小説『自問自答』
作者:杉浦 真()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>




エピソード9




昨日部屋を掃除していたら中学のときの文集を見つけた




何気なく、昔を振り返りたくてぱらぱらとページをめくったら
中1のときの私の文集がそこにあった


詩の部門で最優秀作品だった
「おぉ」とわからないけど、自分でもびっくりした
「こんなのとってたんだ、自分スゲー」的なかんじである
そして同時に心を動かされた












『信じる



 失敗することは
 怖いこと
 後悔なんて したくない
 でも それじゃ
 疲れてしまうよね
 一番大切なことは
 自分を信じてあげること
 信じ続けてあげること
 
 ほんの少し変わるだけで
 きっと自分が好きになれる
 あと少しの勇気で
 自分の未来が変わるはずだから』









詠み終えたとき、涙が溢れた
この頃の自分がすごく大きな存在に見えた




昔の自分のほうが、今の自分より素敵だ



輝く未来を信じていた自分
何も疑うことなく、ただ前に向かって歩いていた自分
泥だらけになりながらも、一生懸命何かを頑張っていた自分


今の自分がものすごく恥ずかしい


輝く未来を信じていたことさえ忘れていたじぶん
何もかもを疑い、前に進むことを恐れ後ろばかり気にしている自分
泥だらけになるのが嫌で、一生懸命何かを頑張ることがかっこ悪いと思い、さめたフリをしている自分


どっちがかっこ悪いのか嫌でもわかる
今の自分だ


昔の自分に励まされてしまったが、勇気を貰った気がする
これから自分が何をすべきか
もう一度考えるべきだ



みなさんも何かにつまずいたり、後ろを振り返りたくなったら、昔のアルバムや小さい頃の自分を思い出してみるといい
少しだけ前に進む勇気が湧いてくるはずだ
明日も明後日もその先も頑張れるはずだ



昔の自分は今の自分の支えになり、糧となる
今回は自分にそう教わった














さて、明日も頑張りますか











-10-
Copyright ©杉浦 真 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える