小説『IS 幻想の王』
作者:沙希()

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第13話 アナタは自分で死亡フラグを立てましたBy紫




冬人とセシリアの闘いが終わり、冬人はピットに戻ってくる
出迎えてきた真耶は賛辞を送り、千冬は内心褒めているが言葉では辛口コメントを放つ
そして次の相手は刹那なので、冬人は千冬に尋ねる



「織斑先生。少し良いですか?」



「なんだ冬人、言ってみろ」



「えっと、彼専用機がなさそうですし、訓練機なんでしょ?それでなんだけど、ハンデを付けようと思って」



その言葉に、千冬は眉をひそめ刹那をチラッと見る
近くにいた刹那は冬人言葉に気にもしなさそうに準備運動をしている
あまりに舐めていると痛い目を見るぞ言いたいところであるが、実際は付けてやりたいくらいだと思っている
専用機相手に、況してや自分が搭乗していたISと同じ能力でなら尚更だ


だが、授業初日のあの圧倒的な威圧感が頭から離れず、どうにもハンデなんて要らないと拒否している
いや寧ろ、刹那にハンデを与えるのでなく冬人がハンデを貰った方が良いのだと本能がそう告げている
そんな事を思っていると、さっきまで刹那の笑顔を見て鼻血を垂らしていた紫と、ユエル、妖夢と箒が現れる




「あ、あの〜。ここは関係者以外は立ち入り禁止「許可は学園長から取っております。なんなら書類をどうぞ」・・・・あ、本当です」





「あ、箒。どうだった僕の試合?見てくれてた?」




「・・・・・・・妖夢。そういえばさっき剣術がどうとか言っていたな?お前も剣を嗜むのか?」





「はい。ですがまだまだ未熟ですし、師匠や刹那さんやユエルさんには程遠いです。」






「そんな事は無いだろう。現に私が剣を振っている事が分かっていた。達人は、相手の力量を理解する者。お前が未熟なら、私はそれ以下だ」





「あ、あははは。そんな事言われたのは初めてです。ちょっと、照れくさいです//////」




冬人が話しかけてきた事を無視し、箒は隣に居た妖夢に話しかける
無視された冬人は何時もの人見知りだと思い、あまり気にはしなかったが隣にいる妖夢、そして紫とユエルの事が気になり、話しかける





「そういえば、どうして関係者でもないのに部外者の人達が此処に居るですか?」





「随分と物分かりが悪いお子様だな。許可を貰ったからに決まっているだろ。それに私と妖夢は部外者では無い、此処の生徒だ」





「そう簡単に貰えるものなの?だったらその書類を見せてよ。これでも偽装とか位は分かるから」






そう言って冬人は手を差し出す
紫とユエルはあまりにも冬人の態度にブチ切れしそうになったが敢えて抑え、紫は持っていた書類を見せる
冬人は書類を眺め、直ぐに返す





「・・・・・本物だった。しかも学園長のお墨付きだし」





「(これだから物分かりの悪い餓鬼は嫌いだ)」





「(生意気なクソガキね。幽香だったら一瞬でお陀仏させるでしょうね)それはどうも坊や。さて、刹那」





「あいよ。さて、そろそろ始めようぜ。餓鬼のお遊戯に付き合うほど、俺は暇じゃないから」





「な!お、お遊戯ってなんだよ!僕やオルコットさんだって、必死に戦ったんだぞ!!それをお遊戯だと!!」




「やめろ、織斑。煩い。ささっとエネルギーを回復させろ、時間の無駄だ」





「でも、千冬姉!!」





スパンッ「織斑先生だ、馬鹿者。それにお遊戯とは事実だ。私からすれば、お前もオルコットもまだまだヒヨッコも同然だ。世の中計算が全て旨く行くとは限らない。それにオルコットもだ。アイツは試合で慢心し、負けた。戦地ではそれが死につながったりする。ヒヨッコ呼ばわりされたければ、蒼月に勝って連勝してからにしろ(もっとも、蒼月の口ぶりからするに勝てる確率は・・・・・・0だろうが)」






「うぐっ・・・・・わかった。おい、お前!」





「あん?なんだ」




「僕はお前に勝って、さっきの試合が遊びで無いって事を教えてやる!!」




冬人がそう言って専用機のシールドエネルギーを回復させに行く
残された人は呆然としていたが、幻想郷メンバーと+αの箒はこう思っていた





「「「「(餓鬼(ね/だな/ですね))」」」」





「(闘いでは計算が全てじゃないんだけどなぁ。ま、どうせこの試合で負けて気づいてもらえりゃそれで良いか)」




前者が紫、ユエル、箒、妖夢で、最後は刹那である
全く以て餓鬼も同然な態度ぶりに、4人は呆れ、1人はどうでも良さそうにしている
刹那は冬人の言葉を聞くどころか、寧ろ殆ど無視なのだから4人よりもヒドイ





