小説『真剣で僕に命じなさい!〜S〜』
作者:時雨葵()

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〜第十三話 球技大会 肆〜


簡単なあらすじ

『羽黒が心の攻撃を受け3アウトになりF組の攻撃は終了
S組から開始だ』

『凪君…何者なんだろうね〜』

『何者でも少し楽しめそうな相手だな』


〜4回表 S組の攻撃〜
「羽黒の後って誰が入るの?」

「直江…私でいいのか?」

一子が大和に聞くとF組担任の梅子が大和にも聞いていた

「だって…梅先生だってF組の仲間だし」

「そうじゃのー大丈夫じゃ」

簡単に学長の許可も出てしまい梅子が出る事に

『羽黒さんの代わりに…大和君面白いこと考えるな〜小島先生』


[4番キャッチャー 九鬼]

「我!バッターボックスに降臨である!!」

S組ベンチからはあずみの声援がしていた

(こいつはどうしようか…)

(ワン子に任せるしかないかもしれない・・・)

「えい!」

京はなるべく一子のいるライトに飛ぶように投げたのだが…

「フハハハ!我の打球天高く!龍の如く飛ぶと知れ!!」

打球はグーーンと飛んで行き一子とクリスが飛ぶ前にフェンスを越えていた

「ありえないわ…」

「これは無理だな」

一子もクリスも天を見上げる事しかできなかった

S 3−0 F
 
[5番ファースト 井上]

「俺さ〜緊張するとお腹痛くなるんだよね〜」

「準!がんばってください」

「ハゲ〜がんばて〜♪」

「ハゲって言うんじゃありません!!」

「京〜がんばれ!お前なら討ち取れる」

(大和!!大和が期待してる!力が湧いて来たよ)

京の気力は回復した

準は気力復活の京による
変化球と直球を織り交ぜられた作戦にやられ追い込まれてしまった

「くっそ〜椎名…化け物か!疲れを知らないなんて!」

その時、準は耳にある声が聞こえた!

「じゅんにぃたん!うってほしいです〜」

「やってやるぜ!準にぃたんの力見せてやる!!」

準、謎の幼女の声により気力限界突破

「おら!!」

準外野オーバーにより2塁まで出塁

「そして!声の主はどこに!?」

準は探すが幼女は見つからない
そして、さっきの京と大和の時を思い出し凪を見た
凪は手を合わせごめんと口パクで伝えていた
それを見た準は落ち込んだが閃いた

「凪!!後でお金出すから!!リクエストの言葉録音させてくれ!!」

「私も!!大和でお願い!!」

「では、私も大和君で。」

京と冬馬ものってきた
大和はガタガタと震えていた

一子はいつもより2塁近くまで来て次の心に備えていた
大和も2塁の近くにいると
準が呟いた

「不死川の負けん気も嫌いじゃないんだがね
あいつには美学ってもんがないんだよな
ちょっとお灸が必要だと俺は思うんだよな〜
と、まーハゲの独り言を呟いてみた」

一子は「えっ?どいうこと?」と混乱していた

[6番セカンド 不死川]

「にょほほほほ!此方の番じゃ直江大和!次はお主じゃ!」

(ライト前に打たせるように…)

京はコントロールがずれレフト前に打たせてしまった
ボールはセカンドの大和に送球された
だが心は2塁にまで走る気で
腕に自信あるならボールに触れなければアウトにならない
ボールの持ち主を倒せばアウトを回避できるのである
心の標的は宣言通り大和に決定であったが…

「ちょっと待ったー!!大和はやらせないわ!!
大和!!ボール頂戴!」

そこに一子が割込み一子対心になった

「犬が猿を庇うか。面白い!相手になるのじゃ!!」

心は一子を掴み腕ひしぎ逆十字固めをしようとしたが・・・

「あぐっ!」

心は一子にやられた蠍撃ちのダメージが残っていた
一子はその隙を逃さず抜けだして心の後ろに回りこんだ

「羽黒の仇!!川神流・百舌落し!」

一子は浮いて見事に技を決めた
グラウンドにモニュメントが出来た

「一子!!ボールをよこせ!」

「ワン子が私の未来の旦那を守ってくれたお礼はこれで返す!」

準は戦闘の隙にホームに走っていた

京のレーザービームが速く
岳人のミットに入っていて呆気無くアウトとなった
心もアウトなので一気に2アウトも取った

「準…焦りましたね・・・」

「いや〜見事にモニュメントが建ったからさ〜見入ったら遅れた」

「罰としてキャッチボール手伝って…」

「おお!大将が出るのか…こりゃ〜面白いな…」

心が続行不能になったため遂に凪が出る事になった


[7番ライト マルギッテ]

