小説『真剣で僕に命じなさい!〜S〜』
作者:時雨葵()

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〜第四話 「口約束」〜


〜秘密基地〜

「臨時集会〜良くぞ集まった皆!」
「え〜そろそろ梅雨などが〜」

「小学校の校長か!!」
「それ!前の旅行でも似たような事したでしょ!!」

翔一に岳人と卓也は透かさずツッコミを入れた

「クリスにまゆっちコイツが朝に話してた夢の人物だ」

「え〜っと・・・三上凪と申します。好きな言葉は「忠」です」
「後は〜武器は・・・主に忍術と武術かな〜脚と言っておこう」


「自分はクリスティアーネ・フリードリヒだ!クリスと呼んでくれ!」

「私は黛由紀江です。こちらが・・・」

「オッス!オラ松風!九十九神!まゆっちの友達だぞ!!」

三人と一つ?がお互いに自己紹介をしていた

凪は松風に指を指し周りの仲間を見た
皆頷くだけで答えなかった
すると凪は・・・

「松風は九十九神・・・まさか本当に宿るとは・・・・凄く大事にされたんだね〜松風は」
「ただ、喋る事ができないストラップだから持ち主のまゆっちを通して喋ってんだよね?」
「いや〜大事にすれば神が宿ると言うが・・・はじめて見たな〜」

