〜第十一話 球技大会 弐〜
簡単な前回のあらすじ
今年の体育祭は球技大会になり
午後の川神ボールに注目が集まった
犬猿の仲「2−F対2−S」の試合
1回表でS組は弁慶・あずみをわざと三振させ何かを企んでいたが
プライドの高い再糖が言う事を聞かず打ち
熊飼(半暴走状態)にサバ折りに倒れ1回裏F組の攻撃に移った
島津岳人は活躍できるのか!?それともフラれるのか!?
「おい!ちょっと待てナレーション!!俺様はまだフラれてないぞ」
「ガクト!?誰に叫んでんのさ!!」
S組のオーダー
1番サード 弁慶
2番ショート あずみ
3番ピッチャー 再糖
4番キャッチャー 英雄
5番ファースト 巣潟
6番セカンド 心
7番ライト マルギッテ
8番センター 与一
9番レフト 義経
だが再糖はリタイアしたので
与一がピッチャー
空いたセンターに小雪が入った
「相手もピッチャーに弓兵か」
「クマちゃんにやられたからね…さっき」
大和は凪の行動が気になってそっちに気がいっていた
Sの司令塔は冬馬ではなく凪
協調性がないといったが凪がいることでパズルは見事に埋まる
凪がS組の主要を繋げているのだ…若干名繋がっていないが
(さっきから気になってたが凪は京を見ている
癖を見抜くためか…
わざと多く投げさせ球種・癖を調べている…か…)
「おい!大和。指示がないのなら普通にヒットで構わないだろう?」
「やだ、なにあの娘サラッとかっこいい!」
〜1回裏 F組の攻撃〜
[1番ショート クリス]
「来る球を打つ。実に簡単な事だ!!!」
クリスは勢い良く振った
「ストライク!バッターアウト!!」
クリス、清清しい三振
「卑怯な…変化球投げるとは…ストレート勝負だろ」
「え?来る球を打つから簡単とか言ってなかった?」
「わ。悪かった!…大和め…ここぞとばかりに嫌味を」
「いいからどいてくれ。指示ができない」
「むーーー!!」
「流石に無理だよ…クリス…どこの野球番長だと思うよホントに」
「野球も奥深いな〜次も自分の打順がいいのだが!」
「無理だよ…京!クリスを連れてってくれ」
「しょーもない…」
「京?何をする!次も打ちたいんだーーー!!」
クリスは強制的にベンチに連れてかれた
続いてのバッター
[2番レフト 源]
(チッ!こいつ…速さもあるが球が重いぞ…)
「喰らいやがれ!悪魔の槍(ディアブロ・ランサ)」
与一の厨二病は置いといて
重い球でしかもコントロールもある
忠勝も手が出せず三振で終わった
「次は俺か!ガツンと打ってくるぜ!」
「重いらしいぞ当たっても力負けする可能性があるから…」
「軍師大和!任せとけって、クリス!ケジメは大将である俺がとってやる。
だから、いちいち落ち込んでるんじゃねーぞ!」
「さすがキャップだな頼もしい事を言うな」
「これで打つのがキャップ、打たないのがガクトだ!」
「てめーふざけたククリすんじゃねーぞ」
「だったら次の打席頼むぞ」
「見てろよコラ。多馬川に叩き込んでやる」
[3番センター 風間]
「うっしゃー!!行くぜ!!」
(うむ…こいつは危ないかも知れんな…与一よ…サインは…)
(ほ〜う、わかった狙い投げるぜ!)
「打って見やがれ!黒い稲妻(シュバルツ・ブリッツ)」
カキーーーン!!
『おおっとこれは大きいぞ!ヒットは間違い無しか』
翔一は見事に芯に当て左中間に打った
高いので普通ならヒットで2塁までいけるだろう
普通なら…
「ユキ!!」
「わかってるよーーー!キーーーーーン!!」
凪は小雪に指示を出し小雪もそれに答える
小雪は尋常じゃない速さと跳躍を見せつけボールを捕ってみせた
「いっ!?マジかあれをとんのかよ!」
「3アウト!チェーンジ」
S組の面々は捕った小雪を褒めていた
「よくやったぞ!後で甘い物でも食べさせてやろう!」
「見事です、可愛かったですよユキ」
「おいでユキ、頭撫でてあげる」
「僕捕ったよ!ナギ〜〜♪」
F組の面々は出塁確実だと思っていたので
今の光景には驚きを隠せなかった
「センターの守備範囲が広い過ぎるな」
「大和!俺だってアレぐらい出来るぞ!