「もういいでしょう…」

「そう簡単にホームランは打たせない!!」

(内角を攻めてきて尚且つ伸びもある…面白いですが…)

「ホームランじゃなくても野球は出来ると知りなさい!」

ジャストミートしたマルギッテの打球は弾丸のように
ショートの横を飛んでいった

ショートを守っていたヨンパチも驚き尻餅をついてガタガタと震えていた

「今の本当に打球なのかよ…(ブルブル)」

マルギッテは2塁まで来ていた

[8番ピッチャー 与一]

「おいおい!俺の技盗るなよ」

(こいつは今やる気はないはずだ・・・こう攻めよう)

岳人はサインを出したが京は首を横に振った

(やる気は無くても能力はわからない・・・強気で行くよ)

京もプライドがある
京ほどのコントロールの持ち主はF組にはいない
自分が投げなければ負けてしまう
もし、ここで活躍すれば大和は自分を見てくれる
京は大和にベタ惚れ中なので
恋する乙女は強いのだ

「ヒットは打たれても…もうホームランは打たせない!」

与一もあっという間に追い詰められてしまった

「与一…また…技喰らおうか?」

S組ベンチ・・・
そこには鬼が立っていた
弁慶という名の鬼が

「わかった・・・姉御・・・打つよ・・・」

与一もヨンパチのようにガタガタと震えだした…
与一右中間に打って2塁に
マルギッテは3塁で止まった・・・・

[9番レフト 義経]

「義経の番になってしまった…」

(義経は動きが硬い…ここはアウトをもらうぞ)

「義経さん…やはり動きが硬いですね」

「う〜んどうしたら・・・・・・・あ!タイムお願いします。」

凪は閃いたが2ストライクまで取られている

「三上君…どうしたんだ?義経は交代させられるのか?」

義経は目をウルウルとさせ凪を見ていた

「あのね義経この方法やってみたら上手くいくんじゃないかな?」

話した後凪はベンチに帰って義経はバッターボックスに戻ると
さっきまで立っていた右バッターボックスではなく
左バッターボックスに立っていた
そして、義経はバットを構えたがその構えが

抜刀の構えであった

刀を抜く事の方が慣れてる義経にはバットを振りやすい
凪はこれを提案したのだ
だが、それが野球に適用するかは義経のセンス次第である

京は変化球を投げた

(ストレートなら当たるだろうけど変化球なら難しい…)

義経も期待に応えたかった

(三上君は義経に期待してくれてるんだ…義経はがんばる!当たれ!!)

ヒュン!と音がした
誰もがその音で空振りをしたと思っていた
だが

ドゴッ!!

グラウンドに大きな音が鳴った
今の音は義経の打ったボールがフェンスにぶつかった音だったのだ

「ワン子!早く送球しろ!」

「!! うん!!」

一子も驚いていた事もあり送球も遅れ
ランナーは義経が2塁
他の与一・マルギッテともにホームに戻っていた

S 5−0 F
2アウト

[1番サード 弁慶]

「主もがんばってんだから打たなきゃね〜」

弁慶 悪酔いにより ボールが複数に見え
三振 3アウトチェンジ

「弁慶!だから飲みすぎだと言ってるだろ!義経もさすがに怒るぞ!」

「弁慶…流石に飲みすぎだ…川神水飲むの断たせるぞ」

弁慶は義経・凪により説教を受けていた


〜4回裏 F組の攻撃〜

「もう・・・無理なのか・・・」

「二遊間は抜かせるの難しいな・・・」

『えーっと…不死川さんが続行不能なのでセカンドに三上君が入ります』

『凪が入る事でセカンド・ショートは鉄壁になったな』

『忍者コンビだからね…』

大和は幾ら考えても作戦は全て凪によって塞がれていた
そんな時いつもHEROが現れる

「軍師大和!なに湿気た顔してんだ!このキャップに任せろって」

「キャップ…」

大和を助けたいのはキャップだけじゃない

「私も頑張るから!まだ私は投げれる。」

「大和!アタシも頑張るから!!」

「京…ワン子…わかった!もう一度考えてみる」

もう一人燃えている人物がいた

「ゲン!キャップ!頼む何としても出てくれ!!」

「島津!?どうした?」

「ガクト!俺らを帰してくれよ!」

「任せろ!!楽に帰してやる!」


その光景をセカンドで見ていた凪は敵なのに嬉しそうである事を
準に見つかってしまった

「ナギ。嬉しそうだな」

「嬉しいさ半分…後は複雑な気持ち…」

(さて・・・ガクトは燃えてる…最初の予定ではもう10点は取ってる
作戦だったんだけど…僕が策士にはまだまだかな〜)

