小説『真剣で僕に命じなさい!〜S〜』
作者:時雨葵()

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〜第十五話 燕と清楚〜


球技大会も終わり
夏休み前に残すは

期末考査

これは学生にとって恐ろしく
辛いものであった


昼休みのF組教室に凪はやってきた

「こんにちは〜」

「あ〜三上ちゃんこんにちは」

凪はよくF組に来ていたので
F組の生徒はS組でも凪を受け入れているのだ

「大和〜お呼ばれしたから来たよ〜」

「あー凪適当に座ってくれ」

凪は大和に呼び出されていたので
パンとコーヒー牛乳を持参して来た
机には百代・由紀江以外のファミリーが集まっていた

「いつもは男子だけなのに…珍しいね」

「私が大和に公然の前でイチャイチャぶりを見せ付けるため!」

「違うから…メインはガクトとワン子だから」

「え?アタシ」

「俺様の魅力についてか?」

「それは無いと思うよガクト」

「楽しく食べようぜー」

「早く食べよう!自分は我慢できないぞ!」

クリスは目の前の稲荷寿司をみている
翔一もおなかが減ってるみたいだ
とりあえず食べる事にした

「で?俺様たちがメインって何がだ?」

「うんうん!何なの?」

大和は凪の方を向いて呼んだ理由を伝えた

「来週ってテストじゃないか…凪に今回頼もうかと…
もちろん、手伝うが…凪はS組だから自分の事で精一杯なら断ってくれ」

「2人の面倒を見ろって事?」

「そうだねー」

いつもは大和と京、時に卓也だったのだが
今回は凪に任せて自分の方に時間を使いたかったのである

「別にいいけど…キャップはいいの?」

「俺別に内申悪くてもいいし」

「キャップは教えたら出来るから手はかからないんだ…」

「その会話からすると…手のかかるんだね…二人は・・・」

凪の問いに教えていた三人は頷いた

「わかったよ…どの程度か…」

皆が食べ終わると凪はメモ紙に問題を書き
一子と岳人にそれぞれ渡した

問 I'm home!
  Welcome home.

一子はメモ紙に答えを書いて凪に渡した
それを他のメンバーも見た

答 私はホメです!
  ようこそホメ。

「ホメって誰さ!!」

「ホメは多分マッチョの筋肉質だね…」

「俺もそんな人浮かんだ」

「え!?違うの?」

卓也は思わずツッコみを入てしまった
大和と京は今までの苦労は何だったのかと落胆し
凪と翔一はホメについて話していた

岳人も解いたので凪に渡した
再びメンバーで見た

問 Amazon river is very dangerous.

答 アマゾン川には大きなダンゲロウスが住んでいます。

「・・・・・・・」

「絶句だよ…」

皆唖然とした
卓也も問題を出してみた

「箱根旅行の時の問題だけど…
江戸幕府13代将軍の名前は?」

岳人と一子は直ぐに答えた

「織田信長!」

「豊臣秀吉!」

「徳川は当てろ!!」

凪が珍しくツッコミを入れた
もう一問卓也が出題した

「江戸幕府8代徳川吉宗は米相場の安定に
頑張った事から何将軍と言われた?」

「「「暴れん坊将軍!!」」」

今度はクリスも混ざっていた
クリスにいたっては自信満々であった

「クリス…箱根の時と同じ間違いしてるし…」

「歴史に関してはクリスも頼む…」

「御意…」

大和は先が思いやられるようだ
昼休みも残りわずかなので
凪は自分の教室に戻ることにした
頭の中でどう勉強を教えようか考えながら

S組の教室に入ると

「どうやらナギが帰ってきたみたいですよ」

「お!本当だ!」

教室には何故か松永燕がいた
凪は接点は無いが名前は聞いていた
自分より少し前に編入してきた
「納豆小町」であの武神である
百代相手に何分も相手をしていたから有名になっていた

「え〜っと松永先輩がどうして?」

「燕でいいよ〜いや〜私も凪君と呼ばせてもらうから〜」

燕はどうやら凪に用があったらしく
凪をフムフムと下から上へと目線をやっていた

「本当に男の子?まー胸が無いからそうなのかな?」

「何か用でも?」

「あ!そうだった!凪君合同稽古しない?」

「はい?燕先輩と僕で?」

「そう!どうかな?」

「別にいいですけど…」

「稽古と言っても組手かな〜モモちゃんの時みたいな」

「話は聞いてますけど…何故僕と?」

「いや〜球技大会での身のこなしが良いからさ〜武人としての血がね」

「そうですか…今日の放課後ですか?」

「いやいや〜テスト期間だしね今日じゃなくて」

すると燕は少し考え

「職員会の了承を貰うから〜そうだね…テスト最終日の放課後なんてどう?」

「良いんじゃないですかね」

「武器は・・・私は色々で〜凪君は?」

「僕も先輩と同じで色々で」

その後簡単に話が進み
色々決めていった

テスト終了日の放課後に
教職員3人が審査員でルー師範代に審判
武器は多数を乱雑に置き
戦闘中に取りながら戦う
時間は30分
勝敗は審査員の目で
より有効打などの当てた方
ボクシング等みたいな勝敗の決め方だ

「じゃ〜テスト最終日にね〜」

燕は手を振りながら教室を出て行った
凪の元に準と冬馬が来ていた
「販促の手に使われますね」

「どういうことだ?若」

「今注目の的のナギと戦えば目立つでしょう…
そして、組手の時間もテスト最終日の放課後なので」

「テスト終わりで開放的になってるから見物客が多いってことか」

凪はそれに付け加えた

「それと、僕の弱点とか探る時間も出来るってわけ…
まー稽古みたいのだけど智将だろうからね…燕先輩」

凪は気にせず午後の授業の準備をしだした
冬馬も準も自分の席に戻り準備をしだした

放課後

凪は一子達の勉強に使える参考書と自分が読む本を探しに
図書室に来た

京極先輩に会釈して探していると
一人の女性と手が触れた

「きゃ!」

「あ!すいません!」

お互い見ると

「三上・・・君?どうしたの図書室に」

「いや〜友達の為に参考書と読書のためにです
清楚先輩もでしょ?」

凪が出会ったのは
武士道プランで義経達と一緒に川神学園に来た
葉桜清楚である
清楚は3年でS組にいる
よく図書室にきて読書をしているので
清楚を探すならまず図書室に来たら会えるだろう
まだ清楚は自分が何のクローンか知らず
本が好きな点から紫式部か清少納言だと思っている

「そーいえば、話すのってあまり無いよね?三上君と」

「そうですね。やっぱり学年が違うから機会が無いですね
三上じゃなくて凪でいいですよ」

「じゃ〜お言葉に甘えて凪君って呼ばせて貰おうかな」

「まー清楚先輩の護衛も仕事なんで」

「いつもありがとね。」

そんな雑談をしていると清楚の頭にある花が気になった

「先輩がいつも頭につけてる花って何です?」

「ヒナゲシだよ。学校の花壇に咲いてるの…
あ!もう帰らなきゃ。それじゃまたね!」

清楚は手を振りながら帰っていった
残された凪は少し考えながら

(葉桜清楚…清楚…葉桜で…ヒナゲシ…まさか…
穏やかな性格だし…違うかな)

そう考えながら中国歴史の本を一緒に借りて行った

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