小説『続・黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第九話


 あれからまた月日が流れた。また何か大事なことを飛ばさなかったかって? 大事(だいじ)かどうかは分からないが、大事(おおごと)はある。ISの競技大会モンド・グロッソ、簡単にいえばISのオリンピックみたいなもので千冬が優勝。その結果ブリュンヒルデという称号を得たらしい。ならお前は出たのかって? 出ましたよ。一応ですが。ただ、二回戦を突破した後道実からデータはある程度取れたといって後はわざと負けましたよ。表向きは相手が強かった。裏の理由はあまり実力を知られるのも危険だからって理由で。

 で、今はケルベロスとしての任務中。といっても放置しておくとヤバいって言うS級任務しか行っていない。

葵「任務地についたぞ。ここはどういった施設なんだ?」

道『とりあえず簡潔に説明するさね。その施設の表向きはIS製造施設。でも裏ではどうやらクローンを作ってるみたいさね』

葵「クローン? 何のため・・・IS操縦者か?」

道『その通り。研究者は葵の感情に任せるよ。クローン自体は生きてたら保護、死んでいたら施設ごとどっか〜ん♪ で、証拠隠滅』

葵「・・・・隠滅どころじゃないだろ。もしそれが私たちの仕業とばれたらどうするんだ?」

道『見せしめとして放置。どうせウチがこの世界にいないことはわからないだろうしさね。いまもどこか世界を逃亡中と世界のお偉いさんは思ってるだろうさね。まぁ篠ノ之氏の方を思うかもしれないさねが』

 まぁ、コイツから見ればどっちでもいい。ってところか。さて、目の前の施設も見えてきたし。

葵「外見張りに銃装備兵5、IS装備兵3。足止めにもならんか。派手に行くけどいいか?」

道『言ったさねよ。葵の感情のままにと』

葵「了解。ミッションスタート」

 静かにそうつぶやき、蒼騎士を起動させる。

兵士「誰だ!?」

 そう叫んだ兵は次の瞬間には首と胴体が一生の御別れをしていた。

IS操縦者「蒼騎士!? なんで!?」

IS操縦者2「げ、げいg「遅い」ぐっ!?」

 そして、守備兵を片付ける。あまり女性は殺したくはなかったがまぁ仕方がない。戦場においては老若男女関係ないからな。過去の大戦で経験したことだ。今さらな話だ。


SIDE???


所長「どうした!? 何事だ!?」

研究者1「分かりません!? で、ですが何者かが侵入した模様です!」

 白衣を着た中年の男が叫ぶ。どうやら無謀にも侵入者がここに来たみたいだ。ここはある組織の秘密研究所。

 そして私はそこで生み出されたある女性のクローン。研究者が言うにはIS操縦者最強の座に座る者らしい。

所長「ならは約始末しろ! こっちにはISがあるんだ。既存兵器では勝てまい」

研究者2「そ、それがいま入った情報によると侵入者は蒼騎士だそうで・・・」

所長「なっ!?」

 それまでISがあるからということで所長の余裕の表情だったが今は絶望へと変わった。

――ドガァアアアアン

所長「ひぃっ!?」

???「お前が責任者か。あいつからもらったデータとも一致するしな」

研究者1「に、にg「お前らも眠れ。永遠の悪夢にうなされながらな」な、なんだこれ!?」

 私はいま目にしている光景が信じられない。地面から黒く不気味な腕が生え、研究者を次々と地面に引きづり込んでいく。

???「(赤騎士の力が使えるとは・・・便利なのか不便なのか)さて、お前はここで何をしたのか聞こう」

所長「わ、私は悪くない! わ、私たちは言われるまでにしたまでだ!!」

???「そうか。そして産まれた命をまるでゴミ同様に掃いて捨てたのか」

所長「なにが悪い!? こいつらは実験体! いわゆるモノだ!!」

???「・・・・そうか。なら私の心情を知っておいてもらおう。私の心情は【助ける価値のある者は助け、殺すしか価値の無い者は殺す】だ。お前は栄えあるその殺す価値に選ばれた」

