第18話 現れる生徒会長 だが所詮はまだまだ小娘
箒達が授業中、俺は玲子のいる学園長室にいる
さながらなんの話しなのは、予想は出来ていた
学園長室に入るとそこには生徒会長の更識 楯無が要るのである
「ごめんなさいね、蒼月君。どうしてお話ししたい事があったから無理に頼んだの」
(玲子。全く以て面倒な人に捕まったね)
(ごめんなさい。でもしつこくてね。あわよくば国家代表の地位も更識家の当主としての称号も全て捨てるって言って訊かないのよ)
(はぁ、取り敢えずなんとか打開するよ)「で、生徒会長の更識先輩が俺に何かようでも?」
「そう畏まらなくてもいいわ。私の事は「たっちゃんって呼べばいいですか?」・・・・・・やるわね、アナタ」
「いえいえ、そんなとんでもない。天下無敵の負けなしと言われた更識先輩にそんな事を言われるほどでは有りませんよ」
「そうかしら?少なくともクラス代表戦の時の試合は凄かったわよ?5秒で代表候補生に勝った織斑君に勝ったんですもの」
「あははは。お褒めに預かり光栄ですよ、会長さん」
俺はそう言ってお辞儀をし、チラリと表情を見る
表面上は穏やかな顔をしているが、内心ではそうでもなかった
(掴みどころがないわね、この子は。本当に同い年なのかしら?)
(思っている事が筒抜けなんだけどね。まぁこれも年の功だね)
(刹那さんを口で負ける所なんて見た事無いから、正直悔しがる表情が目に浮かぶわ)
(ヒデェ物言いだな、玲子は)
「それで?今日は何かご用でも?」
「ええ、貴方に用があって来たのは事実だけど、口調、それで大丈夫かしら?普通通りに話しても構わないわよ?」
「じゃあ、遠慮無く。で、その用ってのは、なんだ?」
さしずめ俺のIS、いや、アマノムラクモと俺が何者なのかに付いてだろうけどね。
「アナタが何者なのか、そしてあのISは何なのか教えてほしいわ」
ビンゴ
まさしく思った通りだ
俺。結構将来神もそうだけど占い師とか読唇術師に向いてるんじゃね?
「俺は河城重工と八雲重工の親類の子供だよ。それにISはあれは第2世代型で、スピードに特化していて、防御面が皆無なんだ。だからあんな服装だけになった訳」(どうせ思っている事は「そんな訳ないじゃな」だろうけどね)
(そんな訳ないじゃないのよ。本当にPICがあるのか、そして本当にあれはISなのか謎の点が多いのに、この子はまだ何か隠している)
「そう。まぁそれはいいとして。蒼月 刹那君。生徒会に入る気はない?」
(玲子。ここは任せた!)
(しっかりと向き合ってください、刹那さん。とりあえず逃げたら絶対に後々後悔する事になりますよ。この子は案外執着するタイプですから)
(本当に面倒くさいアルネ)
(なんです、その似非中国人のまねは?美麗さんのマネですか?)
