小説『IS 幻想の王』
作者:沙希()

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第4話 入学、そして無限世界の住人



学園の入学式
千冬はあまり眠る事は出来ず、入学してくる刹那の事で不安になっていた
見捨てた姉を見たら間違いなく睨むかもしれない、恨まれるかもしれない
そんな事を思いながらずっと眠るときも食事の時も思ってたのだろう




そして生徒達が体育館に入り、全員が席についている
弟の冬人を確認し、そして弟であった一夏が何処にいるのか確認するのだが何処にも居なかった
見かけたのは、日本人の新入生や外国の新入生の生徒くらいであり、何処にも刹那姿は居なかった





幸か不幸かどちらだと言えば、どちらとも言えない複雑なものである
千冬は溜息を吐くと、隣の同僚である山田真耶が声をかけてきた




「どうなさいました、織斑先生?なんだか顔色が優れない様な気がするんですけど」




「うん?あぁ、大丈夫だ。少し寝付けなくてな。それよりも、蒼月は何処だ?さっきから見渡しても何処にもいないが」





「あ、それでしたら昨日八雲重工の方々から遅れる事だといわれました。なんでも急用が出来たらしく、SHRくらいにはくるそうです」




「そうか。分かった。ありがとう」




「いえいえ。これくらいお安い御用です」




『これにて生徒会長による挨拶を終わります。礼』



生徒会長、更識 楯無の話しが終わると同時に千冬や他の先生方は直ぐに席から立ち、職員室に移動する
各自担当の教室へと向かい、私は他の先生たちと職員会議に向かう
私は会議場での席に着き、議題が出される



























「では集まった所で話しをします。先日発表された織斑先生の弟さんに続き、蒼月 刹那については全世界を含め干渉する事を一切禁じます」




ザワザワザワザワザワ




学園長の言葉に千冬を含め教員全てが騒ぎだす
学園長をその様子に溜息を吐く、その直後に教員の一人は尋ねてきた




「なぜ、干渉不可なのですか?重要性と言えば確かに重要ですけど、それなら織斑先生の弟さんが重要でないかと・・・・」




「それに世界最強の弟です。どこの企業か知らないですけど、そんな所の子供ごときに不干渉など・・・・」




誰もがそう言うが、気が付いていないだけである
彼が織斑 冬人以上にどれ程の重要で、世界にとってなくてはならないのかという事を
理事長の轡木 玲子は、大妖怪、そして妖怪の賢者と言われた八雲 紫とは知り合いであり、紫からは十蔵を含め刹那が世界にどれ程の価値があるのかは目や耳が腐るほど知っている
過去に、刹那によって救われたので、尚更なのだ




「とにかくです。例え何があろうとも全政府を含めて彼に関しては不干渉である事を言います。もし彼に危害、もしくは深く干渉をした場合にはそれ相応の罰を受けてもらうか、もしくは教員免許、全ての権限をはく奪させてもらいます」




「「「「「!?」」」」」




玲子の言葉に、誰もが驚き言葉を出せなかった
千冬はと言うと、玲子がなぜそこまでして蒼月 刹那、織斑 一夏の事をそこまでして庇うのかが分からず、会議が終わるまで考えるのであった











ユエルside



遂に入学の日が来たしまった
私は溜息を吐いてクラスが何処なのかを確認をとる
私の名前を見つけた所はどうやら2組の様で、1組である刹那と、4組のノエルと一緒ではなかったようだ
紫には同じクラスと頼んだはずだが、どうやらそこまでいかなった様だな




ピピピピピッ



ポケットに入っていた携帯が鳴ったので取り出して見て見ると、そこにはかつて幻想郷の住人であった轡木 玲子という名前が書かれてあった
私は直ぐに着信ボタンを押して、電話に出る




