小説『真剣で僕に命じなさい!〜S〜』
作者:時雨葵()

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〜第二十一話 若虎開幕〜




7月31日
「若虎サバイバル」開催

参加生徒達は校庭に集まっていた
そして、ヒュームが前に立ちルール説明をしていた
クラウはどうやら天神館にいるようだ

「それでは改めてルール説明をさせていただきます」

その後九鬼の飛行場に集まり
大人数が乗れる軍事ヘリに皆乗っていった
風間ファミリーもまずは集まり

「よし!皆健闘を祈るぜ!」

『おー!!』

そして、皆バラバラのヘリに乗り込んだ

「それでは皆さん申し訳ありませんがアイマスクを
してください。降下する時に森全体が見えてしまうので」

「降下?」

参加者各一人に従者をつけ
パラシュートで降下するらしい
凪もアイマスクをして待っていると
自分の横に
出来れば避けたい
気が禍々しい人物が現れてしまった・・・
ある程度予想はしていた



条件は・・・
九鬼の従者で
禍々しい気で
あえて自分の担当に付く人

「凪…つかまれ。」

「やっぱり…ヒュームさんだ・・・」

「不満か?」

凪は首を全力で横に振った
殺意が増えたからである
上空から落とされかねない
凪はヒュームに掴まると
ヒューム空に飛んだ…

落ちていく中
いつまで経ってもパラシュートが開かない…
凪は嫌な予感しかなかった
すると

ドスンッ!

「アイマスクとっていいぞ…」

凪は素直に取りヒュームを見た
嫌な予感的中であった
明らかに普段と同じ格好
細かく言うと

パラシュートが無い

凪は呆れるしかなかった
その視線に気づいたヒュームは

「パラシュートを使うなど…赤子よ…」

凪は何も言えなかった
と言うより、言いたくない

「凪…期待を裏切るなよ…」

凪に威圧をかけて去って行った

「ヒュームさん…プレッシャーを・・・」

とりあえず、凪は九鬼から配られたリュックの中を確認した

「飲食物と緊急連絡用花火…後、布って包まって寝るためのか…
腕時計に鍵は…っと」

確認していると腕時計から声が聞こえた

『ホホホ、皆無事森の中に降下したかのう』

鉄心の声だ
どうやらこれは一方的に声が流れる仕組みであるようだ

『リュックの中は見たかのう。鍵に扉を開けるヒントがある
しっかりと解くんじゃよ』

鉄心の声が途切れた
鍵を見てみると

「春…?」

凪は考えているが情報が足りない
まずは鍵を集めないと話にならない

「さて・・・・大和は大丈夫かな…」

気を探ってみたが
ある可能性が頭に浮かんだ

「京なら…離れてても見つけそう…」

心配はしなくても大丈夫だろうと思うことにした
すると、腕時計がカウントダウンを始め
若虎サバイバルの開始を宣言した



「ここどこの森だろ・・・」


開始して約30分は歩いたが
誰にも会わない…
まだ降下場所に留まっているのか
歩いている間もこのサバイバルゲームについて考えていた

(この大会の抜け道はあるのか…一人では辛いかなこれ)

すると…

「うむ…まだ誰とも出くわさないな…」

凪の前に鼻に絆創膏を貼り
セーラー服の女の子が草むらから出てきた

最初は活発な女の子だと凪は思ったが
背中に背負っている大筒が…

「ん?なな!!お前は東の!!」

「あ」

「東西交流戦の屈辱!晴らす時!!国崩し!!!」

女の子は直ぐに大筒を構え攻撃してきた
凪は何の事か分からず攻撃されたので
一瞬驚いたが間一髪避けた

「流石に簡単にはやられないか!川神学園の生徒は面白い。」

凪は間合いを詰めたいが大筒が厄介である
そして、この爆音で他の者も来るだろうから
早くこの場を静めなくては行けない

「東のは逃げるしか脳が無いのか?!!」

「悪いけど…終わらせるよ」

「大口言う前にこの距離を詰めてか!?」

女の子は一瞬で自分の目の前に来た凪に驚いた
凪も懐に入り大筒の銃口を上に向けていた
これで女の子は蹴りを入れられれば終わりだ

「これで終わり…」

凪は微笑みその状態で話を続けた

「交渉をしたいのだけど・・・」

「交渉?何を…」

すると凪は両手を上に上げ
無抵抗を表した
女の子も凪の顔を見て敵意が無い事を確認し
大筒を背中に背負った

「まずはここから離れよう…人が集まってきた…」

凪と女の子は少し離れた所で話を始めた

「交渉とは何だ東の!」

「え〜っと、まず僕は三上凪・・・君は?」

「ああ名乗られたのならこっちもだな大友焔だ!」

「焔さんね…交渉というか…手を組まない?」

焔はその言葉に驚いた
このサバイバルで何を言ってるのかと思ったが
凪は話を続け

「このサバイバルだけど一人だと難しい
最後の一人になるまでとも言ってないし
森を出れば良い訳だからね」

「そうだが…信用ならん!特にお前は東西戦の時も見てないぞ」

「ごめん…その東西戦って何?」

最初はふざけているのかと思ったが
凪の顔は本当に知らなそうなので焔はその説明をすると

「その後に編入したから…」

それならと納得したが…
焔は手を組むまでは納得していなかった

「凪…と言ったな……お前は私を信用できるのか?
今会ったばかりの大友を」

今会ったばかりの者を信用などできる筈も無い
だが、凪は簡単に答えた

「普通なら難しいだろうね〜でも、焔さんは裏切ったり
するような人には視えないし…」

そんな簡単に言われ
焔も困った
素直すぎると思ったし
顔が赤くなってきた

「もし僕を信用できないなら鍵を預けるよ。それならどう?」

凪は鍵をはいと渡す

「お前は人を疑うと言う事を知ったほうがいいぞ」

焔は呆れるしかなかった

「分かった…大友は手を組もう…お前は面白い」

凪を信じてみる事にした


二人は歩きながら今後の事を話した

「これからどうするんだ?」

「ま〜鍵集めと仲間集めかな〜」

そんなこと話していると急に凪が焔の口を押さえ
木に隠れた

(何をする!!お前!裏切るのか!!)

(違うよ!ちょっとあれを見て!)

凪は焔に目で訴えた
焔もまたその方向を見た
そこには羽黒とルーが対峙していた

「まさかルー先生に会うとはヤバイ系」

「逃げル?走っては追わないヨ」

羽黒も後退りをしていた

「でもここで逃げるは女が廃る系おりゃーーー!!!」

羽黒はルーに飛びついた
ルーはスッと避け羽黒を気絶させた

「勇気は時に無謀になるヨ!いつも思うけど迫力あるネー羽黒は…」

その光景を見ていた二人は

(いとも簡単に…)

(川神院師範代に勝てるわけが無い)

ルーも気づいたのか二人のほうを見て向かってきた

(やばい…焔さん掴まって…)

(え?)

焔は急な事でびっくりしたが
凪が焔をお姫様抱っこした状態で
脚に気を溜めた

(御守流移動術・閃光(せんこう))

ルーが二人のいた所に来た時にはもう
二人はいなかった

「今の気は…凪だネ……父親譲りの速さだヨ」

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