小説『IS 幻想の王』
作者:沙希()

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閑話 これから先の未来


手や体、足などが冷える寒空の下で私ははぁっと息を吐いて冷えた手を温めている
コートを着ても、やはり手袋をしていないと流石に寒いモノだ
これは手袋をしていけばよかった




「ワリィ、遅れた!!待ったか、美沙耶?」




「いや、そこまで待っていない。さぁ、行くとしよう」





「おう」




刹那が私の手を取り、並んで歩く
カップルや子連れの親達が横を通り抜け、私達はある所へと向かっている




「最近どうなんだ?先生の仕事は?」




「まだまだだな。千冬さんに教わっているが、私はまだ人の前に立つのは慣れない。刹那こそどうなんだ?」




「俺は何時も通り神社の神として祀られってから、こう言った時期は忙しいんだよな。それにチルノとかレティとかが活発になるし」




「ははは。この時期が活動時期だからな。収まらせるのは大変だろ」




「毎年この時期を迎えるたびに紫に説教されてるけどな。お、もう付いたぜ」




談笑していると、いつの間にか神社への入り口までやって来ていた
私と刹那は階段を上り、そしてある程度まで来た所を振り返る
振り返れば日が昇り始めており、私と刹那は手を合わせ合唱する




負の闘い、審判者達の闘いからもう5年が立った
ゼノ、フロース、ディーヴァ、ユース、モルス、レグルスとの戦いは凄まじいモノであり、闘いは壮絶なものであった
すれ違う思い、ぶつかり合う互いの信念
それらの感情をぶつけ合い、私達は勝利へと導いた
これも仲間達のお陰でもある




そしてあれから世界は、男でも扱える様なパワードスーツを開発したらしく、男達も含めIS学園に入学できるようになっている
そこでは私は教師をやっており、まだまだ半人前だが引退した千冬さんに教わりながら日々頑張っている




姉さん、いや、篠ノ之 束はというと私が絶縁したためまだ落ち込んでいるらしい




織斑 冬人は、今私と同じIS学園の教師をしている。過去の出来事を思い出し、刹那に謝罪した時は驚いたもで、刹那は別段気にしていないと言って許してもらえた。
鈍感なのは未だ治っておらず、鈴とセシリアの好意や、生徒たちからの好意には気づいていない




千冬さんは弟と2人で暮らしており、刹那が家に遊びに来るたび偶にだが、刹那の事を未だふっきれていない顔をする。
ブリュンヒルデの歴史は未だ語り継がれており、教科書にまで載るほどであった
ちなみに未だ彼氏がいない・・・・・・・・・




そうだった、もう一人要る事を忘れていた
亡国企業のM、いや、織斑 マドカは今は幻想郷に住んでいるが、偶に織斑家に戻っているそうだ
マドカは実は刹那の細胞から出来たクローンであり、刹那の事を追い掛けて幻想郷に住むこととなった(因みに博霊神社に)
毎回幻想郷に来るたびに霊夢とマドカが刹那の取り合いをして、弾幕勝負になってしまう。





セシリア・オルコットは、イギリスの実家に戻り家を引き継いで頑張っているそうだ。
亡くなった両親の意志を継ぐ為にメイドのチェルシーさんと頑張っているが、偶には日本に来て冬人の所に遊びに行くそうな
料理の腕は、何とか改善出来たらしく人並み以上に美味しいモノが作れるらしい。





そして中国の凰 鈴音は別れた筈の両親と寄りを戻し、3人で仲良暮らし始めたそうな。今は私と同じでIS学園の教師を務めており、セシリアと同じで冬人を巡って争う時がある
短気な部分は治っておらず、偶にだがふざけている生徒に対しては厳しい




そしてシャルロット・デュノア
彼女は、今は両親と一緒に暮らし、両親と共に企業を成り立たせている
実際デュノア夫人から泥棒猫だと言われてきたのだが、それはあくまで本心ではなく遠ざけるためでありデュノア社が潰れる前にIS学園に居る刹那か冬人のどちらかを居場所とするまで冷たくしていたが、刹那がにとりに頼んで第3世代完成形の設計図を提供した結果、潰れる事無くそのまま健在なり、親共々仲直りする事が出来たので一緒に暮らし始めている
刹那に恋心を抱いており、未だ刹那の事は諦めていないそうだ