所長「なにをいっていr「今生の別れだ」がっ・・・・」

 男は白衣の男に迷いなく剣を突き立て殺した。

???「・・・・お前はどうする。ここから出たいか?」

 そう言って私の方を見る。鎧から察するにこいつが蒼騎士か。

蒼騎士「名前を聞こう。お前の名は?」

M「M。名前など無い」


SIDEout


M「M。名前など無い」

 Mと名乗った少女は千冬そっくりだった。歳は一夏ぐらいなのだろうが顔はその歳ぐらいの千冬だった。確かここに到着する前にも確かSと言ってた子がいたな。

葵「そうか」

M「私をどうするつもりだ?」

葵「保護する」

M「・・・またどっかの研究施設にでも入れる気なのか?」

葵「それは無いな。自由に生きてみろ」

 だが、Mは顔を変えずに、

M「私はクローンだが。自由など無い。ましてや生きる意味も・・・」

 その言葉を聞いて私は溜息がこぼれた。怒りを超えてた呆れるしかないなこいつは。

葵「なぁ、お前は生きているんだよな」

M「・・・そうだ」

葵「なら、お前は生きる権利も未来を見る権利もあるんだ。いまを生きている者にはそれを得る権利がある」

 Mは驚いた表情をしていた。まぁ先ほど目の前であんな殺戮をした人間が言うセリフとは思えんだろうな。

M「ならお前はあいつらの権利を奪ったのか?」

葵「そうなるな」

 即答したことにまた驚いている。

葵「お前の人生だ。お前のだろうが。どのように生きてどのように未来を築くのか、私は見てみたい」

 すると、Mの瞳に涙がなぜか浮かんでいた。

M「わ、私は・・・いぎて、いいのか?」

 涙声でそう聞いてくる。答えなど聞く必要などないだろう。だが、こいつはどこか安心感という物が欲しかったのだろう。

葵「もちろんだ」

M「あ、あぁ、あぁああああああああ」

 彼女が泣き始めたので彼女が息を詰まらせないように背中をさする。

 しばらくして彼女が泣きやみ、施設から出る。

M「あ、ありがとう/// そ、それと汚してごめん・・・」

 服というか甲冑を見ると多少涙で汚れているが。

葵「別に気にしなくていい。これぐらいでお前が笑ってくれるなら安いもんだろ。さて、この施設はもう不要だろう。破壊する」

 そういって剣に魔力をため込む。そして詠唱を開始する。

葵「汝、愚かな存在であり最大の罪人」

 怒りを込め、

葵「殺めし者は幾万にもなりこれからも続く」

 憎しみをこめ、

葵「汝に価値はなく意味もない」

 まるで、ゴミを見るように

葵「故、我汝を許すこと無し」

 生きる価値を否定する。

葵滅び去れ」

 そして裁きの一言。

葵「オールブレイク・ファンタムゥゥゥゥ―――――!!!」

 その青黒い光りは施設に軽く呑み込み爆発。そこに合ったものは何もなくかるいクレーターがそこに開いていた。

葵「さて、軍が来る前に下がるか」

 そして、私は己の世界に入った。





 心の世界に入るとそこには先ほど助けた子供がもう一名いた。名前をS。空色の瞳に、白に少し青みがかった髪。

道「保護した子さねか?」

葵「あぁ。蒼騎士解除」

 すると大人の姿だった私は子供に戻った。二人は驚愕。驚く日だな今日は。

M「こ、子供!?」

S「・・・何が起こったの?」

葵「まぁ魔法だ。信じるかどうかはお前ら次第だがな」

 その後道実と二人をどうするか話し合った結果。当分は道実が保護するみたいだ。後彼女たちのためにある物を作ったみたいだ。

葵「これは?」

道「正式名称ブリュンヒルデシリーズ。赤、青、黒、白さね。いまあっちで使われているGI、G2シリーズの後継機さね。葵が設計したやつを制作したさね」

 God Item。略称がGI。大量生産型人型兵器のことだ。戦闘機への可変式の【村正】、【鉄(くろがね)】、変形しないまでもその多様なパック変更可能な【一つ目・緑】と【一つ目・青】、そして【蒼剣】。God Giftは戦略指揮官並びに一個大隊隊長に渡される唯一無二の機体、通称【二つ目】。そしてどちらも道実がアニメや漫画を参考にしたSFものを現在に蘇らせ宇宙区間での利用を目的にしていた物だが兵器化に運用変更され今現在騎士団の兵器にも運用されている。もちろん宇宙運用もされている。

