小説『遙か彼方の』
作者:読み手書き手(僕のブログ)

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今俺は山高でハンドボールをしている。

どうやらユウと智弘以外は初心者のようで。

シュートフォームがメチャクチャだったり
ディフェンスがいい加減だったり。

こんな奴らを見てると・・・・・・教えてやりて〜。
そんな気持ちになってくる。

こいつらにちゃんとした技術を教えてやりたい。


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今は一対一の練習。

一対一っていうのは、そのまんま読んで字の如く。

シューターとディフェンスがいて
ディフェンスはシューターを抑える。
対するシューターはディフェンスを抜いてシュートを決める。

主に45っていうポジションの練習。

一対一は通常パサーにパスを出して始めるのだが
山高は人数が少ないため、ディフェンスにパスを出して一対一を行う。

ちなみにパサーっていうのはパスを出す人。

―――ハンドボールのルール(一部)―――

ボールを持って動けるのは、三歩まで。
ドリブルをつきながらであれば、何歩でも動ける。
ドリブルをしてボールをキャッチした場合、更に三歩動ける。
↑の状態からドリブルをつくと、ダブルドリブルという反則になり、相手ボールとなる。

――――――――――――


――次は俺の番か。

さてディフェンスはっと・・・・・・ああさっきのデカイ奴か。

高校生離れした、いい体を持っているが
さっきも思った通りスピードはからっきしだ。
だったら簡単に抜ける―――

相手にボール投げ、パスを受ける。

目の前でほんの一瞬スピードを緩めて
左側へ一歩、それに釣られてデカイ体がこっちに動く。

――バーカ。簡単に引っ掛かりすぎだっての。

右に、大きく一歩踏み出す。

「ふッッ!」
奴の左腕が伸び、俺の体を抑えにかかる。
これは予想外だった。

―――ッこいつ、見た目通りだ。
パワーがハンパじゃない。
スピードに乗っていた俺の体が腕一本で止められた。

でも、それじゃ一時凌ぎにしかならない。
力だけのディフェンスで何とかなると思ってんじゃねーよ。

ワンドリブル入れ、体制を立て直す。
一呼吸で一気に抜き去り、シュートを決める。



そのパワーは大したモンだけど、フェイントに騙されすぎ。
腰を落としてない、両足がそろってる、ハンズアップが出来てない、っとまだまだ欠点だらけだな。


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