小説『真剣で僕に命じなさい!〜S〜』
作者:時雨葵()

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〜第三話 「初めての決闘」〜



〜2ーF〜


「ね〜大和〜S組に来た転入生に会いたい〜」
一子は大和にたずねていた

「もし、本格的なガリ勉タイプだったらどうする気だ?」
大和は情報が集まってから会いに行こうと思っていた
自分の交友関係を増やすためである

「自分も気になるな・・・京!興味無いか?」
クリスは一人で行きたくないようで京を誘うが
京は興味無しで大和にくっついていた

「女子なら俺様・・・上着を脱いで筋肉をアピールするぜ!!」
「ガクト・・・引かれるよ・・・確実に」
岳人と卓也は気にはなるが相手がS組という事で行きたがらないのである

S組は何かとF組を下等に見る
主に一人の生徒であるが

「確か・・・男子って話だけど」
「マジで?それイケメン系?」
「美形だと聞いてますよ?」
小笠原千花と羽黒黒子・クラス委員長甘粕真与が会話をしている

その会話を聞いてしまった岳人はただただ落ち込むだけであった

あまりにもしつこい一子の誘いに大和は窓を見て
「転入がS組だ・・・もうそろそろ・・・」

大和が言い切る前にグランンドが騒がしくなり

「おい!転入生と不死川が決闘するらしいぞ!!」

大和はワン子達に顔を向け・・・
「な?」

皆納得した・・・・


グラウンドを皆より先に見ていた翔一は転入生の顔を見て
「おい!大和!!見てみろよ!!転入生を!!」
釣られて岳人・卓也・一子・クリスも見た

「おお〜美しい人だな〜まるで女子みたいだな〜」
クリスは感想を言っていると

「俺様・・・幻覚見てるのか?」
「違うでしょ・・・現実でしょ!!」
「うわー似てる人とかじゃないでしょうね?」
岳人・卓也・一子は疑っていたが嬉しそうな顔をしていた

その様子を見ていた大和と京もグラウンドを見て
「ウソ・・・大和・・・あれって」
「ああ・・・間違いない・・・アイツだ!!」

今日見た夢がこれの予知だったとは・・・
大和は嬉しくなり教室を走って出て行った
大和に続いて2−F風間ファミリーも走って出て行った

丁度教室に来た担任の小島梅子は大和たちを止めようとしたが遅かった
「おい!直江!何処へ行く!!お前達も!!」
「まったく・・・また風間達か仲がいいな・・・」
と、残されてるクリスを見て行かないのか?と聞いたが
クリスは状況がわかってないようだった


〜3ーF〜

「およ?グラウンドで誰かが決闘するみたいだよ〜モモちゃん」
「興味無いみたいで候」
百代は興味は無いが誰が決闘するのかは知りたかった
松永燕と矢場弓子に続いて外を見て

「ユミ!燕!ちょっとグラウンド行って来る!!」
そう言うと窓を開け飛び出していった

「無茶するな〜モモちゃんは・・・でもあの男の子?戦えるのかな?」
「うわ〜美人だな〜・・・ん、ゴホン・・・美形で候」


〜グラウンド〜

凪と心は対峙していた
周りはギャラリーで囲まれている

「うむ・・・三上よ・・・頼まれてた三つの内二つレプリカ届いたぞ!もう一つは時間がかかるそうじゃ」
鉄心は凪に鎖鎌とクナイを渡した

「ありがとうございます!こっちで大丈夫ですよ・・・何から何までありがとうございます」
凪は鉄心に深々と頭を下げた

「おぬしの強さがどの位育ったか観たいだけじゃて」
鉄心は審判を快く受けてくれたのだ

「にょほほほ〜武器は鎖鎌か?野蛮な武器を使うの〜」

「そっちは素手?」

「こなたは柔道の有段者じゃ!負けるわけが無いのじゃ!!」

凪は鎖鎌を構え、心は飄々としていた

「解説のあずみさん!この勝負どう見ますか?」
「誰が解説だタコ!!」
準はあずみに解説を頼んだ

「たく・・・三上は漢字は違うが御守(みかみ)と言って忍の一族なんだとよ。
有名なのは伊賀や甲賀・・・あたいの風魔もそうか・・・
だが、御守はどこの型とも違う戦法なのさ」
あずみは結局解説していた

「どうやら始まるみたいですよ」
冬馬含め他の者達も決闘に注目していた。

「はじめ!!!!!!」
鉄心が合図した瞬間に心は凪を掴みに行った

「これですぐなのじゃ!!」

「掴まらなければ!」

凪は掴みを冷静に見てバックステップで避けていくが
途中大きくジャンプして心に目掛けクナイを投げた

「にょほほほ〜手元が狂っておるぞ!当たらんのじゃ!」
クナイは見事に避けられ地面に刺さっていた・・・

(こやつ・・・忍にしてはノーコンじゃな!!さて、終わらせるかの!)

心が凪に詰め寄ろうとしたが・・・

「にょ!!??」
心の身体は前に行こうとしないのである
まるで体が固まったように・・・

その隙に凪は心の身体に鎖を巻き付けた

「不死川さん・・・大変ですね・・・身体に“蛇”が巻きついてますよ」

「何を言っておるのじゃ!巻き付いてるのは蛇ではなく鎖じゃ!!」
と心は身体を見た・・・
凪の言ったように身体には蛇が巻き身体を締め付けていた
心は恐怖のあまり声が出せなくなってしまった

何とか声を出せても悲鳴しか出ない
「嫌じゃ!何で蛇がおるのじゃ!!いやあああああ!!!」

周りは心が何を言ってるのか理解できなかった
心の身体に巻き付いてるのは蛇ではなく鎖なのだから
ただ・・・決闘を見ていた三人は分かっていた

「三上のやろぉ!エグイ事しやがる・・・瞳術使いやがった」
「ほほーう・・・随分と恐ろしい術習得してきたな〜凪」
「瞳術など使うとは・・・こやつ・・・気の扱い方がうまくなっとるの〜」
あずみ・百代・鉄心この三人は驚く事も無く感心していた

凪は鎖で宙に浮かせ、そのまま地面に叩き付けた
痛みはあるが大怪我にならない様には手加減はしている

心は気を失いかけていたのに地面に叩きつけられた事で止めを刺され気絶した
「気絶したので謝罪は後日で・・・」
凪は聞こえない心に呟いた

「そこまでじゃ!勝者 三上!!」
鉄心の声が響いたと同時に
周りからも・・・観ていた各教室からも
歓声が上がった

凪も律儀にペコペコと頭を下げていると

「凪!!」

凪は校舎の方を見たと同時に
声の主を見つけると飛びついて抱きついていた

「大和〜逢いたかったよ!!」
「おい!凪!飛びつくな!!」

風間ファミリーは再会を喜んでいた
京のみ
「はぁ・・・はぁ・・・・このカップリング悪くない!!」
悦んでいた・・・

「まだ成長してもクリスぐらいか・・・・」
「そうだネー・・・一子に丁度イイ相手だヨ」
百代とルー師範代は成長と再会を喜んでいたが
百代にとっては対戦相手には程遠いと思っていた・・・

「ほっほっほ、二人とも・・・まだまだじゃの〜」
鉄心一人だけこれからが楽しみな笑い方だった

-4-
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