小説『dog days not勇者』
作者:maguro328()

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突然だが俺はガレットに来ている。
何故か?それは俺が輝力の扱いになれてきた頃、ビスコッティにガウルが来たことから始まる。
わざわざビスコッティにまで来たガウルは俺に「いずれガレットにつくのだから領主のレオ様に挨拶をしておけ」と言った。
確かにガレットに行くって言っておいて領主であるレオ様に会っていない。確かにおかしい。そしてガウルの様子も少しおかしかった。
ということで現在は客間でレオ様と面を向かって座っています。なんか、怖いです。凄い気迫が出ています。ミルヒオーレさんにはとてもいい人らしいのだが。そうとは思えない。
「話はガウルから聞いた」
話しちゃったのか〜、ガウルの野郎。様子がおかしかったのはそのせいか。
「はぁ、今日は、挨拶では?」
一応確認をとる。正直、レオ様にあのことを話したらこうなることは薄々わかっていた。
「そうだな、挨拶だ。それで貴様がたてた仮定、貴様はどの位の確証がある?」
挨拶する気、皆無だね。だが、俺が呼ばれた理由はなんとなくわかった。ガウルのせいだな。
しかし、こうなったら逃げるという選択肢は無くなっている。俺は覚悟を決めた。
「まぁ、半々かな」
「ほう?」
「えっとな・・・・・・俺は試さないとまず可能性というものが生まれないと思っているんだ。一度成功すれば100%、そこから失敗するほど下がっていく。逆もしかりと。そして成功するかも失敗するかもわからないならフィフティーフィフティー」
まぁ、自論なんだが。おわかり頂けただろうか?わかりませんか?そうですか。
「・・・・・・成る程」
あ、レオ様にはおわかり頂けました。
「でレオ様、正直なとこあってますか?」
俺はレオ様の気迫に少し慣れてきたのでど直球で訊くことにした。
するとレオ様は苦い顔をした。その顔がもう十分の証拠になっているのだが。
「正解だ」
「そうですか」
ミルヒオーレさんが死ぬ。それはあっている。
「なら、レオ様はどうするんですか?」
「どうするとは?」
わざととぼけているのだろうか?だがここではぐらかされる訳にはいかない。
「色々ありますが、ミルヒオーレさんの救い方とか」
そう訊くとレオ様は宝剣をかけて戦い、原因であるかもしれない宝剣を手元に置こうとしているらしい。大体予想通りだな。
「それは無駄だと思いますよ」
「ほう?なぜじゃ?」
「まず、宝剣が原因の理由ってわかっていますか?」
「むぅ、わからんな」
やっぱりな。レオ様ははっきりと原因を分かっていない。
「それなら宝剣を手に入れたとしても、無駄の可能性があります」
俺も宝剣に関しては結構調べたつもりだが、あまり分からないでいる。どういった物なのか、何故国に二体一対であるのか。
「そしてもしレオ様が戦を起こしたら、その間に魔物が現れる可能性もあります」
レオ様もこの可能性には気付いているだろう。そして騎士や国民が魔物の攻撃に巻き込まれ死ぬという領主において最も駄目かもしれない可能性にも。
「・・・・・・・・・・・・だがワシは戦をやる」
はぁ、知ってるよ。この目をした人はもう揺るがない。だから俺も・・・・・・
「なら、頑張ってください」
と言うしかなかった。
その翌日、宣言通りレオ様はビスコッティに宝剣をかけての戦を申し込んだ。ミルヒオーレさんもその戦を受けることを躊躇ったが、民のボルテージが高まり、断るに断れなかった。
そんな不純な理由やモヤモヤが入り混じった戦が俺の初陣になる。それはかなり嫌だった。でもだからこそ俺はこの事件をさっさと終わらせようと思った。

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