「じゃ、ちゃちゃっとやるかね。行くぜ、アマノムラクモ」





刹那はそう言って指輪をはめた手を前に翳す
すると体が光に包まれ、6人はその場から離れる
すると段々光が収まり、刹那は姿を現す
黒いコートの様な服に、手には巨大な大剣が握られている(FF7のACのクラウドの服と武器)




専用機がある事に千冬と真耶、そして箒は驚いていた





「な!?専用機だと!?」





「そ、蒼月も専用機持ちだったんですか!?」






「ええ、そうよ。これは私の企業と河城重工が作り上げたISよ。スラスターや装甲を不要とし、それに絶対防御もPICも機能しているわ(嘘だけどね)」






紫は刹那の姿に疑問を抱かれぬように説明する
そもそも、刹那の纏う服はISでなくタダの服であり、武器だけが特別なだけなのである
服はにとりが指輪に登録したモノで、武器のアマノムラクモは固定形態である指輪にしただけだ
エネルギーの回復が終わったのか、冬人が白式を纏い、戻って来た




「あれ?何時の間に着替えたの?て言うか、もしかしてISなしでその剣一本で闘うつもり?はっ、呆れたね。ISに勝てるのはISだけなのに、IS無しで挑むなんて愚の骨頂だよ」





「これが彼のISなのよ。それに、あまり舐めた口きいてると痛い目見るわよ、坊や?」





「ふ。僕は最強になるんだ。そんな防御力も薄そうなISに、僕が負けるわけがない。さて、僕は先に行くから」





そう言って冬人はピットから出て行く
冬人が出て言った途端、ユエルの殺気がタダ漏れし、刹那に念話で話しかけてきた




(刹那。前言撤回だ。アイツを20秒で無く10秒以内に仕留めろ。アイツには、世界最強が誰なのかハッキリさせておかないとな)





(あ、あの、ユエルさん?あまり相手のプライドをズタズタにするのは流石に)





(良いのよ、妖夢。それにあの勘違いの餓鬼には、少し痛い目を見ないと分からないだろうから)





(いきなり念話に入って申し訳ないですが、凄い状況ですね。ユエルさん、どうしたんですか?)




(まさかと思うけど、織斑の阿呆が何か言ったのかい?)




(((まぁ、合ってるな)))




刹那、ユエル、ノエル、紫、妖夢、にとりが念話で会話している
途中からノエルとにとりが入ってきて、まるでチャット風な会話となっている
これなら何時かどこかの境界線上のアニメ見たくなるだろう
そろそろ試合を始めなければいけないので、刹那はピットを出てアリーナの方に出て行くのだった









箒side



私は刹那を見送った後、アリーナの管制室で織斑と刹那の試合を見る
管制室には織斑先生、山田先生、そして紫にユエル、そして妖夢、私を含め6人がその場に居るのだった




「織斑先生。この試合はどちらが勝つと思われますか?」




山田先生が、織斑と刹那の対峙している所を見ながらそう言った
答えは簡単だ
試合を見なくとも、初日のあの重圧でもう分かり切っている
答えは・・・・・・・



『蒼月だ/刹那だな/やっぱり、刹那ね/断然刹那さんです/刹那に決まっているだろ』




「み、皆さん、誰も織斑君には入れないんですね。織斑先生なんて弟さんに入れると思ってましたが・・・・・」





「山田先生ももうとっくに気づいているだろ?アイツが織斑とオルコットの言い争いを止めたあの重圧と威圧感。あれは素人目でも分かる。絶対に勝てないと。それに気づけないようでは、織斑は完全に完膚なきまで叩きのめされる。アイツがハンデを与えた方が良いと言っていたが、本来なら蒼月に制限を付けた方が良かったのだ。それをあの馬鹿は・・・・・・・・」





「それは・・・・・・・・」





千冬さんがそう言って呆れた様な目でアリーナを見る
山田先生は、千冬さんの言った事が的に得ていると気づいていたのだろうか、何も言えずに心配そうな目でアリーナを見る
紫の方を見ると、何やら思い付いた様な顔をした




「ねぇ。今から賭けをしないかしら?刹那が何秒で勝利するの、か」




「私は10秒です」




「では7秒」




「箒はどうするかしら?」




「え!?い、いや、私はあまりこう云うのは得意では・・・・・・えっと・・5秒くらい?」




「おい、お前達。ここでの賭け事は禁止だぞ」




「大丈夫ですよ。掛け金は、お金では有りませんから」





「刹那からのハグ、いや、おでこにキスが良いな」




「ユエルさん。欲望がタダ漏れです」






「////////(せ、刹那からのハグ!?は、破廉恥、い、いや、でも・・・・・・されてみたいな・・・・・)」





「・・・・・・・・・はぁ。ちゃんと節度は持つようにな、高校生」





「「(紫(さん)は学生じゃないけどね)」」



―――――――スパンッ!!―――――――



ユエルと妖夢が何を思ったのかは知らないが、紫が扇子で頭を叩いた(ユエルは完璧に避け、妖夢はモロに直撃)
そしてそんな様子を見ていると・・・・・・・・・




『これより、織斑 冬人対蒼月 刹那の試合を行います』




ようやく刹那達の闘いが始まるのであった



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