多荷(まだに)。皆からは『ヤクザ』って言われてる。」

「いやそれよりも『保父さんw』の方が多いよ。
あたしは水無月(みなづき)。皆からは『ヲタク』って呼ばれてる。」

「えと、はじめまして私は三浦ハルといいます。」

「はい。少しあなたにお話があるのですが…」

「はいご用件は?」

「沢田綱吉さんと折川玲人さんについてのことで…」

「ああ、ツナさんと玲人さんの事でですか。」

「そうです。…少しお時間よろしいですか?」

「はい!私でよければ。」



〜〜〜お話中〜〜〜



「ありがたいお話ありがとうございました学者さん!」

「いえいえ。これからよろしくお願いします。
皆心優しい人たちばかりなので。」

「はい!『玲人様と綱吉様を見守り隊』No.5098として頑張ります!!」

「それでは。」

「はい!さようなら!」

はぁ、すごくいい話が聞けた…ツナさんや玲人さんってほんとにすごく競争率が高かったんだ…
不逞な輩にツナさんたちが狙われないようにこれから気を付けないと!

-24-
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