小説『IS 幻想の王』
作者:沙希()

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第10話 懐かしい面子と、一目惚れ



ユエルが幻想郷で負の塊『審判者』を相手にしている時、刹那達はと言うと
IS学園の寮で寛いでいるのだった
食事を済ませ、刹那は十蔵と玲子の部屋に行き、ノエルはルームメイトの簪の部屋に行き、にとりは刹那と一緒に十蔵達の部屋に行くのである



「いやぁ〜、食事はあまり期待してなかったけど、おいしかったね」




「お前の場合はキュウリ関連のだけだろ。まぁ、確かに美味しかったのは頷けるが、材料とかを調達したのは玲子か?」




「ええ、そうよ。刹那さんやにとりちゃん、ノエルちゃん達の為に紫に頼んで幻想郷から送ってきてもらったの。後、あの料理を作ったの、私と十蔵だから」




「なるほど。少し濃かったけど、あのシチューは十蔵だったんだ。で、確か筑前煮が玲子だったな。」




「正解だよ。いやぁ、幻想郷に要れば嫌でも自分で作ってしまうからそれなりに上達したと思ったんだけどね。やっぱりまだまだ改良があるようだ」




「アレでも十分美味しいよ。味の方も問題なし、俺は十蔵のシチューは好きだ」




「はっはっはっは。ありがとう。そう言って貰えて何よりだ」




「刹那さん。私の筑前煮はどうでしたか?自分なりにアレンジを施しまして、頑張ってみたんですが」




「とっても美味しかったよ。あの丁度いいかたさの里芋がなんとも言えなかった。」




「っ・・・・ありがとうございます//////」




このように、4人そろって先ほど食堂で食べた料理の感想を出し合っているのである
負の塊との戦いで、あまりこう言った会話できないので懐かしく感じてしまい、楽しく会話が進んでしまう




「でさでさ。フランとこいしが良くさとりとレミリアを困らせるんだよ」




「ふふふ。やっぱり子供は元気でないと」




「ま、まった刹那。す、少し考えさせてくれ」




「却下で。ほい、桂馬取った」




「そう。椛ちゃんも文ちゃんも元気なのね。あ、それと天魔は元気かしら?最近紫から聞かないけど、仕事とかでやつれていないかしら?」




「大丈夫。いつも通り、仕事抜け出す癖は直ってないよ。いつもの様に周りを困らせながらなってる」




「あ、ちょ、待ってく「これで8回目の『待って』だから無しで。ほい、王手」ちょ!?相変わらず容赦ないね、刹那!!」




「これが現実。でも、前よりは強くなってるな。椛と良い勝負が出来る」




今の教師の部屋は、なんともカオスな状態だが、それでも楽しい雰囲気は崩れておらず、4人共子供に戻ったかのように楽しそうな笑みを浮かべているのだった


























―――コンコン―――



数分後、刹那達が談笑していると部屋からノックがした
そして刹那は誰なのか分かっていたので入って良いと許可をする
入って来たのは・・・・・・




「どうも、久しぶりです!!玲子さん、十蔵さん!」




「おやおや、ノエルちゃんか。久しぶりだね。元気にしてたかい?」




「はい!私は何時も元気です!十蔵さんも、玲子さんも元気でしたか?」




「ええ。少し学園の仕事で忙しい所はあるけど、元気にしていたわ。取り敢えず、立ち話もなんだから、さぁ、座って座って」




「はい!あ、それと・・・・友人も連れてきたんですけど、いいですか?」




「??もしかして、ルームメイトか?まぁ、別に構わないけど」




「私も構わないよ。十蔵と玲子は?」




「私は別に問題ないわ」




「私も問題ないよ。で、そのルームメイトさんは?」




「はい!ほら、入ろう?皆待ってるから」




『で、でも、ノエル・・・・ここって確か、理事長室じゃ・・・・』




刹那とにとりの耳には、消えかかりそうであるが、とても可愛らしい女の子の声が聞こえた
会話から聞きとるに、最近仲が良くなった子だろう




「大丈夫。皆優しいから、ね?」




『う、うん・・・・・』




そしてノエルが部屋に入ってくると同時に、後ろから付いてくるように入って来た
内側に撥ねた水色髪で、メガネをかけており。少し気弱な弱々しく見えるが、とても保護欲にそそられる女の子が入って来たのだ




「あらあら、更識さんではないですか。ノエルちゃんのルームメイトは、更識さんだった?」




「は、はい・・・その・・・・すいま、せん」




「はっはっは。何も責めてる訳じゃないさ。どれ、ここに座りなさい。私は食堂から飲み物を持ってくるとしよう」




「あ、私も手伝うよ。玲子はどうする?」




「私も行きましょう。丁度何か口に含みたいと思ってたところですし、お茶菓子でも用意しますね」




「そんじゃあ、そういう事だから、3人共、少し待っててくれ」




にとりはそう言って、十蔵と玲子と一緒に食堂へと向かい、部屋を出て行った
残されたのはノエルと簪、そして刹那だけであった




「じゃあ、そういう事だから。あ、そういえば名乗ってなかったな。俺は蒼月 刹那。ノエルからあらかた聞いてるよ。よろしくね」




そう言って刹那はニッコリと笑い、手を差し出す
だが、一向に簪からの返事が来ない為不自然に思い、刹那は簪を見た
当の簪は、刹那をジッと見つめながら、頬を赤くし、刹那を眺めている
まるで少女マンガの様な一目惚れをした乙女の様に




「え、えっと?簪?さっきから、大丈夫?」




「!?・・・・え、えっと・・・だいぢょぶ・・・あう」




噛んだ
なんとも可愛らしく噛んでしまった
そんな光景に、刹那はクスッと笑い、簪はさらに顔を赤くしてしまうのである
ノエルはそんな簪を見て、あっと思い付いた様な顔をした
多分だが気づいたのだろう
簪が、刹那に・・・・・・・・・・・・・・一目惚れをしたのだと




「・・・・えっと・・・その・・・更識 簪です・・・あの、その・・・よ、よろしくお願いします///////」




「うん、よろしく。更識は2人いるから、不躾だけど、簪って呼んでいいか?名前の方がシックリ来るし」




「う、うん・・・・いいよ・・・・・あ、あの・・・・」




「うん?」




「わ、わたしも・・・・・その・・・・せ・・・すぇつにゃ・・あう」




更に噛んでしまった
またも可愛らしく、である
簪は、また噛んだと落ち込む半面・・・・・・




「「(なにこの子めっちゃ可愛い・・・・・)」」




刹那とノエルはそんな事を思っているのであった
そして簪は気を取り直してもう一度ちゃんと言える様に再挑戦する
刹那とノエルは、まるで子供の初めてのお使いを見守る親子の視線で見守るのであった




「・・・・わ、わたしも・・・刹那って・・・・呼んでいい?」




「おう!別に断る理由はねぇし、構わないぜ。これからもよろしくな、簪」




「・・・・・・・う、うん!よろしく!せ、刹那!」




差し出された手を、簪は握り返して姉ですら見せたことのないような笑みでニコッと笑う
刹那もそれに釣られて笑顔になり、笑い返す
なんだこの学園恋愛ドラマは、とノエルは思ったが、この小説は一応恋愛も入っているのでというメタな電波を受信したのは言うまでもない




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