「まゆっち・・・この人良い人やで〜オラ、この人好きや」

「おぉお〜凪が信じたわ」

「もともと家が神信仰のある家だからな〜凪の場合純粋って感じだが」

皆、凪は昔のままだと思った

「凪殿頼みがあるのだが!!」

「呼び捨てのほうがいいな〜僕は・・・で、何?」

凪に目を輝かせクリスは何やら頼むようだ

「忍術を見せてくれ!簡単に見せれるものではないと思うが頼む!!」
「出来れば・・・そうだな〜口寄せの術で蛙を呼んでくれ!!小さいのでも良い!!」

「漫画の見すぎでしょ!!」

卓也は漫画と現実の区別が出来てないクリスにツッコミを入れた

少し考えて凪はクリスに指示を出した

「じゃあ・・・クリスまずここに立って」

「こうか?」

そうするとクリスの後ろに回り凪は何かを床に刺した

「クリス・・・前に一歩出てみてくれない?」

「?わかったが・・・なんだと言うのだ?」

クリスは何かわからぬまま
とりあえず一歩出そうとしたが

「あれ?あれ!?動かないぞ!身体が!何でだ!?」

「影縫いの術だよ!影にクナイを刺したんだ」

悪戦苦闘しているクリスに皆は冗談だと思っていたが
凪がクナイを抜くとクリスは動けるようになり本当だったと信じた

「私は1秒で破れるな!!」

「流石だわ!お姉様!」

誰もが百代は簡単に破ると思っていた

「でもよ〜凪!風の俺は無理だぜ!」
翔一は凪に挑発すると凪は翔一の影にクナイを刺した

「おい!ウソだろ!動かねーぞ!!凪やめろよーー!ずるいぞ!!」

「凪とは風が止む事だよ・・・挑発するから」

翔一は凪の影縫いを食らい身動きがとれなくなった

「三上か・・・凪のお父さんの名はミカミ マモルではないか?」

「うん・・・聞いたことある?」

「ああ・・・幼少に会った事があってな」

「私も話は聞いたことあります。父は宿敵(とも)と呼んでました」

「私も会った事あるな〜川神院に来たことがあった」

どうやらクリスと由紀江そして、百代は会った事があるらしい

「へ〜どんな人だったの?僕は会った事無いんだよね」
卓也含め風間ファミリーは百代以外会ったことが無かった

「何と言うか・・・軽い人だったぞ!自分によく和菓子を作ってくれた」

「そんな人だったな〜私も賭けして勝たせてもらったな・・・まーいつもお菓子だったが」

「だろうね・・・父上は楽天家な人で子供が大好きだからね。今はどこで何をしているやら・・・」

凪は修行で道中一緒にいたが
途中から自分自身で鍛える為別れて旅をしたのだ

「二人ともお父さんは元気にしておられるのか?」

「はい!元気ですよ」

「父様は元気だぞ!会った事があるのか?」

「うん・・・フランクさんは父上と子供自慢していたよ」
「黛十一段の家では娘さんと遊んだが・・・それはまゆっちだったのか・・・・」

「いえ・・・それは妹です」

「ごめん・・・・」
凪は謝るしかできなかった
「いや・・・あの・・・凪さんは皆さんとどのように知り合ったのですか?」

「それがな〜」
大和は懐かしむように二人に出会った時の事を話し始めた・・・・・

「ちょっと待てーーー!!回想編に行く前にまず俺を開放しろーーー!!」


ある空き地で風間ファミリー
翔一・大和・百代・一子・京・岳人・卓也

7人で遊んでいた
夕暮れ時、皆が帰宅しようとすると

「わー!」
一子は岳人の後ろに隠れた

「どうした?チビ」

「あれ〜」

一子が指差すほうには藍色の髪で着物を着た子が鞠を突いていた

「おい!夕暮れにお化けは出ないよな」

「お化けなんてプラズマの一種さ実際いる筈も無い」

百代は大和を盾にした
この頃の大和はニヒルだった

「足はあるよ・・・」

京も少し怖いのか大和のシャツに掴まった

すると風間ファミリーに気づいたようで
着物の子は鞠を持ち走ってどっかに行ってしまった

「岳人が怖かったんだな」

「俺様のせいかよ!」

翔一は岳人をからかった


次の日もまた着物の子は鞠を突いていた

「あの子・・・またいるよ?」

卓也は気になっていた

「学校では見たこと無いよね?」

「ああ、私の学年にもいないぞ!」

皆同じ学校に通っているが百代は一学年上なのだ
二つの学年でいないとなると年下の可能性がある
でもいくら大きい学校でも見たことはある筈で
藍色の髪で着物を着ている子は目立つし
学校で着物を着てないとしても顔は可愛いので話題になるはずだ
だが皆、そんな話も聞いたことは無かった

「あの子・・・昨日も一人だったけど友達いないのかしら」

「よし!ワン子と俺でアイツに話しかけてくる!!」

颯爽とワン子と翔一は着物の子に走っていった

「お〜〜〜い!!」

着物の子はビクッとし逃げようとした

「逃げるなーーー!!」

呼び止められ
またビクッとすると・・・コケた

「流石に急に呼ばれ走って来られたら逃げるよな」

「うん・・・」

残りのメンバーも着物の子の元に集まった

「大丈夫か?怪我してないか?」

着物についた土埃を払いながら百代は聞いた
流石はメンバーの中ではお姉ちゃんであった・・・

「おい!俺を見た途端なんで逃げた?」

翔一は聞いてみたが着物の子は泣きそうな顔で
「・・・恐かったから・・・」
と、ボソッと呟いた

知らない子が自分に全速力で向かってくるのだから恐いはずである

「お前!名前は?」

着物の子はビクッとし声の主岳人の方を向いて怯えた
だが怯えながらも小さな声で名を告げた

「・・・・ナギ・・・・・・・三上・・・・凪・・・・」

「ナギって言うんだ・・・いつも一人で遊んでるの?」
一子は凪に思い切って聞いてみた

「一昨日までは・・・一緒に遊んでた子はいたけど・・・どこかに引き取られた」

「そっか〜じゃあ俺達と遊ぼうぜ!!」

寂しそうな顔をした凪を見て翔一は自然にこの言葉が出た
凪は急な申し出に戸惑ったが嬉しかった・・・

「でも・・・僕もいつか急に違う所に行っちゃうし・・・」

凪の家は昔から一箇所には留まらず転々とする
それは忍の一族だからである
自分の主君を決めればいいのだが凪の父は主君を作る気はなく
転転とするのが好きな人間であった
今借りてる家の前は大きな財閥ビルの部屋に暮らしていたが