つー事で京、こっちに難しい打球を飛ばさせろ」
「無理難題をいうなぁ……」
〜2回表 S組の攻撃〜
[4番キャッチャー 九鬼]
「満を持して、我、降臨!!」
(何かどこに投げても打たれそう・・・)
(構うことはねぇ。ベストボールを投げろ!大和のために)
「ん。てやっ!」
「一子殿。この一打、貴方に捧ぐ……天(てん)地(ち)開(かい)闢(びゃく)の一撃!!!」
『打ったーーー!外野は誰も動かないーーー!!』
『これは間違いないね…すごいな〜いいボールだったんだけど』
京は攻めていたが
英雄には通じずホームランを打たれてしまった
「英雄様は野球に関しては更に無敵!!」
外野はただ空を眺めるしか出来なかった
「ちくしょー!あれはどうしようもねー」
「九鬼英雄…警戒しないとな…京!次は〜」
「わかってるよ!大和!主人の言った事は覚えてるよ!」
「お友達で!!」
こうも簡単に打たれると京もカチンと来た
[5番ファースト 巣潟(すがた)]
「柔道部のエース!この巣潟が打ってやるでごわす」
三振 1アウト
「くくく・・・見せ場すら与えないよ」
(京のヤロー…俺様もコイツには同情するぜ・・・)
「次は此方か…高貴な打法でも見せ付けるかの〜」
「ナギ…本当に不死川さんで良かったんですか?私はナギを出そうと思ってたのですが」
「まー本人が出たいって言ってんだからさ・・・マルさんちょっといい?」
凪はマルギッテを呼ぶと耳打ちして何かを伝えた
「わかりました。やってみましょう…不死川には私から伝えます」
そう言うとマルギッテは心の方に向かっていった
「ナギ?何を伝えたんだ?」
「まー攻略かな…直接不死川さんに伝えればいいんだけど…僕嫌われてるから」
「あぁ一悶着あったもんな」
冬馬と準は理解した
「不死川、少しいいですか」
「なんじゃマルギッテ…フムフム少し命令口調なのは気になるがわかった」
マルギッテと不死川の相談を見ていた大和は嫌な予感がした
[6番セカンド 不死川]
「高貴な此方は何でもこなせるのじゃ!」
(打てないだろうから…ここを攻めよう)
(う〜ん何か打たれそうだけど…わかったよ)
京は変化球とストレートを織り交ぜながら投げたが
不死川はよく見ていてボール球は振らない
気が抜け打ち易い球を投げてしまったのを不死川は見逃さなかった
「ここじゃ!!」
『打ったー!!ヒットだーーー!!』
『レフト前だからこれは楽にファーストに行けるね』
心は一塁で次にマルギッテを向かえることは何か作戦があると確信していた
さっきもなにやら話していたからわかるが防げるかわからない
大和は一応熊飼に注意を促したが半暴走状態なので解っているのか心配だった
[7番ライト マルギッテ]
「私はそう簡単にはやられません!どんな球でも打ってみせます!」
マルギッテはショートに打った
ショートのクリスはセカンドに投げ心はアウトになったが
心はまだファーストにいた
「まずい!!クマちゃんにげろーーー!!」
大和の声も届かず熊飼は暴走していた
「ほほほ。アウト一つ恵んでやるのじゃ」
「さぁ狩りの時間です。覚悟しなさい!」
「あ〜〜美味しそう!!いただきます!! !? あ、足が動かない!?」
「足の関節を極めた。自由に動けまい」
「Hasen Jagd!!」
「あぐうっ!!??」
熊飼はマルギッテのカカト落としを喰らいダウンした
そして、ボールも落としてしまったのでマルギッテは生還
2アウト1塁である
熊飼の代わりにヨンパチが入り
ファーストにクリス ヨンパチがショートに守備も変わった
[8番ピッチャー 与一]
「狙い打つぜ!俺の「地獄の管理人(サバーニャ)打法」見せてやるぜ」
与一 三振 3アウトチェンジ
「相手のピッチャー…組織の人間か!クソ…まさかこんな所まで来るとは」
与一は弁慶からコブラツイスト
凪からはスコーピオン・デスロック
与一に刑が執行された
現在の点数
S 1−0 F
〜2回裏 F組の攻撃〜
[4番キャッチャー 島津]
「よっしゃ!!多馬川まで飛ばしてやるぜ!!」
「脳筋にはこの球を…喰らえ!!悪夢の矢(ナイトメア・アロウ)」
(来た!!変化球ならいける!)
