小説『猟奇日記』
作者:ウィンダム()

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管理事務所に入ってみると、なぜか誰もいない。
そして頭の中の声は連れ込んだ女子高生に告げる。

  いまから衣裳合わせをしたい、とりあえず着ているものを全て脱いで欲しい。

すると娘は驚き、

  え、ここでですか?
 
  そうだ、心配いらない、誰も身に来たりしないさ。

  は、はい、わかりました。

どうしたことだろう?
娘は頭の中の声の言うとおり、ブレザーの制服を脱いでいく。
ジャケット、リボン、ワイシャツ、スカート・・・。
そしてとうとうシミーズ姿になった娘は、

  あ、あのぅ、これでいいですか?

すると頭の中の声が、
 
  そのシミーズも。

すると娘は驚く。

  え、これも?

流石に娘はここまできて、事態の異常さに気が付く。

  あ、あの、ちょっと、これ、おかしくありませんか?

頭の中の声は舌打ちすると、いつのに間にポケットに入っていたのか、サバイバルナイフを取り出すと娘に突きつける。

  お嬢さん、大人しく言うことを聞くんだ。

ナイフに驚いた娘は恐怖に駆られる。

  あ、イヤ、ヤメテ!

恐怖に慄く娘に頭の中の声が、

  心配しないでいい、別に乱暴する気はない、私はキミを『美しく』したいだけだ。

娘は声を上ずらせながら、

  う、う、美しくって、それ、どういうことですか!

  フフフ、裸になれば解ることさ。

  あ、や、やっぱり、騙したのね!

唇を噛みしめ悔しがる娘、頭の中の声は、

  そういうわけではないが、結果的にそうなっただけだ。
  ともかく、キミはここで裸になりさえすればいい。

  ううっ!

半べそを掻き始める娘は、やむなくブラジャーを外す。
すると形のいい福与かなバストが露わになる。

  うむ、なかなかのバストだ、美しい・・・。

目を細めて娘のバストに魅入る頭の中の声。

  さぁ、次はパンティを脱ぐんだ。

  え! そ、そんな、イヤよ・・・。

泣き出す娘に頭の中の声がナイフをチラつかせる。

  大人しく言うことを聞くんだ、裸にならなければキミを『美しく』することができない。

娘はシクシクと泣きながら前かがみになると、パンティを脱いでいく。
そしてすかさず両手で局部を隠す。

  その手をどけるんだ。

娘は涙を浮かべた目を瞑ると、局部を隠す両手をどける
するとその途端に頭の中の声が絶叫する。

  おお! な、なんという、す、素晴らしい!
  これぞ神の創りたもうた偉大なる芸術品だ!

頭の中の声は僕の体を操ると走り寄り、そして娘の前で跪くと局部をしげしげし眺めまわしていく。

  う、美しい! なんという美しさなんだ!

思わず娘を見上げる頭の中の声。

  き、キミはこのままでいい、このままのキミでいてくれ、永遠に・・・。

娘の局部は草木一本も生えぬ不毛、いや、この場合、無毛地帯といったほうが適切な表現だろう。
そして綺麗な一本のスジが股間を走る。
確かにこれはこれで綺麗なものだ。

話には聞いていたが、天然のパイパンがいたなんて僕はこのとき初めて知った。
すると頭の中の声が僕を怒鳴りつける。

  おい、何をボケっとしておる、はやく撮影せんか!

僕は思わず問いかえす。

  はぁ、なに言ってんだあんた? カメラなんか持ってきてないぞ。

  バカモノ! ポケットを調べんか!

僕は怪訝な思いでポケットに手を入れる、するとなんと、デジカメが出てくる。

  なんだ? いつのまに?

ポケットから取り出したデジカメをしげしげと眺める僕に頭の中の声が急き立てる。

  は、早く撮影せい!

僕は言われた通りに娘の裸体を撮影し続けていった。
すると頭の中の声が娘に語りかける。

  いや、キミは美しい、さっ、服を着て帰りたまえ。

すると娘は、キッとした目で僕を睨むと急いで服を着ていく。
そして室内から走り出すとドアのそばで立ち止まり、

  イィーッ、だ! お巡りさんに言いつけるから!

と言い捨てると走り出ていく。

独り室内に取り残された僕は思わず呟く。

  やれやれ、バカらしいことに付き合わされたものだ。

すると頭の中の声が、

  いや、今日は実に素晴らしい芸術作品を見させてもらったよ、うん。
  キミに感謝するよ、そして次の章がキミを待っている。
  じゃ、グッバイ!

そう言い残すと頭の中の声が立ち去っていく。

そして今度は『第四章:D氏の日記』へと、このとんでもない現実が進行していく。
今度はどんなアブノーマルな現実が僕を待ち構えているのだろうか?

僕は黒い本を手にする。
そしてゆっくりとページを捲っていく・・・。

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