「やっぱり・・・世界に出てみるか・・・」

と、急に財閥のトップの所に辞表を出しに行った
トップもトップで

「フハハハ!!お前の事だからここに留まるとは思ってねーよ!」

豪快にも笑いながら退職金をその場で渡していた
直ぐに仲良くなったトップの子兄妹に別れを告げ
辞表を出したその日にビルを出ていた・・・所要時間8時間での出来事である

そんな生活をしてきたので友達を作ればまた辛い別れがある
なら、作らないほうが良いと思っていたのだ
だが、翔一から出た言葉は

「そんなの関係ねー!!」

まさかの答えに呆気にとられた

翔一は言葉を続けた

「確かに別れは辛い!だけど生きてたらまた出会えるんだ」
「お前も大人になったらここに帰って来ればいいんだ」

「そうよ!私達は川神院にいるから会えるわ」

一子も翔一と同じ考えだった

「凪を仲間に入れてもいいよな?」

皆賛成であった

その日から凪は仲間達と遊ぶようになった
蹴鞠や虫取りいっぱい遊んだ

「お前いつも着物だな」

「着馴れてるから」

皆着物だと動きづらいと思っていたが凪はこれで結構動けていた

凪加入から約一ヶ月後の事である

「マジかよ・・・お前はずっと風間ファミリーの一員だからな」

「寂しくなるね」

「ガクト・・・泣いてるの?」

「ちげーよモロ・・・汗だ!・・・汗!」

「しょうがないだろ・・・・まだ一人で生きていくには無理だ」

「うわーーーーん!!ナギーーー!!」

「こらこら妹よ泣きながら抱きついたら鼻水が・・・・でも、寂しいな・・・」

凪は明日にはもう川神を発つことが決まっていた

「ワン子・・・ごめんね・・・そんなに泣かないで・・・これあげるから」
凪は泣いて抱きついてるワン子にいつも遊んでた鞠をあげた

そして、最後の別れをして解散したが・・・大和は凪を呼び止めた
「おまえに川神に帰ってくる理由を与えてやる」

「うん・・・」

「おまえは今日から俺の忍者な!」

ただの口約束・・・だけど・・・
凪にとって初めての君主

「うん!僕はずっと大和の忍者だよ!」

大和と凪は主君と家臣の関係になったのである
そして凪は約束を胸に川神を発ったのだった



そして、時が経ち凪は約束を守りに来たのである


「大和・・・そんな約束をしてたなんて・・・ハァハァ・・・下克上で凪が攻めで・・・」
京は大和のそばでなぜか息を荒げていた

「京〜帰って来い〜」
大和は少し危機感を感じていた

「そーだ・・・ワン子!おいで!」
凪は膝をトントン叩いたすると

「わーい!久々だわ〜」
一子は凪に抱きついてマッタリしはじめた

「昔からなのよね〜凪に抱きつくと落ち着くの〜」
一子はゴロゴロと喉を鳴らしていた

「同い年なのに親子みたい・・・」

「凪は見た目からしてお母さんだな・・・」

岳人と卓也は率直な感想を述べた

「もう〜甘えん坊なんだからワン子は〜ねぇ大和お父さん!」

「ははは!凪お母さんに似たんだよ」

大和と凪による芝居が始まった
京は大和にくっつき

「私は愛人でも良い!!」

「お友達で!」
そんなやり取りが行われた

百代にようやく解放された翔一は

「凪!どこに住んでんだ?」
凪の所在を聞いたのだが
聞かれた凪はニコリとして

「島津寮にお世話になる事になりました」
「で・・・部屋が片付いてないので休日手伝ってください・・・・」

風間ファミリー全員快く引き受けた

「ちょっと待て・・・・部屋はどこだ?」

「空いてるのって二階だよ」

「そうですね・・・奥の部屋ですよね」
島津寮の2階は女子の部屋だけなのだ

だが島津寮女子三人の凪の評価は
大丈夫だろう
と言う評価であった


「凪・・・何でそんなに評価が上なんだよ」

「女子みたいだからじゃないかな」

岳人は落ち込み、卓也はなぐさめるのであった

-5-
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