小説『遙か彼方の』
作者:読み手書き手(僕のブログ)

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一対一の練習が終えると、次は下からの二対一だ。

――この練習は、ディフェンス一人、オフェンス二人で行う
オフェンスが両サイドからコート中央まで走り、そこでキーパーからパスを貰う
そこからは自由に攻め、最終的にゴールを決める、といったものである。


次は俺と啓太がオフェンス、智弘のようだ。

「リュウ」

啓太に呼ばれたので適当に返事をして振り返る。

「ん?」

次は俺達の番なのに何の用だ?

「俺、ロング打つからブロックよろしく」

ああ、そういうことか。

「おっけぃ」

―――――――――――――――

俺がパスを貰い、ドリブルをつきながら智弘の目の前まで接近する。
ここで反転し、智弘に背中を向けて啓太にパス。

自分の体を使って相手の進路を妨害するのがブロックである。
主に45との連携でポストが行うものだ。

智弘が俺のブロックを外し、前へ出る。
シュートモーションに入った啓太との距離を詰め、ジャンプ。
ロングシュートを止めるための動きだ。

しかし、これは二対一。
智弘が前に出たことで俺が完全にフリーになる。
シュートを打つ体勢であっても、啓太はこれを見逃さない。

「ナイスパス!」
パスは通った。
残るのはキーパーのユウだけだ。
ユウが俺との距離を詰める。

普通に打てば止められる可能性もある・・・・・・。
なら、ボールを上に放り投げる。

ボールは綺麗な放物線を描き、ユウの頭上を越えゴールに収まる。

ループシュートが決まった。


決まりはしたけど、ブロックを外されたのは悔しいな。
その後の動きも悪くは無かった。もしも試合だったら点を決められない可能性も捨てきれないし。
智弘は結構高いレベルの選手だな。


―――――――――――――――

人数も少なく、技術もまだまだ甘い連中が多かったけど
久しぶりのハンドはここ最近で一番楽しかった。と断言できる。

・・・・・・やっぱハンド大好きだな、俺。

-5-
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