岳人は先ほど大和のレクチャーを受けていた
「ガクト、変化球を狙え」
「何でだ?」
「たぶんだが脳筋だと思われてるから変化球には対応できないと思われてるだろう」
「何気に酷くね〜か?大和」
大和の予想通り変化球が来たので岳人は打った
外野オーバーでだが…
向かい風により失速…フェンスギリギリで義経に捕られてしまった
1アウトである
[5番ショート 福本]
「くっそー!俺が打てるわけないじゃんか」
ヨンパチ 三振 2アウト
「ワン子…頼むぞ!」
「任せなさい!大和にはいつも勉強とか助けてもらってるもの恩返ししないと」
[6番セカンド 川神]
「おお!一子殿…敵同士で会うとはこれもまた運命…」
「やりにくいなー、なんか」
(まずはど真ん中に棒球を投げて様子を見よう)
(おい!私情まるわかりじゃねーか!)
(む。意識してても甘くなるな…改めよう)
「行くぜ!!喰らえ!真夜中の月(ミッドナイト・ムーン)!!」
「変化した。でも、ていっ!」
一子は変化した球反応し3塁の方向にバントした
交戦する気まんまんの行動である
『さぁ、ファースト対ランナーの一騎打ちだ』
「いっくわよおぉぉぉ!!!」
「柔道部のエース巣潟!女でも容赦しないでごわす!」
一子はファーストのグローブをかわし
相手の背後に潜り込んだ
そして、相手の腰を背後からグッと掴んで…
「川神流・百舌落とし!!」
敵を掴んだまま、一瞬宙に浮き
バックドロップを決めた
巣潟は脳天直撃を喰らったが何とか持ちこたえた
一子はセーフになった
「ほほほ、猿め走る気まんまんじゃ〜」
「バレて上等!これは川神ボールだもん」
「ほーベースカバーに入る此方と戦うか。面白い」
[7番ピッチャー 椎名]
「・・・・しょーもない」
(ここはストレートを投げろ!セカンドで刺す)
(マジかよ!わかった投げてやる)
与一はストレートを投げそれを捕った英雄がセカンドに鋭い送球をした
一子も投球と同時に思い切り走った
「一子殿、悪く思うなっ!愛であなたを刺す!」
火の様な送球を心はキャッチし一子と対面した
「ここがお前の墓場じゃ」
「でやぁー!!!!」
心はスライディングして伸ばした一子の足を捕り関節技をかけようとしたが
「川神流・蠍(さそり)撃ち!!」
アクロバティックな体勢から一子の正拳突きが心に決まった
獲物の身体を掴んでから関節技を極めるまで時間が長いので
その隙を突いて一子は攻撃をしたのだ
『関節技は一度決まると逃げるのは難しい。
相手の足を捕ったという慢心をついたなワン子』
『でも、少し技が浅かったかもね一子ちゃん』
心はふらふらしながらもボールを手放さず一子にタッチした
これにより一子はアウトになった
「が、がーん!!!サソリ入ったのに倒れない?」
「残念じゃったの!ひょーほほほほ!!!」
『やっぱり。無理な姿勢から技を撃ったために威力が不十分だったみたい』
『本来なら蠍撃ち入れば立てる相手はいない…着想はいいがツメが甘いなぁ』
「3アウトチェンジ!!…っと前半終了じゃ!」
こうして前半戦は終了した
前半戦までにリタイアした人
再糖・熊飼
S 1−0 F
S組ベンチ
「不死川さん…大丈夫でしょうか…」
「大和にはバレてるよ…リタイヤしないだろうけど」
「あわわわ・・・どうしよう次は義経の番だ」
F組ベンチ
「ごめん・・・皆・・・」
「ワン子のせいじゃないよ…厄介だな…でも、倒し甲斐がある」