小説『dog days not勇者』
作者:maguro328()

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美保side

七海ちゃんと天理君は戦の為の準備でどこかへ行ってしまった。私は今回は見学としてレオ様と一緒に中継を見ていた。そこでは既にシンク君が登場、それと共に女の子3人の防具が破壊された。

「美保は参加せんのか?」

「いえ、運動は少し苦手で・・・・・・・・・・・・」

自慢じゃないが体育の成績は中の下、プールはクロール25Mが限界、団体系の球技になるとボールを持って動けない、そんな感じ。

「でも本当にスポーツみたいですね、こっちとは大違い」

「ほう、そっちでは戦とはなんなのだ?」

「聞いて心地よいものではないですよ。人もたくさん死んでいるみたいですし」

「そうか・・・・・・・・・・・・」

それに引き換えこっちの戦は楽しそうだなぁ。防具を破壊すればいいし、攻撃されてもけもの玉って言うのに変わるだけだし。

そんなことを思っていると大量の光の玉が3人を襲って・・・・・・・・・・・・衣服がはだけた。

「・・・・・・・・・・・・って、ええ!?あれ良いんですか!?放送とかしちゃって!?」

「それは、サービスシーンも必要じゃろ?」

「いやいや・・・・・・・・・・・・」

そういうものなの?確かに実況の人も平然と解説してるけど、駄目だ少し湧いた興味が無くなっちゃった。

そんなことを考えているといつの間にかレオ様がカメラ(でいいのかな?)を自分の方に向けていた。中継の映像にもデカデカとレオ様が映っている。

『「久しいの、ビスコッティの勇者シンクよ」』

うう、映像からと横からでダブって聞こえる。

『「強くなって帰ってきたこと、嬉しく思うぞ。じゃが、我らも負けてはおれん。ビスコッティが勇者召喚を行うなら、ガレットもやってやろうではないか!」』

そうして大きい身振りをしながら

「括目して見よ!我がガレット騎士団の勇者の姿を!」

そうして指した方向には、人が立つ台があるものの誰も立っていない。それを見てみんな呆然とする。そうすること数秒、急に大きな音が鳴った。

「きゃ!?」

それの正体は花火、次々打たれていく。その先に、柵の上に立っている七海ちゃんがいた。

「七海ちゃん」

バク転、バク中の連続。良くあの尖った柵の上を移動出来るなぁ、七海ちゃん・・・・・・・・・・・・。そうして高く飛んだ後、さっきの台の上に立った。

「レオ様からのお呼びにあずかり、ガレットの勇者高槻七海、華麗に見参!」

戦場からは歓喜の声が出る。ガレット側からもビスコッティ側からも・・・・・・・・・・・・てビスコッティ側の人、いいの?敵戦力増えちゃったけど?てか七海ちゃんもすごいな、なんであんなに悠長に色々出来るんだろ・・・・・・。

「すごいな、相変わらず。レオ様も七海も派出好きだよな〜」

「天理君」

いつの間にか黒い服装に身を包んだ天理君が横に立っていた。戦闘用の服かな?

「あれ、天理君はあそこに立たなくていいの?天理君も勇者でしょ」

「俺は勇者じゃねぇからいいんだよ」

「え?そうなの?」

「ああ、俺の役職は魔神だからな」

なら何?と訊かなくてもても天理君は察してくれた様だ。

「ん?ミルヒさんが中継に出てる」

「あ、本当だ」

上空のモニター(仮)はミルヒ様の顔だけが映っている。どうしたんだろ?

『こんにちは〜アルデント砦のミルヒオーレです』

あれ?敵国勇者現れたのにミルヒ様一番のほほんとしてない?

『現場は凄い盛り上がりですが、こちらにも両国勇者の幼馴染、レベッカ・アンダーソンさんが来てくれていま〜す』

その発言と共にカメラはレベッカさんの顔に向く。あれは恥ずかしいよ、いきなりスピーチなんてとてもしんどいよ。私なら顔真っ赤にして黙っちゃうよ。レベッカさん大丈夫かな?

『あ、えっと、あの・・・・・・・・・・・・こんにちは!』

おぉ、なんか大丈夫そうだ。というか吹っ切った感がする。

『うおぉぉぉぉぉおおおおおお!!!』

『「ベッキ〜〜!」』

「なんか、凄いね・・・・・・色々と」

「あっちの常識は稀にしか役に立たないから、慣れることだな」

準備運動をしながら答えてくれる天理君。話は聞いてたけど、実際に見るのとは全然違うんだね。あれだ、百聞は一見にしかずだね。それにしてもレベッカさん大変だったn「あんなことをされてはこっちも黙ってはおれぬな!美保」・・・・・・詰んだ。

「慣れることだな、美保」

そう言って打ち合わせかで天理君は七海のところへ行こうとする。。君を好いている少女を君は助けてくれないんだね。ぐすっ。

「何を言っておる?お主の友人なのだからお主も出るのだぞ?」

「えっ?」

だけど、レオ様に回り込まれてしまった。さすがの天理君も絶句している。ふふふ、天罰が下ったね。好きって言ってくれた子を助けないからだよ。

「レオ様、でも戦が・・・・・・・・・・・・」

「だからこそであろう、シンクも七海もレベッカもやったのだぞ?」

「・・・・・・・・・・・・うぅ、分かりましたよ」

天理君の了承と共にレオ様が映像に出現、さっそく自己紹介が始まるみたいだ。

「『皆のもの!ミルヒが勇者たちの友人を紹介するならば、こっちは我が領地の魔神とその友人を紹介しよう』」

うぅ、まただぶる。あ、そんなことを気にしている場合じゃないカメラがこっちに向いた。うぅ、何話そう・・・・・・・・・・・・。

「おほん、ご紹介頂いた天理駿です。生憎七海の様な派手なことは出来んのでそこは分かってほしい。まぁ、俺はついでなのでほい、美保交代」
「えぇ!?あ、えっと、ま、魔神てんりゅ駿の友達のかんじゃき美保でしゅ!」

噛んだぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!噛んでしまったぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!

「はい、ということでかんじゃきさんです」

「ち、違う!私はかんじゃ、神崎です!!」

「それでてんりゅ君の友人らしいけど・・・・・・・・・・・・その人はどこに?」

「なんか今日は意地悪だよ!天理君。ていうかもういいでしょその件!」

うぅ、このことは私の黒歴史でトップを争うよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「それじゃ、皆さん!俺もこれから参加しますので、盛り上がっていきましょう!」

『うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!』

結局天理君が締めてこの中継は終了、私は顔を真っ赤にしながら近くにあった椅子に腰かけた。

「ご苦労だった。ワシは今から七海と共に戦場へ向かう。2人はどうする?」

「お供しますよ」

「私はここにいま〜す」

たぶんしばらくは再起不能・・・・・・・・・・・・。

ーーー
フロニャルドって一夫多妻制OKかな・・・・・・・・・・・・おっと、ご意見ご感想お待ちしております。

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