[2番ファースト 源]

「チッ。島津のヤローに土下座までされちゃ打たねーとな」

与一も流石に疲れている
忠勝も今なら出れる可能性が高くなった
実際ストレートも指定の場所には投げれてない時もあるみたいだ
大和がそれを見逃す事もない

「キャップにガクトちょっと…」

大和は2人に助言をした

忠勝は何とか打ったが詰まった打球であった

「クソッ!間に合え!!」

忠勝は1塁にヘッドスライディング
判定は

「セーフ!」

これで1塁

[3番レフト 風間]

「ここで俺だぜ!飛ばしてやるぜーーー!!」

「ここ一番のキャップって…恐いんだよな〜しかも風が止んだし・・・」

凪は風が止んだ事とこんな時
いつもキャップは何かやってのける事を
知っていたので恐かった

凪の予想は的中した見事に外野オーバー
深くはないが打たれた
打たれたと同時に突風が吹きボールを煽った
風に愛されている翔一なのであった

[4番キャッチャー 島津]

「俺様に任せやがれ!!」

与一も疲れが見えてきている
ゆるい球も投げてしまう所が多々見えてきた
岳人も粘り、球に喰らい付いていった
そして、遂に緩い球を投げてしまった

「俺様の大砲だーーー!!!!」

岳人の咆哮が響いた
打球は飛びホームランとなった

これにより

S 5−3 F

「俺様の魅せ場!!」

「流石ガクトだぜ!」

[5番ショート 福本]

(一球目で打たせて次でゲッツーだ)

(わかったよ)

軽く投げた与一のボールをヨンパチは普通に打って1塁に
そして、一子の打席になった

[6番ライト 川神]

一子はセカンドに打たされてしまった
凪の正面である

「やべ!でも、俺は逃げるのが速いんだ!!」

凪を避け2塁に向かった

『おっとーヨンパチは逃げる!凪はどうするんだー!』

「こうします…眠ってて福本君…」

「え?」

ヨンパチの腹には凪の拳があった
痛みは無くただ意識が飛んだ
凪はすぐに一子の前に来て
一子の攻撃を難なく避けてタッチした

「2人ともアウトじゃ」

一瞬のことで観客も何があったのかわからずだった

『一瞬だったけど凄いね〜モモちゃん…モモちゃん?』

『今のは蠍撃ちだ・・・何故凪が使える…門下生でもない凪が
何故川神流の技を使える…』

百代もルーも見ていたが
構えや気の練り方など全てが川神流の蠍撃ちであった
しかも一子よりも完成度が高かった
川神流は門外不出である
なのに凪は難なく完成度の高い技を出したのである

「さて…与一…セカンド守ってくれない?交代だ!」

「あ〜流石に疲れた頼む!」

ピッチャーも交代になった
凪に変わり京は三振に終わった

ヨンパチの変わりにスグルが入り
そして次のSの攻撃も
ホームランに近い打球を打たれたが
一子にクリス…時にはサポートで翔一も手伝い
全て抑えていた

そして、再びF組の攻撃になった

〜5回裏 F組の攻撃〜

[8番セカンド 直江]

「凪になって助かった…打たせてもらう」

「何故そんな自信が?」

「何となく」

速くてもバントで当て走り出した
一塁の準に送球が行くが…

「井上ちゃん!こっち向いてくれます?」

「もちろん!!!」

準はF組ベンチを向いた
それによりボールは

「あいた!!」

頭に直撃そしてそのまま大和は2塁にも向かった

「特異点が接触したらどうなるか。」

与一が待ち構えていたが

「組織の人間がお前を狙ってるぞ!避けろ!!」

大和が叫ぶと与一は直ぐにしゃがみ周りを見た
だが、組織の人間はいない罠にかかったのだ
大和はその隙に2塁へたどり着いていた

「やられた…二人とも言葉の罠にかかってるし…」

[9番サード 小島]

「先生でも容赦なく!!」

凪は投げるが与一程は凄くはない

「大人気ないが・・・ホームラン打たせてもらうぞ!」

見事に打たれてしまった・・・

S 5−5 F

そして、梅子がホームに帰ってくると
時間が来てしまった…

「後半戦終了じゃ〜ここからはサドンデスじゃ〜」

どちらかが点を取るまで続く
回は変わりS組からの攻撃になる

「あちゃ〜…ごめんね。英雄」

「何気にするな!F組は難敵なのは承知の上だ…で・・・
交代を頼めるか?」

「あぁ…サドンデス…頼むよ!」

凪は英雄にボールを渡した

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