小説『真剣で僕に命じなさい!〜S〜』
作者:時雨葵()

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〜第十話 球技大会 壱〜



川神学園は体育祭は独特で
普通の体育祭をやる年もあれば
海でやる水上体育祭もある

2009年行われるのは・・・・

【球技大会】であった
球技大会は午前の部と午後の部に分かれる
午前は普通の球技でバスケなどが開かれる
午後は川神ボールが開かれる

今年の球技大会は波乱の年になりそうだ・・・


球技大会〜午前の部〜




「こっちだ!!俺様にパス!!」

「ガクト!!行け!」

「島津!!ダンクだ!」

「俺様の魅せ場だぜ!!!りゃーーーー!!」

岳人はバスケはぐんを抜いて上手い
魅せ場であるのだが・・・・


「きゃ〜〜〜!!三上君がまた3ポイントよ!!」

「三上先輩ステキー!」

「葵先輩と三上先輩が作戦会議してるわ!!絵になるわね〜」

「そこに那須先輩も加わったわ〜!!」

女子は2−Sの試合に夢中である

「3人とも〜ガンバレーー!!義経もがんばって応援するぞーー!!」

「3人とも勝たないとブレンバスターだから!!」

「わかってるから…姉御・・・」

「恐いので勝たなければいけませんね。ナギ」

「問題ないと思うけど…」

岳人の魅せ場は完全に無くなってしまった
岳人…君のことは忘れない!!

「俺様を勝手に殺すな!!ナレーション!!」




球技大会〜午後の部〜


「クソ!完全に負けちまった…」

「Sは比較的能力高いからな…」

「だがしかし!!俺様は次で活躍するなぜなら」

「「「川神ボールだから!!」」」

「大和〜アタシ達はどのクラスと当たるのかしら」

「どこと当たっても勝てる策を出すのが俺の仕事だ!任せろワン子!お友達で!!」

「色々任せるから結婚して!大和!って先に読まれてる」

川神ボールは名物と言う程である
TVでも放送されるくらいだ

「すまないが大和…川神ボールのルールはどうなっているんだ?」

「あ〜クリスは知らないよな…教えるよ…」

「基本野球のルールと変わらないのだが…」

「だが?」

「違いがあるとすれば…前半戦と後半戦がある
9回までじゃなく時間で区切る」

「独特だな…」

「ボールを持てば走者への攻撃が自由なんだ
欠員は5名しか補充できない」

「野球とアメフトの間って感じだね…フォローを入れる私は献身的////」

「照れなくていい!!友達で!」

「あの〜…皆さん…いいですか?」

F組委員長真与が申し訳無さそうに輪の中に入ってきた

「どうしたの?マヨ」

「あのですね…くじ運悪くて…2−Sと当たりました」

「「委員長!!」」

「ごめんなさい!!皆さん!!私のくじ運が悪くて」

「でかした!流石だぜ!燃える展開だ!!」

「血祭りには持って来いの相手よ!」

逆に盛り上がった!

「大和!策は大丈夫?サポートするからね僕!」

「ああ相手がSなら策が練り甲斐がある!」

大和は直ぐに考え出した…
それぞれ準備運動をして監督である大和の指示を待った

「うん!これで行くか・・・」

1番ショート クリス
2番レフト ゲンさん
3番センター キャップ
4番キャッチャー ガクト
5番ファースト クマちゃん
6番セカンド ワン子
7番ピッチャー 京
8番ライト 大和
9番サード 羽黒

「直江…控えはこれでいいのか?」

担任の梅子は控えが心配だった
だが大和は自信のある顔をしていた・・・

「大丈夫ですよ」

2−Fの皆で円陣を組んでいた
すると監督である大和が大筋の作戦を伝えた


「〜こう行こうと思う…相手は強いが協調性が俺らの方が勝っている
野球はチームプレイだ!そこを突けば勝機はある」

「バスケで活躍できなかった俺様だ!派手に打ってやる」

「自分も打ってみせる!どんな球でもな!!」

「勝利の風は俺が吹かせてやるぜ!!」

「勝ってみせるんだから!!」

「大和のためにがんばります!」

「相手も本気だろうから怪我は気を付けろよ一子」

「お腹・・・スイタヨ〜!!」

「活躍してイケメン掴まえる系!」


一方2−Sは

「フハハハ!!さすが運命としか言いようがないな」

「2−Fですか…ナギ手伝ってください」

「御意…って僕でいいのかね〜」

「川神ボールだけは大将なのですから…ナギ」

「すまぬな!!凪よ!我のワガママに」

「いいよ!別にね〜」

冬馬と凪と英雄で作戦会議をしているが
他は自由であった

「両チーム大将!先攻後攻決めるぞい!」
鉄心が号令をかけたのだが来たのは大和と凪であった

「そっちは凪なのか?」

「今回だけね!大和は代理でしょ?」

「決めるぞい!ジャンケンしなさい」

「あ!提案です。コイントスで決めない?学長にしてもらって」

「裏か?表か?・・・でか?別にいいが」

「では、お願いします」

「わかった!」

鉄心は凪から渡されたコインを取りコインを上に弾き手の甲に乗せて
片方の手で隠した
大和はその時に気づいた
自分には勝ち目が無い事を
動体視力がいい凪に軍配が上がる
大和らしくない失敗であった
当然のように大和は外し
S先攻 F後攻になった

