小説『HUNTER×HUNTERの世界で動物とじゃれあいたいです』
作者:唯野歩風呂()

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 生まれたばかりの羽根つき猫は、よく見ると真っ白ではなく、足の先としっぽの先が黒かった。
 母親は真っ白なので、この黒は父親譲りなのだろう。


 その子猫(羽根つき)は今、母親にベロンベロン舐められて毛づくろいさせられている。


 ……が、正直いって、大きさが桁違いすぎるので、舌の上で転がされているような状態だ。

 下手したらそのままゴックンされそう……。


 そのことは子猫も何となく察しているのか、舌の上で転がされながら恐怖で泣き叫んでいる。そこまでの様子を訳すと、


 【ままーっ!】 ← 子猫が母親に近寄り

 【くすぐったいよー】 ← ペロリと舐められ、

 【くすぐった……ちょっ】 ← 口の中へ

 【いやーっ!】 ← 転がされ

 【ひゃああああっ!】 ← 空中に飛ばされながら舐められ

 【ひいいいいいいっ!】 ← 一瞬口を閉じられ

 【ぎゃあああああああっ!】 ← 以降くりかえし



 私はその様子に、心を痛めながら見ていることしかできなかった。(ごめん、子猫!私には君を救えない!)



 結果



 【なんだよ、ねぇちゃん。やんのかこら!】



 ぐれました。



 ケッ、と小さな身体で私を睨みつけ、しっぽをイライラと地面にぶつけていました。

 それを見た私は、


 「かわいいーーーーっ!」

 【うおっ!】


 思わず抱きしめました。

 だってよ、小さな身体で精一杯の虚勢を張って睨んでくるんだよ?しかも舌足らずな言葉で!

 ちょっとどころじゃなくキュンとしちゃいましたよ!

 なんか、一昔前にあった、猫が特攻服を着てる写真があったけど、そんな感じで滅茶苦茶可愛い!!


 子猫は私の腕からもがいて逃れようとするが、そう簡単には逃がさない!


 【はなせーっ!くそあま!!】


 あ、流石にちょっとイラッとした。

 だけど、言われた私より、もっと反応した人――いや、母親がいて……。


 【そんな言葉づかいをするものじゃありません!】


 といって、まだ飛べない子猫をポーンと空中に放り投げ、口の中でキャッチし、また空中に吐き出すという、かなり恐ろしい教育的指導を受けていました。


 いや、初期教育は大事だけど、これはむしろ、トラウマを生むんじゃ……。


 案の定、地上に下ろされた後の子猫は、可哀想に、ブルブル震えていました。

 しかも小声で【ごめんなさいごめんなさいごめんなさい】と繰り返していました。


 「こ、これはやりすぎなんじゃ……ん?」


 身に覚えのある浮遊感が突然私を襲いました。

 気づけば雲がとても近いです。


 嫌な予感がして振り返ると、


 【喧嘩両成敗】


 とても大きなお口をお開けになって待っていました。

 鋭い牙が太陽の光を受けてきらめいています。


 そして、私の身体は下降を始める。




 あぁ、私死ぬのかな……。



 本日二度目の悟りです。








〜あとがき〜

きりがいいのでここで切りました。そしたら猫可愛いしか言ってない……。
ちょっと短かったでしょうか。




-6-
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