葵「その二つに変わる者をこの子たちにでも渡すつもりか?」

道「良く分かったさね。この子たちの技術を先ほど見たさねが文句なしさね」

葵「決めるのはこの子たち二人だ」

道「そうさね。それまではこの子たちに勉強を教える予定さね。あまり外には出れないさねが」

葵「分かった。あといつまでも君たちをMとかSとか言うわけにはいかん。名前をつけたいが欲しい名前などあるか?」

 すると二人は首を横に振った。

葵「・・・はぁ、なら私がつけるがいいか」

 二人は首を縦に振った。まぁ女の子につける名前だ。変な名前は付けられないな。単純にMとSからつけるか。

葵「Mは・・・・マドカ。Sは咲夜でいいか?」

マ・咲「「はい!」」

道「さて。まずこれをもらってくれないさねか? データほしいさねから。あとそれは自己防衛手段としてあげるさね」

 そういって道実が渡したのはブリュンヒルデシリーズの蒼天の翼と白天の槍を渡した。

 だがまぁ、あんなことをされたのだ。無理にしなくてもいいだろうと思うのだが。

葵「道実。それは止めておけ。彼女たちを守るためならこの世界にいさせてもらった方がよいと思うが?」

道「まぁそうさね。でも彼女たちも狙われる身。それにいつまでもこの世界に閉じ込めて行くわけにも参らんだろうさね。外の世界に出て色々学ぶのもよいさねからね」

 まぁ理由としては納得だ。

葵「だが、だからといってブリュンヒルデシリーズを渡すほどか?」

道「ISといっておけばいいさね。後葵仕事さね。まったくこの時代の人間は「なぁ、一つ聞いていいか?」何さね?」

 そこにはマドカと咲夜がいた。

マ「その仕事っていったい何?」

 私と道実は目を合わせ、

道「〈どうするさね?〉」

葵「〈話してもいいだろう。問題は無い〉」

道「〈関わるんじゃないさねか?〉」

葵「〈そうならないように多少はぐらかして話そう〉」

 二人にそのことについて話していると、マドカがその仕事を見ていたのを私は完全に忘れていた。当然嘘とばれて本当のことを話すと。

マ「なら私たちも協力する!」

咲「わたしも!」

葵「あのな、せっかく助かったのだ。何故そんなことをするんだ?」

マ「それはお前もだ! 危険を冒しても助ける価値があったんだろ私たちは! なら私はその助かった命でお前のために戦いたい///!」

咲「うんうん///」

 二人とも顔が赤いがどうしたんだ? まぁ、これほどがん子なら仕方ないか。

道「〈エクス、ルミル? まさかとは思うが葵は・・・〉」

(はい。妻、子供、愛人がいるため多分他人には目を向けるわけにはいかないと思っているんだろう)

(はぁ、マスターは鈍感です。もうかれこれ数人は惚れてますよ? 女泣かせですねマスターは)

道「〈・・・・一夫多妻制って知ったらどうなるだろ・・・・〉」

エ・ル((ハーレム増強))

 何をしているんだお前らは? まぁその後、しばらく二人とブリュンヒルデシリーズを渡して訓練することになった。どんなに説得してもむだだとわかったからだ。んで家に戻ることにした。

 ちなみにマドカに渡した蒼天の翼は白を基調としておりラインに青色が加わっている。そして背中には翼のように展開されている青色の八つのビット。シールドを張ることもでき、また無線兵器としても利用できる。主力武器はビームライフル、対艦ビームソード、散弾バズーカ、そして対実弾・ビーム兵器シールド、胸部に高電圧プラズマ砲が備わっている一対多を想定して作られている。そして

 咲夜に渡した白天の槍は全身白一色。主力武器は対実弾・ビームシールド、そして特徴的なのは2mぐらいはあるランス。(簡単に説明するとモンハンのガンランス)そしてランス内部、胸部には高エネルギー砲がセットされている。腰には二門のレールガン、背中にはビームジャベリンが二本セットされている。

 そして思う。これ一騎でも過剰戦力だよな? その後とりあえず二人をケルベロスの部隊構成員とし迎え入れることになった。


-8-
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