小説『dog days not勇者』
作者:maguro328()

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さて、ビスコッティに着いて俺はいつも通り書斎へ直行、扉を開けると研究員の人達が数人いた。

「リコッタいる?」

俺は近くにいた少女に訊いた。

「え、主席ですか?奥にいますよ」

俺は少女にお礼を言って、リコッタがいると言われる場所へ向かう。

「ZZZ・・・・・・・・・・・・」

まぁ、見事に寝ているね。たぶん、徹夜をしてしまったのだな。

俺は何かにかは分からないが、少し興味がわいたのでリコッタの寝顔を眺めることにした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


さて、何分経ったのか?ちらっと横目で時計を眺めると5分弱経っていた。これは・・・・・・・・・・・・なんかいいな。

「・・・・・・・・・・・・ふわぁ」

「お、起きたか。リコッタ」

「・・・・・・・・・・・・駿様?」

リコッタは一度大きな欠伸をした後、少し寝ぼけているが、どうにか俺を認識した。

「え、駿様?えっと・・・・・・・・・・・・何時からいたでありますか?」

「ん?リコッタが起きる5分前から」

「寝顔、見たでありますか?」

「見たっていうか、眺めてた、かな?」

そう返すとリコッタの顔が見る見るうちに赤くなっていった。

どうしたのだろうか?まさかこんなところで寝たから風邪が?

「どうした?リコッタ風邪か?」

俺は気になったのでリコッタのおでこに手を伸ばした。のだが

「だ、だだだ大丈夫であります!それより今日はどうしたでありますか?」

「あ、そうだったな」

俺はすっかり忘れかけていた用事をリコッタに大雑把にだが話した。

「成る程、勇者様の世界と繋ぐ通信機でありますか」

「そうなんだよ。それで周波増幅器を発明したリコッタに協力を申し出たいのだが・・・・・・」

「了解であります」

リコッタは机の上に置いていた本を横にどけて、引き出しから周波増幅器の設計図であろうものを出した。

「あ、それとリコッタ、これもう必要ないからあげるよ」

俺はポケットから携帯を取り出して机の上に置いた。

「いいんでありますか?」

目をキラキラさせながらリコッタは言った。喜んでくれてなによりだな。

「それだったら周波増幅器とこれを使えばいけるであります」

「お、さすが主席。自信満々だねえ〜」

「まぁ、それほどでも〜。て、それよりその眼帯どうしたでありますか?」

あぁ〜・・・・・・すっかり忘れてた。何でこんなにも存在感強い物わすれるかなぁ〜俺。

「まぁ、ちょっとな。まぁ、そんなに悪い病気でもないから大丈夫だよ」

そう言ったらリコッタも納得してくれた。

さて、そんな話を終えて俺とリコッタは集中して発明に取り掛かることになった。

*

発明が始まって一週間経った。そんだけの日数を注ぎ込んだ結果も上々、なんとただの通信機でなく、テレビ電話も可能となった。

ぁ、こうして通信機は完成したのだが、時刻は午前1時、時間が時間だったのでまた後日ってことで俺とリコッタは一旦寝ることにした。

さて、寝たということはまた夢を見る。

だが今回の夢は俺の昔話ではない上に俺はまるで霊体の様に夢の中で存在していた。

『ここは・・・・・・・・・・・・?』

俺が立っているのはどこから国の様だった。

でもここが国かどうか、俺にはわからない。

何故なら、俺の足元にはたくさんの、人の死体が転がっているからだ。

もしかしたらここの国民のほとんどが倒れているのではないかと思う程の量だ。そして周りの建物や地面は真っ赤に染まっている。

『な、なんだよ・・・・・・!?これ!?』

俺もさすがにそれを見て少し吐き気を催した。だがそんな時、城へと続く道から誰かがこっちに向かってきた。

ズズズズズ・・・・・・・・・・・・。

剣の様な物を地面に擦りながら近づいてくるそれは真っ黒なオーラに包まれて原形がなく、ぎりぎり人の姿を保っている様だった。

そう、それはまるで魔人だった。

ズズズズズ・・・・・・ズズズズズ・・・・・・。

それはどんどんこちらに来る。さすがに俺も危険だと思い、逃げようとしたが何故か足が動かなかった。

『なっ!?ふんぬ〜〜!』

手で引っ張っても動かない。そして俺がそうしている間に魔人はどんどん近づいてくる。

やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!!

魔人は持っていた剣の様な物を思い切り振り上げた。

『う、うわぁ〜〜〜!!』

こうして俺は魔人に真っ二つにされた。

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