そしてラウラ・ボーデヴィッヒ
ラウラは自分の部隊『シュバルツェ・ハ―ゼ』の隊長を降り、若手隊員に預け。副隊長のクラリッサさんと共に軍を辞め幻想郷に暮らし始めている
幻想郷では警備員を務めており、毎度妖怪や幻想郷メンバーの騒ぎには何時早く駆けつけて鎮圧している(『重力を操る程度の能力』で)
未だ一般常識が欠けている部分もあり、何かとクラリッサさんから余計な事を吹きこまれている
シャルロット同様に刹那の事は諦めておらず、未だ夜這をしかけてくる




更識 楯無さん
IS学園卒業後、更識家を継いで今はIS学園のOBとなっているが、偶にIS学園の教師として紛れ込む事もあり、生徒達と一緒に訓練などをしている
妹の簪とは刹那のお陰で仲が良くなり、刹那には感謝しているらしい
学生時代、簪が好きな人が出来たと言われた時はすっごく大変なくらいタダを捏ねた事は、今では可愛らしい思い出である
従者である虚さんを度々困らせる行動は、未だ健在である
亡国企業と手を組み、今はスコールさんと同様で虚さんとオータムさんを困らせているそうだ
簪と虚さんに彼氏が出来て、行き遅れだと焦っているらしく、密かに刹那を狙っているそうな




そして友人であり、ライバルの簪
アイツは、今幻想郷でにとりに弟子入りして貰い、様々な機械を開発しているそうな
それを外界に提供しており、簪とにとりが作った機械は何かと売れており繁盛している
友人である本音と偶に会って、一緒に買い物したりしている
刹那への思いは、ラウラやシャルロットと同じで未だ変わらず、許容範囲である愛人の位置で満足している
姉と仲良くなり、偶に2人一緒になって刹那を誘惑したりする




そして、最後に私だ
私、赫月 美沙耶はさっき言った様に教師を務めている
同期の鈴や、新任の先生達と共に一緒になって頑張っている
玲子さんと十蔵さんに頂いた大切な名前を未だ誇りに思い、人を導いて行ける様に引退した千冬さんに色々と教わっている
姉には絶縁して以来会っていないが、会ったら謝ろうと思っている
刹那とは未だ良好の仲であり、偶に本妻が誰かを巡ってユエルや永琳と争う時がある





色々あったな、あの日の学園生活は・・・・・・
辛かったり、苦しかったりもした時や、嬉しかったり、楽しかった時もあった
そして、今いる私達の世界は、とっても優しくて、温かい世界だ
今だって、隣に居てくれる刹那が愛おしくて、誰よりも愛している刹那が私の傍に居る




「さぁ、行こうぜ」




「そうだな」



私は視線を日の出から階段に戻し、再度上り続ける
刹那の温かい手を感じながら
そして、漸く最後まで登り切った時・・・・・・・




「遅かったわね、刹那、美沙耶。それと久しぶりね、美沙耶」




「あぁ、久しぶりだな、紫」




「あの人達はもう来てるのか?」




「えぇ、来てるわ。早速だけど、自分の獲物は持ってきてるかしら」




「「勿論」」



そう言って私は神輝・フトマミノツルギの進化した武器、フツノミタマを取り出し、刹那はアマノムラクモを取り出す
すると・・・・・・・・・・・・・・・




「漸く来たみたいだな、刹那」




「待ちわびたぞ」




「流石に寒いんだから、早くして欲しかったわ」




神社の境内の句から、無限世界の刹那と私と紫が現れた
そう今日来たのは毎年恒例




「さぁ、派手にやり合おうぜ!!」




「へっ、今度こそは絶対勝って見せるぜ、刹那さん!!」




「さて、あらからどこまで成長したのか、確かめてやる」




「次こそは勝って見せますよ」




「全く、これだから若いのは」




「でもま、これもこれで慣れちゃったんだけどね」


毎年恒例の無限世界の私達との戦闘が行われるのだ
勿論結界は張ってあり、街に影響を及ぼす事は一切ない






これが私達の、これから先にあるもう一つの未来でもあるお話しだ







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