『久しぶりですね、ユエルさん』




「そうだな。久しぶりだな、玲子。お前が幻想郷を出てからもう30年は立つな。いや、こっちでは数年位か」




『無限世界から来た私には、長いというより短い時間でしたけどね。早苗ちゃんや霊夢ちゃん、チルノちゃんに大妖精ちゃん達は元気にしてます?』




「あぁ、元気にしてるよ。それで聞きたいが、クラスは一緒には出来なかったのか?」




『それは私の担当でないので、他の教員達が勝手に組み合わせた様なものなのです。こういう時だけ役に立てなくてすいません・・・・・』




「何、気にする事はないさ。お前の『点と点を結ぶ程度の能力』には十分助かっている。そう自分を卑下するな」




『ありがとうございます。それと、刹那さんについてはあまり干渉する事を禁じさせましたけど、納得できない教員達が数名ほど要るので、刹那さんには十分注意させてくださいね。女尊男卑であるこの世界は、女性が強いという概念を持つ人は少なくなくないんですから』




「分かってると思うけど、それは刹那に直接言うべきだと思うぞ。それにアイツはお前に会いたがっていたんだ、会って茶でも飲んで談笑でもすると良い」




『こんな老けた女を、初恋の人に見せるのは少し不安です。』




「結婚している奴が何を言う。取り敢えずは干渉してきたものは容赦無用で叩きつぶすつもりだが、それでいいか?」




『本来ならばそうして欲しくないのですけどね。でも、たまには良い薬には成るでしょうね。男が決して女には勝てないという概念を、刹那さんは簡単に壊してくれるはずですから』




「そうだな。あ、それと生徒の方はどうする?もし干渉してきた場合は餓鬼相手に本気でやるつもりはないのだが・・・・」




『それなりのペナルティーを用意しています。教員方にも代表候補、国家代表、在日外国人生徒たちには報告しているはずですので』




「そうか。なら、刹那を馬鹿にする愚かな人間が出ない事を祈るんだな」




『私はあまり騒がれるのは嫌なんですけどね。あ、それと刹那さんに言っておいてください。夫がまた一緒に将棋をしようって』




「了解だ。では、切るぞ」




『はい。では、よい学園生活を』




私は携帯を切って、携帯をポケットに収めたと同時に刹那の気配を感じた
直ぐに校門まで向かうと、そこにはIS学園を改造した制服をきた刹那が立っていた
長いロングコートに、ベースは藍色と白のラインが入った制服(fortissimoのオーディンの服)




「ゴメン、待たせたな。さっき紫から負の塊の反応を見つけたら浄化するのに手間取ってしまった」




「いいよ、別に気にしてない。それに負の塊だとなおさらだ。それと学園長、いや、玲子から伝言だ。「十蔵とまた将棋をしてくれ」と「また一緒にお茶でも飲もう」だとさ」




「そっか。玲子も十蔵もこの学園にいたんだ・・・・・」




「無限世界でも同じだったから分かり切ってたが、やっぱ嫌だったか?」




「そりゃな。十蔵とは死を見送るまでずっと笑い合っていたかったし、玲子だって一緒でいたかったよ」




「まぁ、しょうがないだろうな。だけどアイツ等は自分がしたい事をしに、外界に来たんだ。アイツ等の意志くらいは尊重させないとな」




「そう、だな。あ、そういえば俺のクラスはどこか知らないか?」




「1組だ。因みにもう一人のISを動かせる男と一緒だ。でも、私達にはISなんて言うものには関係ないけどな」




「あぁ。だけど、学園生活を過ごさないといけないのは絶対なのか?別に学生でなくても、負の塊は何時だって浄化しに行けるし、学生だと行動が限られるだろ?」




「それもあるが、この学園には何故か負のエネルギーが強いのだ。理由は不明だが、何故か負の塊もこの学園に集中している。昨日倒した負の塊だって、向かう方向がここに向かっていた」




「つまりこの学園には何かあると、そう言っているのか?」




「その通りだ。玲子や十蔵は知らないだろうが、この学園には何かがある。私やノエル、紫がこの場所を探るつもりだ」




「この学園に、何かが・・・・」




そう言って刹那と私は巨大な学園に目を向けるのだった
あそこには何かがある
だからそれを探る為に、私は負の塊が集まる謎を探そうと決意するのであった


-6-
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