小説『呪い使いの転生者』
作者:unworld()

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呪い使いと勝者

「うおぉぉぉ!!!!」
「うらぁぁ!」

俺と神羅の攻防は続いていた。
己の力を振り絞り魔法を剣を撃ち合い続ける。
俺の方はとっくのとうに限界など超えている。魔力も切れたしただ俺の中にある何かが俺を動かしている。
呪魂拳を発動し俺は神羅に殴りかかる。あいつ…神羅には届かない事を知っている、がそれがなんだというんだ。
神羅は【王の財宝】を使い剣を出してくる。そして俺に切りかかった。
俺の体はボロボロだ。避ける力も残ってはいない。だが、避けることはしない無謀でもいい、俺はあいつを倒すために突撃する。
しかし、それでも剣に阻まれる。肌は傷つき血もベタベタに肌に張り付いている。ところどころ出血もしていてその出血量は少なくない。
肌は血によって紅く変色しているようにも見える。それだけ量がすごいのだ。
すると、神羅は…

「ちっしぶとい…雑種よ、受け取れ」

神羅は俺に向かって剣を投げてくる。俺は攻撃用かと身構えるが違うようだ。俺の手に収まる。

「あ?なんだ?」
「俺と剣の勝負でもしようではないか?なに、時間が押しているのでな」
「?」
「見よ、太陽が登って来ているであろう?それまでに決着をつけねばならないからな。」
「まあ、いいぜ?」
「では…行くぞ!」
「いいっ!?」

神羅は剣を二つもって突撃してくる。俗にいう、双剣というより刀ぽいから双刀か…
俺は剣をふるい迎え撃つ。だが、こちらの方が不利だ。
俺は神羅の剣撃をガードしてやり過ごそうとする。
すると、ものすごいダメージが俺を襲った。

「ぐっぁ!」
「まだまだ行くぞ!」
「くそっ!!」

たぶん、ていうか絶対、魔力で強化してやがる。一種の聖剣やその系統の武器でないとあんな豪力は出ない。
俺は剣をふるい神羅の動きを止めた…つもりだった。

「マジかよ!?」
「うらぁ!」

俺の剣と神羅の剣がぶつかり合い火花を散らす。

「っ!」
「どうしたその程度か!?」
「うっせぇ!」

俺は剣をふるい応戦する。
右、左、突き、振り下ろしなどの種類をやるがことごとく止められる。
くっそ!どうなってやがる!

『真理の目だな』
「はぁ?」
『あいつはお前の思考を読んできているんだよ。だから当たらないのも当然だ。』
「マジかよ!?チートやろうめ…」
『そういう風なもんだろ。
それに、お前も十分チートだ。』
「は?」
『お前は魔法を喰えるし呪えるし打ち消せるしよ。対魔法ってな感じだな。』
「ふざけんなよ。俺は自分をチートにしたつもりはなかったんだけどな…」
『ドントマインド』
「普通に言おうぜ?」

俺らが茶番をやっていると神羅が突っ込んでくる。
ギギャと不快な音が聞こえ刃と刃がぶつかり合った。
その剣と剣はぶつかり合い火花を散らす。

「うらぁ!」
「くっ!」

俺は剣を薙ぎ払い神羅の剣にぶつかり、神羅は吹き飛ばされる。
俺はたたみかけるように突っ込み打ち込んだ。
しかし…

「うらぁ!」
「なっ!?」

神羅は剣を持ち替え坂刃にし斬りつけてくる。俺はそれに反応出来ずに剣でとっさにガードをとった。
その結果…

俺の剣の刀身の根元から割れた

「マジかよ!?」
「死ね!」
「ぐあっ!」

俺に神羅の剣が突き刺さる。
俺は苦痛に顔を歪め後退する。すると、神羅は【王の財宝】を行使した。
まさに無慈悲な王様だ。
ふざけている。
【王の財宝】から放たれた剣はまっすぐにこちらに向かってくる。
俺はプロテクションを使うがなにも無かったかのように破壊され剣は俺の身体に突き刺さる。

「ぐあっ!」

その後も剣が俺を襲い、実に刺さった剣の数はゆうに20を越していた。
俺はそんな身体で飛べるはずもなく、そのまま、海に撃墜する。
俺は身体を海に預けながらひとりごちる。

「ああ、俺弱いな…」

そう、弱い…完全に俺の敗北だ。
俺に突き刺さっていた剣は神羅が【王の財宝】を解除したのか霧散している。
だが、それで刺さっていた傷が塞がるわけではない。
こうしている間にも俺の血は流れている。その量は普通の量ではない。
俺はつぶやくがその言葉は誰に向けたものでもない。自分の事を叱咤している。

「弱いじゃねぇかよ…」
「何が守るだ…俺は何がしたかったんだよ…」
「別に…」

別に俺は何になりたかったわけでもない…そう言おうとしたんだ。
だが、その言葉は俺の喉からは出てこない…
なぜかというと一本の太い剣が俺に突き刺ささったからである。
さした本人はもちろん神羅だ。軽蔑の目で俺を見据えている。

「貴様の敗けだ。蓮月薫」
「ああ…お前の勝ちだ…神羅…」

俺の身体はもう微塵も動かない動かせない…限界などもう超えて足が手が動かせない…呪魂拳も消え去り俺の手札は残っていない…
だが、神羅の手札は残っている。
すべてだ。
俺の敗北…その現実が俺に死を感じさせる。
それもそうだ。実際、俺は瀕死の瀕死だ。
そして、神羅は俺から遠ざかる。こんな重症人放っておいても死ぬだろうからな。
俺の身体から剣が消え去り神羅もいなくなる。
だが、大量の血を流してる俺の命はもう尽きる…

そうだ…俺は何になりたかったんだろうな?

死を目の当たりにすると、そう考える。前世でもそうだった。
今回は何になりたかったんだろうな?

別に何になりたかったわけでもない
それこそ、王なんて望まない…
英雄になろうとも思わない…
別に体は剣で出来てないし
血潮は鉄でもないしな…
心は硝子でもない…
幾たびの戦場だって超えてないしこういう風に戦っても敗走する。
理解されなくてもいい。される必要は
ないんだ。
この世界にきた意味もわからないんだ。
別に何かが欲しかったわけでもない…
ただ…俺は

力が欲しかった…

みんなをなのはたちを救える守れる力が欲しかった。

救えないものがあるのは知っている。
誰かを救うということは誰かを救えないことと一緒だ。
そんなことは百も承知だ。

だけど、誰かを救えなくてもいい。

なのはたちを救えれば…

自分なんて捨ててもいい

なのはたちを救えれば…

世界を敵に回しても、俺が死ぬことになってもあいつらだけは笑っていてほしい。切にそう思う。
だが、俺はもう死ぬ…
だから…

お前らだけは笑っていてくれ…



そんな事を思いつつも俺の意識は深淵に落ちていった…




どうも、unworldです。
投稿遅れてすいません。いろいろあって大変でした。
今回は蓮月薫の初めての敗北です。
おつかいではありません。
それで死ぬって主人公死にすぎですよね?
自覚はあります。後悔はたぶんあとからします。いや、今からします。
でも、ここからがんばって立て直していきますんで、
これからも『呪い使いの転生者』と作者をどうかよろしくお願いします!

では、これで!



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