小説『真剣で僕に命じなさい!〜S〜』
作者:時雨葵()

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〜第十六話 勉強は計画的に〜


今日は金曜集会
秘密基地に由紀江は来た

「あれ?この気は…凪さん?」
『凪坊しかいないなー』

凪はソファーで寝ていた
顔には図書室で借りたであろう本を被せている

「凪さんは何を読んでたんでしょう」

タイトルは
「中国史のすべて」

『まゆっちこれはオラに対する挑戦状だ!
赤兎馬を降臨させる気だ!』

騒いでいる松風を由紀江がなだめていると

「松風…そんなに騒いでると松風自身を赤く塗装して本当に降臨させるよ…」

『ごめんね…凪坊』

「よろしい」

凪は騒がしかったので起きてしまった

「まだ…まゆっちだけか…」

凪は少し寝ぼけている感じで
周りを見ていた

「そーいえば…まゆっち友達増えたの?」

「いえ…まだです・・・」
『凪坊…聞いて良い事と悪い事ってあるんだぜ…』

凪は少し考え…

「とりあえず、人前で松風との会話をやめようか…」

「フグッ!直球で指摘されました!」

「後ね…(ニヤリ)」

凪はニヤリと微笑み由紀江に近づいた
ただ凪の手はワシワシと動いていた

由紀江はその光景を見て後ずさりするが
凪に捕まってしまった

『乙女に気安く触ったら駄目なんだぜ!凪坊!!』

由紀江は凪の魔の手により

「ぎゃああああははははは
なぎさ・・・・んやめて!はははこちょばしいです!ははははは」

くすぐられていた

「笑顔が硬いんだよね〜今の感覚を忘れないように(こちょこちょ)」

そんな中
残りの女性陣と大和が来た
傍から見れば凪が由紀江を押し倒しているように見える

「なななな!何やってんだだあ!凪!!」

「クリス…落ち着こうか…」

「ぎゃーーー!凪が変態だわ!!」

「私も混ぜろ!(キュピーン)」

「凪がまゆっち狙いだったとは…」

「やっと来た〜後はモモ先輩にパス」

「えぇえ!!ちょっと待ってください!凪さん!!」

由紀江は百代に売られた
その隙に凪は皆に説明をしていた

「何だ、笑わしてたのか。ビックリしたぞ」

由紀江はぐったりして
時折ピクリとしていたし
百代は満足げだった

そんな事していると残りの男子達も来た
そして一子は凪の膝の上に座り甘えていた

「ワン子は凪にべったりだね…私もべったりしよう」

「凪のここはワタシの指定席なのよ!」

京も大和にベッタリくっ付いていた
何故一子は自慢げなのだろう

「大和の膝の上も落ち着くけど
凪のは違う落ち着きがするのよね〜例えばお姉様みたいな」

「でも、実際凪って雰囲気っていうの?
モモ先輩に少し似てるよな」

「額のクロスとかは無いけど似てるよね」

「髪が黒だとより似るんじゃないか」

「実は私の弟だったりしてな」

「凪は姉さんと違ってしっかりしてるけどね」

「雉も鳴かずば撃たれまい」

大和は百代にインディアンデスロックを喰らっていた
そんな話をしていると
楽しい時間は早く終わるもので
凪によるちょっとしたクイズが行われた
主に岳人と一子に

「603年と604年に聖徳太子は何を行った?」

「そんなの簡単よ!603年ご飯をよく食べる 604年よく寝る」

「いや…そんな何気ない一時じゃなくて…」

「やっぱりバカだなワン子!603年ご結婚 604年ご乱心だろ」

「その一年で太子に何があったのさ!!」

「気を取り直して…『余の辞書に不可能の文字はない』と言ったのは?」

「聞いたことがあるわ…確か…ナポリタン!!」

「俺様の記憶が確かなら…ナポリン!!」

「食べ物とジュースが出てきちゃった…」

「ユーラシア大陸を走る世界一長い鉄道は?」

「「銀河鉄道」」

「宇宙に行っちゃうよ!!」

凪はこの回答を聞いて大和の方を見た
大和は一子に対するお仕置きを考えていた

次の日

百代・由紀江以外の風間ファミリーは
島津寮の大和部屋に集まっていた

「これより勉強会をする」

凪は全員の勉強を見る事になった
大和がテスト範囲の要点をまとめていたので
教えるのはそんなに苦ではない

〜数十分後〜

「ねぇねぇ…大和…」

「どうした?モロ」

「凪が二人に付きっきりだけど大丈夫かな」

「そろそろ私たちも手伝って凪も勉強させてあげる?」

卓也と京が言う通り
凪は始まってから二人に付きっきりで勉強を教えていた
大和は少し考え手伝う事にした

「凪、俺達も教えるから凪も自分の勉強してくれ」

「え?ああ…じゃ〜少しの間頼むね」

凪はそういうと立ち上がり部屋を出て行った
そして、数分後〜

「流石に疲れたわ・・・」

「甘いものが食べたくなるな…犬、ちょっと買って来てくれ」

「ちょ!?何人をパシリにしてんのよ!!」

クリスと一子が言い争っていると
部屋の戸が開き凪が何やら持ってきた

「休憩しよ?お茶と水ようかん食べようよ」

「気が利くな〜さすが!オカンだぜ!」

「いや〜大和達に見てもらってたから準備が出来たよ〜」

「あれ?自分の勉強は?」

「今からやるよ」

「引き続きお願いね?30分で十分だから」

大和は「ほっ」とした
自分達に勉強を教えててS落ちしたら申し訳ない
順位50位以下だと落とされる
凪は頭はいいと思うがどのくらいなのか大和は知らない
そして、勉強が再開した

凪も髪をいつもより上のほうに縛り
問題集に向かった
他の皆も開始した・・・のだが

「凪〜ここ・・・おし・・え・・・て・・・」

大和が凪に助けを求めようとしたが
反応が無い

「凪?お〜い」

返事が無いただの屍の・・・

では無く
凪はずっとノートに問題集を解いている
しかも筆が止まらずに

「どうしたの?大和…すごいね・・・・」

本当に周りに気付いてなく
ひたすら解いているのである

凪が勉強を始めて約30分後

「ふ〜終わり〜」

凪は問題集を全て終わらせていた
その姿をみた皆は凪の底知れない頭の良さを
実感するしかなかった

この勉強会は土曜日曜と行われ
勉強会後の一子と岳人は頭から湯気が上がりそうな
状態だったという・・・

〜オマケ〜

「ワン子…この英文を訳しなさい」

問:I want to be a firefighter.

「わかったわ!」

A:私は熱血格闘家になりたい

「ワン子らしい間違えだな・・・」

-17-
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