「結構。俺はこれでも多忙なんです。万一の場合に企業からの招集があるかもしれない。それに俺では無く、織斑 冬人にしたらどうだ?アイツなら、それなりに強いとも思うが?」
「現状では、計算だけでは巧くいくとは限らないのよ?じゃあ、虚ちゃんの紅茶とお菓子、それに私からのマッサージを付けるわよ♪」
「じゃあ、逆で。虚さんのマッサージだけで」
「ちょっと待ちなさい。逆とは言ったけど虚ちゃんのマッサージだけって、私の役割は無いわけ?もしかして私がいたずらでもするから不安?」
「いえ。大人びた女性が好きなだけです」
そう言うと楯無の顔、いや、眉がピクッと動いた
うんうん、弄るのは結構楽しいな、この人
後は怒るか、泣くかのどちらかだな
(ま、まるで私が子供同然だと言いたげじゃないのよ!!)「そ、そう、なら私もマッサージして「じゃあ、結構です」ちょっと!!絶対にイジメよね!?絶対に楽しんでるでしょ、アナタ!?」
「あははははは!そんな訳ないでしょう?何を言っているんですか」
「う、嘘だ!!だって私がしようとする事から完全に逃げてるし、なんで虚ちゃんだけ「ですから、大人びた女性が好きなだけですよ」うぁああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!もうこの子苦手ぇええええ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
そう言ってこの部屋から出て行き、ダッシュしている音と、泣き声の声が響き渡った
少し涙目になっていたのが少し可愛かったと思ったのが内緒である
玲子は苦笑いをし、俺はSの顔をしていたのは俺は知らない
「あの子、これから結構絡んでくるわ。大変でしょうけれど、頑張ってくださいね」
「あいよ。餓鬼の扱いは慣れってから。それよりも、玲子から何か言う事とかあるのか?」
「特には。あ、そうですね。そう言えばあの試合以降、教師陣のほとんどが刹那さんの陰口が更に増えてしまいました。すいません、本当に」
「別に良いよ。それに陰口くらい、慣れてるから。じゃあ、それだけ?」
「え、えっとその・・・・・・・・・・最後に、頭を撫でて欲しいです」
「ほいほい♪」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
玲子は目を細め嬉しそうな顔をする
見た目は本当に40なのかと疑うくらいの容姿なので、大学生を撫でているみたいだ
これが数分ぐらい続き、俺はそのまま連絡があった通り負の塊を浄化しに行くのだった
その頃の楯無はと言うと
「うわぁ〜〜〜〜ん!!虚ちゃん、虚ちゃん!!蒼月君が、蒼月君が虐めるよ〜〜〜!!」
「はいはい。お疲れ様です。それで彼になんて言われたんです?」
「大人っぽい女性が好きだから、私じゃなくて虚ちゃんにマッサージしてもらいたいなんて言われたんだもん!!悔しいよ〜〜〜〜!!」
「は、はあ。え、えっとその、なんと言いますか/////////」
「なんで微妙に嬉しそうなのよ!!」
「いえ、いつも通りです」キリッ
「嘘だ!!だって今さっき虚ちゃん、乙女みたいな顔してたもん!!」
「取り敢えず仕事をしてください、お譲様。アナタが抜けたせいで余計に時間がロストしましたので、口より手です。さぁ、早くしてください」
「うあ〜〜〜〜ん!!ここにもいじめっ子がもう一人いた〜〜!!」
「はぁ、騒がないでもらいたいです(それと・・・・・今度、蒼月君の部屋に行ってみましょう。こ、これはその、あれです、そう!!会長がお世話になりましたからそのお礼です、お礼。け、決して褒められたからではないです!そう、お礼です!)」
生徒会室では、カオスな状態へと変貌しているのだった
ある上空では
そこは宇宙であり、目の前には地球が見える
月面から見たら綺麗に見えるが、実際降りて見れば綺麗と言える場所は少ないだろう
「あ〜あ、退屈だな」
月面で銀髪の少女がそう呟き、退屈そうに地球を見ている
詰まらなさそうに、興味なさげに
「パパも美沙耶ママも、ユエルママもノエルママ達もいない世界なんて、退屈だよ」
少女は立ち上がり、地球を見るのを止めてゴロゴロと月面の上を転がる
まるで重力に引っ張られる様に普通に地球と居るのと変わらない様に
少女はそれでも退屈なのか、遂にはゴロゴロするのも止めた
「パパ・・・・ママ・・・・・寂しいよ・・・・・私を・・・・私を一人にしないで・・・・・・・」
泣きそうな声を押し殺し、少女は泣きそうな顔を隠す様に俯く
いままでずっと長い年月、数百年もの間月に待っていたが、それでも自分の事を迎えに来てくれる両親が来てくれない
寂しい、いやだ、行かないで
少女の中では、悲しい感情が溢れ出ていた
だが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「パパ?ママ?」
少女は泣き顔を上げ再び地球に目を向ける
そして立ち上がり、すると急に浮かび上がり宇宙に飛んでいく
地球の直ぐ近くまで来ると、少女は何かを見つけたのか、とても嬉しそうな顔をするのだった
「あは♪パパと、ママ達だ♪」
花が咲いた様に少女の顔が笑顔に変わる
まるで親を見つけたかのように
そして少女はそのまま地球へと急いで飛んでいくのだった
「待っててね、パパ、ママ。私が、私が絶対に守るから」
少女は地球の大気圏などを知った事ではないかのように燃え尽きることも無く、むしろ、燃えているのかすら分からないくらいだが、平然の地球に急降下するのだった