小説『dog days not勇者』
作者:maguro328()

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「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
書斎に着いて、俺は早速本を手にとったのだが、読めない。色んな論文を読むために何カ国語も覚えたが、一切分からない。どうしよか、リコッタに訊くか?でもなんか忙しそうだしな。よし、ちょっと自分で頑張ってみるか。まずは幾つか本をパラパラとめくる。そこから共通点を見つける。
「これは目次か?」
にしては文字数が多いような・・・・・・なら英語か。えっとインデックスだっけな。1、2・・・・・・5文字、ならっは省略か?
そういうことをしばらく繰り返した結果、まず母音を基礎として、そこから子音が作られている。どうやら伸ばし棒やぁなどの小さい文字は同じ文字を重複させたりするみたいだ。
俺は頭の中に五十音表を作成し、本を読み始めた。一冊一冊が結構厚く読みがいがあるな。つっても速読術を覚えているから500ページを10分弱で読めるから直ぐに棚1つ読み終え た。共通する技術は幾つかあるがやはり分からないことが多いな。でもまだこんなに本があるんだ。たぶん大丈夫だろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・様」
成る程、魔物は封印をする物なのか。だけど危ないんだな魔物って。今は平和だけど魔物によって結構人が死んでるし。封印方法・・・・・・誰か知ってるかな?
「・・・・・・ん様!」
次は紋章術?何々、大地や空に眠るフロニャ力を自分の紋章に集めてから自分の生命の力と混ぜ合わせて輝力というエネルギーに変換、それを武器にしたり放ったりする技か。何これ、超興味深いんだけど。俺にも出来るかな。
「駿様!!」
「おわっ!?リコッタ?なんだ、呼んだか?」
どうやらどっぷりと集中していたようで、時計を見てみると短い針が頂点を指していた。あれ?俺何時間本読んでたんだ?
「呼んだかじゃないでありますよ!ずっと呼んでいたでありますよ!」
「え、マジ!?ごめん、俺集中すると周りが見えないんだ」
読んでいた本を本棚に直してからリコッタの方を向いて言った。
「むぅ・・・・・・許すであります。でも文字読めるでありますか?」
どうやらあっちとこっちでは文字が違うことをリコッタはしっているらしい。俺がリコッタに解読したこと伝えると褒められた。読んだ内容をリコッタと話しながら書斎の中を歩いていく。
「ところでリコッタは紋章術ってやつ使えるの?」
「もちろん使えるであります」
もちろんと来たもんだ。どうやらこっちでは当たり前らしい。この後、リコッタに紋章術の扱い方を教えてもらった。結構難しいな。少しずつ覚えていくか。
リコッタ別れた後、俺は客室に戻って荷物の整理をしていた。中には替えの服数着(足りないならあっちで買うつもりだったので少な目)と娯楽道具とお菓子・・・・・・・・・・・・あれ?飛行機ってお菓子持ち込みOKだったけ?まぁ、いいか。色んな物が入っていた。それをどうしようかと考えているとノックの音が聞こえた。
「はい」
「駿様、少しお時間よろしいですか?」
メイドさんが入ってきた。
とりあえずメイドさんに言われた通りについていきたどり着いたのは・・・・・・・・・・・・
「こんにちは、ビスコッティの領主、ミルヒオーレ・フィリアンノ・ビスコッティです」
「はい、シンクの友人、天理駿です」
姫様の部屋だった。昨日テレビ?に出ていた人間な上、姫様となると流石に緊張するな。そんなことを考えているといきなりミルヒオーレさんが頭を下げた。
「今回のことはまことに申し訳ありません」
「え?」
話を聞くとどうやら俺を巻き込んでしまったことを謝っているらしい。なんだ、無視したことじゃないのか。
「ミルヒオーレさん、俺は謎が大好きです」
唐突に俺がそんなことを言ったので、ミルヒオーレさんは頭の上にハテナを作った。この?ってクエスチョンマークっていうんだよね。まぁ、そんなことはどうでもいい。
「その謎の中にはもちろん異世界って言うものも含まれます。どうやったらいけるのか、いった先にはどんな物があるのか、そういったことを常時考えてました。だから嬉しいんです」
こっちに来れてこっちの大地に触れたこと、こっちの技術を学んだこと、こっちの住人と話したこと。例をあげれば限が無い。
俺は出してもらったお茶を飲む。うん、おいしい。
「こうやってミルヒオーレさんと話したり、現地のお茶を飲むことでさえ、俺にとっては重宝する様なことなんです。だからミルヒオーレさん、巻き込んでくださってありがとうございます」
座りながらも俺は頭を下げた。心からの感謝だった。
「そういって貰えるとこちらも気が楽なんですが・・・・・・・・・・・・」
そこでミルヒオーレさんは口を紡いだ。ん?どうしたのだろうか?俺は首を傾げた。
「その、帰る方法が無いんですよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ〜そういえばリコッタがそんなことを言っていた気がするな。そうか帰れないのか。そうか、そうか。
「ミルヒオーレさん、そんくらいの困難があるくらいが丁度いいですよ。というかどんとこいです」
笑顔でそう言った。無いのなら作るまでだ。目標がまた1つ増えた。やっばいわ〜、今超充実してる。
「ふふ、勇者様とはまた違った人ですね」
「でしょうね」
シンクとは似ているとはお世辞でも言えない。
「それでは、これからビスコッティの為に戦ってくれますか?」
そりゃ、そうしますよ。と言おうと思ったがつい昨日のことを思い出した。
「あっ・・・・・・・・・・・・あ〜」
「え、どうしましたか?」
俺はミルヒオーレさんに事情を説明した。もちろん、仮定の話ついては喋っていないが。そうするとミルヒオーレさんも笑って許してくれた。隣国でしかも戦中だっていうのに・・・・・・・・・・・・まぁ、いいか。

-7-
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