Fの選手とSの選手が対峙して一列に並んだ

「わしが審判を勤める!お互い!礼!!」

遂に、「2−F vs 2−S」の直接対決の火蓋が切って落とされた

『あーあー解説は美少女にして美少女大好き!!川神百代と!』

『松永納豆を全世界に!!松永燕でお送りします!』

『今回はS組の頭脳が二人いることがF組には厄介だろうな〜』

『葵君だけじゃなくて?九鬼君?』

『いや〜凪は頭も動きも良いから結構厄介だぞ!』

『でも、オーダー見る限り凪君は出てないね』

『高みの見物……って訳ではないだろうが最終兵器って所じゃないか』

『それは恐いね〜』

『そうこう言ってる内に始まったぞ!』


〜1回表 S組の攻撃〜

[一番サード 弁慶]

「いや〜打てるかわからないな〜」

「弁慶飲み過ぎだ!義経も心配だぞ」

「弁慶〜ごにょごにょ」

「フンフン…わかったよ〜」

弁慶に何やら凪は伝えていた
弁慶は打席に立ちバットを構えるが明らかに酔ってるのがわかる
ピッチャー京とキャッチャー岳人もどうするものかと考えていた

(様子見でストライクギリギリ外すか?)

(うん…)

「ほら〜なげてきな〜うってあげる〜」

S組ベンチでは・・・

「マズッタかな…弁慶は…」

「彼女は守備でも活躍すると思いますが…酔ってますね」

「すまない…三上君に葵君…義経は深くお詫びする!」

だが、弁慶はボールは振らずにストライクもファールにするが
三振に終わった
その後、次のバッターあずみと凪に何かを伝えてベンチに帰っていった

[2番ショート 忍足]

「きゃるるーん☆早く投げてきてください!☆」

(何か嫌な予感がする…ガクト変化球で…)

(了解!俺様が捕ってやる)

京は早く終わらせるために変化球とストレートを駆使するが
あずみは粘る
だが、急に振り始め直ぐに三振に終わった…

またあずみも次のバッター・再糖(さいとう)と凪に何か伝えていた

「2人だけである程度情報は集まりましたね。ナギ」

「うん…後は一塁が危険だからどうにかしたいんだよね」

「再糖は大丈夫か?確実に塁に出る気だぞ…」

「彼は野球部ですからね…わざと三振なんてプライドが許さないでしょう」

「だよね…でも、勝つために情報は欲しいからね」

[3番ピッチャー 再糖]

「フン!アイツの言う事なんか聞いてられるか」

(コイツは…大和が俺様にもわかる様に教えてくれたな…サインはこれだ!)

(大和がさっき弱点教えてくれたけど…ガクト覚えて・・・何とか覚えてたね)

(再糖はプライドが高いから何としても打とうとする追い詰めて内角に
投げれば無理してでも打つ…調べておいて良かった…)

大和の思惑通り再糖は打たされボテボテのショートゴロを打たされた

「へ!俺は脚が早いんだ!これでもセーフになる!!」

「それは普通の野球ならね…」

京はボソッと呟いた
野球部同士の普通の野球ならセーフになるもしれないが
これは川神ボールである

「自分に任せろ京!!自分の鉄壁破らせはしない!!」

クリスはボールを捕るとすぐさま一塁に投げた
本来ならこれでアウトなのだがここからが川神ボール
走者がファーストにタッチされなきゃセーフになるのだ

『走者、ファーストにタックルを仕掛けるみたいだ!』

「クマちゃーん走者食べていいよ!」

大和は満に指示を出した
半暴走状態の熊飼は危ない

「吹き飛べ!!デブ!!」

再糖は熊飼にタックルするが効果無し

「ふん!!ハムになれ!!」

「ぎゃああああああああああ!!!!!」

「これはまた壮絶な音が…」

「う〜ん、スジっぽくていらない」

「担架を用意せい!後、3アウトチェンジ!」

再糖は熊飼に見事にサバ折りにされ捨てられていた
再起不能だろう

『さっそくリタイアがでたー!これが川神ボール』

『恐ろしい試合だね…ファーストをS組はどう破るのかな』

『守備側はボールを持ってないとブロックできないからな』

『ライト前ヒットとかなら安全に出塁できるね』

「あ〜あ早速出ちゃった…」

「準、ハムになりますか?」

「準がハムになったら僕らが食べるね。これ友情♪」

「そんな友情いりません!」

S組の攻撃からF組の攻撃に変わる
川神ボールはまだ始まったばかりである…

-11-
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