風月庵から帰宅後、俺は自室に戻りあることを考えていた。
それは今日あったシンクからの電話、俺の行方不明の件だ。さて、どうしたもんか?俺の親戚は俺を利用してるからな、うるさそうだ。
「とりあえず、シンクに電話するか」
俺は電話を手にとり電話帳からシンクの名前を選択して、コールをかけた。
数秒、コール音が聞こえた後、繋がった。
『どうしたの、駿?』
「朝話したことの続きなんだが・・・・・・」
『なに?』
俺は喋りながらもある方法を思いついた。まとめる為に手近にあった紙にいくつか要点を書いていく。
「シンク、レベッカや七海に俺のこと話したか?」
『行方不明だとは言ったけど?』
よし、これでいけるな。俺は全て書き終えてペンを机の上に転がした。
「なら、これ以上は情報を回さないほしい。たぶん迷惑かけると思う、すまんな」
『ううん、いいよ。でもどうして?』
「そっちで俺を死んだことにする為だ」
簡潔に言い過ぎたらしく、電話越しにもシンクのクエスチョンマークが感じれた。
「まぁ、時間が経てばわかると思うよ。後、この電話もリコッタにあげて破棄するから」
そう話すとシンクのクエスチョンマークがエクスクラメーションマークに変わった、気がした。
「たぶん、死んだら契約も無くなるかもしれないし、数日経てば通信機的なやつ作れると思うから大丈夫だよ」
『うん、わかった』
相変わらずシンクは物わかりが良くて話しやすい。
俺はシンクとの電話を切り、次にある人物を選択してコールをかけた。
プルルルル・・・・・・プルルルル・・・・・・
コール音が部屋に鳴り響く。正直結構怖い。手が震えてるのが分かるし、嫌な汗が背中を流れている。
ガチャ
コール音が消えて、電話が繋がった。
『駿か?よかった。どこにいるんだ?』
声を聞くだけで嫌になる。電話を切りたくなる。だがやめるわけにはいかない。一言、一言だけ言わなければいけない。
「あぁ、おじさん。・・・・・・それじゃ、さようなら」
そう言って俺は電話を切り、電源を落とした。
これでOKだな。後はあっちでどうなるかだ。
「ふぅ・・・・・・汗かいたな。風呂入るか」
電話をベッドに放り投げて部屋を後にした。