小説『真剣で僕に命じなさい!〜S〜』
作者:時雨葵()

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〜第二十四話 忍戦〜


目の前から居なくなり心配させた凪は
二人により腕を組まれ歩いていた

「あの・・・そろそろ〜」

「「ダメ!!」」

二人の前に現れた凪は
説教を喰らい
罰として離れないように
こんな状況になっていたのだ
若干、焔の方は顔が赤いが・・・

その状態で歩いていると一人の少女が倒れていた
足が倒れた木に挟まっているようで身動きがとれないでいたのだ

「有馬!?大丈夫か?」

「焔ちゃん?助けてくれないかしら・・・」

どうやら焔の知り合いらしくビックリしていた
そして、直ぐに駆け寄ろうとしたが
何故か凪が焔の腕を掴み止めた

「行っちゃだめだ!!あれは・・・」

「凪?何故止める!!友達が困っているんだ
行かせろ!!」

焔は凪の腕を払い除け少女の所に向かった

「凪!!私も助けてくるわ!!」

「駄目だ!!」

焔に続き一子も向かった

「有馬今助けるからな!川神手伝ってくれ!」

「わかったわ!川神流・・・」

一子が木を壊そうとした時である

「ありがとう・・・一気に二人も倒せる・・・」

少女の声が男の声に変わったのである
二人はここで罠だと分かった
だが時すでに遅く
少女は爆発した
その時、焔と一子の目には凪がこっちに走っている姿が見えた




爆発が起き
周りにいた鳥達も一気に飛び立った
そして、煙で見えなくなっていた
そんな中、一人の男が降りてきた

「同じ十勇士を討ち取るのは心苦しいがこれも勝つため・・・」

罠を仕掛けたのは天神館十勇士の一人の鉢屋壱助である
壱助は鍵を回収しに爆破地点に来た
視界もほとんど良くなり
爆発地点はクレーターが出来ていた・・・


「忍は時として・・・・」

「無情になる・・・」

!!

壱助は瞬時にクレーターを見たがそこには誰も倒れてなかった

「仕留めたと思ったのだが・・・」

壱助は声の方に目を向けた
そこには一子と焔を脇に抱えた凪の姿があった
どうやら二人は気絶しているらしい

「さすが同じ忍だな・・・」

「さすが鉢屋の者って所か・・・」

「まさかここで幻の忍衆の者に会えるとは・・・」

会話をしながら凪は二人を近くの樹に下ろすと
壱助と凪は向かい合った




一子と焔は少し目が覚めていたが
近くで閃光と爆音で
視界もぼやけ、詳しくは会話も聞こえない・・・

だが凪が何かを言っている事はわかった

「・・・みか・・の・・・しゅ・・・」

その事を聞いた壱助は驚き動揺していた・・・
そこで二人はまた気を失った




「勝敗は分かってしまうが逃げられそうにもない・・・
足掻いてみるか」

「僕も敬意を持って戦うよ・・・」

二人はその場から消えた・・・



忍の二人は空中で衝突していた
目には見えない速さで繰り広げられている・・・
時折、小さな爆発が起きていた

「爆発するクナイと普通のクナイを瞬時に見分けるとは・・・」

凪は壱助が投げた弾けば爆発する火薬付きクナイに対し
同じく壱助が投げた普通のクナイを弾いて当て
別の所で爆発させる芸当を簡単にやってのけている

「目の良さは僕の専売特許の一つだからね」

「まだ何か隠しているということか・・・侮れん・・・だが!!」

壱助は隙を見つけ
凪の後ろに回り凪と自分を鎖で巻きつけた
そして、回転し地面に急降下した

「これで終わりだ!!風魔のメイドに抜けられたが
今度は抜けられまい!!」

「ありゃりゃ・・・これは短時間で抜けるのは大変だわ・・・」

「!!」

壱助は声の聞こえる方向に驚いた
凪の声は前ではなく後ろから聞こえたからだ
だが、自分は人を抱えている重みはある
抱えてるものを見た・・・
それは、木を抱えていたのだ
実物の凪は壱助の背を掴み急降下している
完全に立場が逆転していた

落とす側と落とされる側

「これが御神の力・・・幻覚・・・か・・・」

地面に勢い良く二人は落ちた・・・

-25-
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