小説『続・黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第五話


 さて、あれから月日が流れ数年がたった。

 え? 時間のスピードが速い? いやいや、君たちは見たいのか? 変わり映えしない日常を送るする様子を。まぁ何があったかというと、


パターン一夏


一「お兄ちゃ〜ん? 起きてますか〜? うん。寝てますね〜?」

 そういって一夏は私に与えられた部屋に入る。ただ、起こすことが目的ではない。なぜなら、

一「あぁ〜お兄ちゃんの臭いだ〜。お邪魔しま〜す」

 そういってもぞもぞと私と面を合わせるように布団の中に入っていく。

一「まだ、起きるには速いもんね。じゃあお休み〜」

 そういって彼女はまだ眠そうな瞳をゆっくりと閉じて睡魔の誘われ眠りにつく。

 ちなみに時刻は深夜3時。私が起きるのは朝6時。つまり3時間彼女と葵は一緒に寝ることになるのだ。

 そして、私が起きる時間は、

葵「ん?(何だ? なんか目の前に柔らかい感触が――――)まさか?!」

 布団をのけると、そこにいたのは、

葵「・・・やられた」

 すやすやといまだに眠る一夏であった。ちなみにこれは毎日行われるやりとりである。これで済めばいいんだが、彼女はしっかりと私を抱き枕としているためなかなか起きれないのである。


パターン千冬


 あれから私は時々千冬に剣術を教えるようになった。無論彼女も覚悟の上でだ。

 まぁ、あれだけ厳しい練習を行ったのだ。結果も当然ついてきている。なにせ中学の時千冬は剣道全国大会優勝、さらには国体の地区代表に選ばれるほどだ。それに刺激されてか箒も剣道にそそぐ情熱がまし、一夏も剣道を始めた。

 それはさておき、彼女の問題点は、

葵「では今日はこれまで。先にシャワーを浴びるといい。しっかりと汗を流して風邪をひかないようにな」

千「あり・・が・・とうご・・・ざいました!」

 かなりばててるな。そういって彼女にスポーツドリンクを渡す。すると、

千「兄さん、先にシャワーを浴びるといい」

葵「いや、さきに「兄さんの方が精神は大人でも体は子供なんだ。それに私は女だ。いろいろと準備もある」分かった」

 そういって私は先に道場に備えられているシャワーを使う。何でも箒いわくこの道場は流派の人たち、大人子供問わず結構な人が数使うためシャワーを完備しているらしい。以前に子供がそれが原因かどうかは知らないが風邪をひいたということもあったらしい。

葵「ふぅ。やはり気持ちいな」

 適温の温度を出して、シャワーを浴びていると、ガラッと扉が開く音がした。

 いまこの道場を使用しているのは、私と千冬だ。そして、束は・・・いや、あいつの確立もあるか?

千「邪魔するぞ、兄さん」

 そこにはタオルで体を隠しながらもラインがくっきりと分かる魅力的な体をした千冬がいた。

葵「!? ななななな、千冬!?」

千「体を洗ってやろうと思ってな」

葵「イヤいいから?! それに色々とまずいだろ!?」

千「だが一夏と一緒には入ってるぞ?」

葵「一夏女! 私は男だ!」

千「そんな些細な問題など気にしない」

葵「いやいやいや!? 全然些細じゃない!? 間違いが起こったらどうするんだ?!」

千(むしろ起こってほしいんだが・・・はっ!? 私は何思った?! まぁそれもありか・・・)

葵「千冬!? 何を考えた!?」

 その後は・・・・御想像にお任せする。あ! ただしR-18みたいなことは起こって無いのであしからず。

 あと、最近感じたのは彼女の料理がシャマル並みだったということだけか聞きわえておこう。うん。あれはどうにかしないと。一夏も千冬にはキッチン立ち入り禁止令を敷こうかどうか必死に考えていた。シュールだったぞ。小学生の女の子が考える人の像になってたのは。


パターン束


 うん。こいつが一番厄介だった。何がって? 態度で示さないが行動で示すタイプなんだよこいつ。

 ある日には、

葵「ん? なんだこれ?」

 机の下から黒光りするものを発見したため魔法で探索をかけてみると出るわ出るは録画機器や、録音機器。そして、私の趣味を一早く見つけたやつでもある。

束「あっくん! あっくん! 束さんだよ!!!」

 そういって部屋の窓から入ってくるのはまごうこと無き篠ノ之束。

葵「束か。何かあったのか?」

 呼んでいた本(罪と罰)を閉じ、束の方を見ると、

束「はいこれ! 束さんからのプレゼント!」

 そういって取り出したのはウサギのぬいぐるみ。

 当然私はそれを一瞬にしてとり、

葵「もらっていいんですか?! 本当に良いんですか!!? 後で返してといっても返しませんよ!!?」

束「束さんがそんなことしないよ?」

 そういってモフモフして、その感触を堪能する。だが、その時に気付くべきだった。彼女が持っている一眼フレーズのカメラに。

 翌日、その写真が一夏、千冬、箒に行きわたっていた。さらに、探索魔法をかけた時ウサギのぬいぐるみに録音機器と録画機器が入っていたことに気付いたが、取り出すことが出来なかった。もらい物ということもあるが、あの、あのかわいいウサギの腹を切ることなんて私にはできない!!! 篠ノ之束、恐ろしい人だ。


パターン箒


 まぁ、一番彼女がまともかな? 

 彼女も篠ノ之道場の子だ。一夏と一緒に剣道を始める。土日も朝から始めたりする。 

 すると、彼女がお弁当を持ってきてたりするのだ。

箒「に、兄さん。こ、これ」

 そういって風呂敷に包待ったお弁当を取り出す箒。

葵「私にか?」

箒「うん。いつもお世話になってるからそのお礼」

 そういって中身を開けると、から揚げにほうれん草のおひたし、鮭、卵焼き、ポテトサラダ。色々あるな。

一「うわ〜箒ちゃんの料理上手なんだね!」

箒「あ、ありがとう」

葵「ふむ。見た目も良いし、どれ、みているだけでは腹はふくれん。いただくとしよう」

箒・一「「うん!」」

 そういっていただきますをして箒の料理を口に運ぶと、うむ。これは確かに。一夏に勝らずとも劣らず。これはいい勝負をしているな。

箒「ど、どうだ?」

葵「うむ。うまい。この味付け和風だな」

箒「母さんがそっちよりの料理しかしないからな」

一「そういえばお兄ちゃんはお料理出来るの?」

葵「ん? あぁ出来るぞ。何なら今度教えようか?」

箒・一「「ほ、ホント!!」」

葵「あぁ」

 そういって約束を交わす。

 こんなのがここ数年の流れだ。


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