停電になったためか僕の自由を奪っていた枠が外れる。
シメた!
僕は心の中で叫ぶと、体を押さえつけていた枠を取っ払って手術台から立ち上がり、そして口枷を外す。
あ、キサマ!
自由になった僕を見て驚く所長。
すると所長が僕に向かって飛び掛かってくる。
このやろう! 逃がすか!
僕は飛び掛かってくる所長から、ヒラリと身をかわすと、思い切り蹴倒していく。
ウゥゥ!
床に叩きつけられた呻く所長を羽交い絞めにすると、僕は無理やり所長を手術台の上に乗せる。
と、その時、室内の電気が点灯する。
どうやら停電が復旧したらしい。
僕は手術台の上に乗せた所長にむ何発もホディブローをお見舞いする。
ぐったりと動けなくなった所長に、今度は僕がスイッチを押して所長の体に枠を嵌め込み身動きを封じていき、そして無理やり口枷をねじ込んでいく。
ンンン! ンググ!
目を向いて抗う所長に僕は寄生虫の入ったビーカーを突きつけ、
おい、この寄生虫マニアの変質者野郎! さっきはよくもやってくれたな!
今度はこっちから行くぜ!
僕は所長の口元にビーカーを突きつけ、
そんなにカワいいなら、テメエが飼え!
僕はビーカーに入った寄生虫を一騎に口中に注ぐ、そしてすりこぎ棒で無理やり食道の奥へと押し込んでいく。
ンンー! ングググ、ングー!
口から食道を伝わって大量の寄生虫が入っていく。
体内でのたうつ寄生虫に身もだえす所長を尻目に、僕は研究用の寄生虫の全てを持ってくると次々にそれを所長の口へ押し込み、そしてすりこぎ棒で食道の奥へと押し込んでいく。
ウハハハハハ、ざまぁ見やがれ、この変態野郎!
僕は笑いながらありったけの寄生虫を所長の食道に押し込んでいくと、
さっさとその場から逃げていく。
すると所長の体を押さえつけていた枠がはずたれのか、所長が追いかけてくる。
ンオオォォォォ!
口枷のために言葉にならない所長は、体内に押し込んだ寄生虫を口や鼻の穴から吐きだしながら、真っ赤な顔で追い駆けてくる。
それを見た僕は、そのあまりのおぞましい光景に恐怖を感じる。
ヒッ!
僕は思い切り硬質ガラス製の扉を閉じると所長を研究室内に閉じ込めてしまう。
所長は真っ赤な顔で硬質ガラスの扉に寄生虫を吐きつけていく。
ビチャビチャッとガラスにへばりつく回虫にサナダムシ。
僕は思わず、
うう、キモちワリい!
と叫ぶと、全身に鳥肌を立てながら一目散に研究所から逃げ出していく。
頭の中の声は戻ってこない、どうやら所長に憑依したままらしい。
僕はベンチに座り込みグッタリとする。
するといつの間にか、僕の手に例の黒い本が現れる。
やれやれ、今度はなんだ?
僕はハードカバーを開くと、
『第五章:E氏の日記』へと読み進んでいく・・・。