小説『リリカル世界にお気楽転生者が転生《完結》』
作者:こいし()

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 さて、蒐集生活を送っている所しか描写が無かったから忘れているかもしれないが、俺の職業は私立聖祥大小学校の教師だ。つまり、朝から夕方にかけては学校で教鞭を振るわないといけない。まぁその間の蒐集はヴォルケンリッターから2名ほど出して貰ってアリシアと行ってもらっている。
 いつかはアリシアもこの学校に通わせようかな? ああ、でもプレシアとフェイトが厄介だなぁ

 とまぁそんな風に考え事をしながら俺は学校の校門を潜った。ちなみに今は登校中。

 しばらく歩けば最近見慣れてきた教員室の扉が見えてくる。その扉を潜れば、俺の席がそこにあり、ゆらゆらとした動きで座った。
 さて、今日は何をしようかね。とりあえず体育があるし、二時間耐久マラソンでもするかな? でも文句言われるだろうなぁ、鬼ごっこでもするか。

「珱嗄先生」

「んぁ? ああ、校長。どーしました?」

「本日から貴方のクラスに転入生が入るので、その生徒をお願いして良いですか?」

 転入生……ね。また面白い属性もった子が入って来たもんだね。まぁ面白そうだからいいか。

「いいっすよ」

「じゃあ、お願いしますね。ほら、テスタロッサさん、こっちへ。この人が、今日からあなたの担任の先生ですよ」

「は、はい……よろしく、お願いしまぅぎゅっ!?」

 噛んだ、思いっ切り噛んだ。顔を俯かせて恥ずかしそうに肩を震わせている様は、どこか小動物の様な雰囲気を感じさせる。それに、俯いたせいで見えた見慣れた金髪の頭頂部は、一瞬アリシアかと思ったくらい似ていた。
 ていうか、この子………フェイトじゃね?




 ◇ ◇ ◇





「あ、あの」

「ふぁ?」

 職員会議も終わり、応接室で待っていたフェイトを連れて自分達の教室に向かっている途中。背後から付いてくるフェイトが話し掛けてきた。随分と余所余所しいというか、ジュエルシードの時に会った頃とは随分と雰囲気が違った。あの時はかなり攻撃的だったんだけどなぁ。

「珱嗄……先生」

「あー、珱嗄でいいよ。まぁ、学校に居る間はそう呼んで貰っても良いけど」

「……うん」

「それで、聞きたい事はなんだ?」

 フェイトは少し間を開けてから言った。

「アリシア……はどうしたんですか?」

 アリシア……確かにそう言った。やっぱりというか、なのはちゃん達は俺がアリシアの遺体を掻っ攫った事を言ってしまった様だ。まぁ、口止めした訳じゃないからいいか。あ、そうだ……転生者って事はバレない方が良いな。今は転生者勢にかなり疑われてるからなぁ……火喰に関しては自白まがいな事もしちゃったし、誤認識魔法でも掛けるか。

「アリシア、ってのはお前さんの妹の事か。ああ、俺の家にいるよ」

「! 本当ですか?」

「ああ、まぁ家族が増えたと思ってウチに置いてる。まぁ、なんだ今度会いに来ると良いよ。今当たってる事件が終わって落ち着いたらね」

「はいっ……え? なんで事件の事を……」

「それくらい分かるよ。最近、高町達とその他三名が休む日を増やしたし、このまえ結界が出来たし、そこにお前が来た。これは何かしら事件がこの世界で起きたと見てもおかしくないんじゃないか?」

 まぁ、今即興で考えて根拠を探した訳だが、そこそこ良い線行ってると思う。まぁ子供を言いくるめるには十分な良い訳だと思う。

「う……そうですね」

「ああ、それと……お前、お母さんとはどうなんだ?」

「あ、はい。母さんは最近少しづつ歩み寄ってくれてます。隼人が母さんをお説教したみたいです」

 ふーん。火喰君がねぇ……随分とアピールしているみたいじゃないか。良い傾向だね。このまま行けばフェイトに好かれる位イケるんじゃね?

「でも……隼人はなんというか……気持ち悪い視線を送ってくるから……ちょっと苦手」

 ああ、駄目だこりゃ。火喰君もジャンル:神崎の仲間入りか、まぁ成人した精神年齢ならそれくらい当り前かな。俺は随分と年寄りだけど。ハンターハンターの世界はオーラの量が多ければ随分と長生き出来たからねぇ……そんな俺の現在の年齢は4021歳。爺じゃねぇか。此処まで来ると年齢差とか関係ない感じがしてくるから不思議。

「そうかい。まぁ良い奴じゃないんだ、気にするな。ほら、此処がお前の教室だよ。呼んだら入って来てくれ」

「分かった」




 ◇ ◇ ◇




「ほらほら、座れー」

 フェイトを廊下に置いて中に入ると、そわそわしている転生者勢と高町なのはの姿がそこにはあった。せかせかと全員が席に付いた。

「さて……良い話と悪い話……どっちから聞きたい?」

「悪い話からで」

「なんでお前は俺の問いに迅速に答えるんだ、トウガレーシー。まぁいいや、悪い話ってのは今日俺此処に来る途中に自販機に100円飲まれたんだよねぇ」

「どうでもいい、さっさと良い話を言え」

「よーし、神崎。その綺麗な髪の毛全部引き抜いてやる、こっちに来い」

 すると、神崎は頭を押さえて黙ってしまった。まぁ俺もどうでもいい話だったからいいか。さくっとフェイトを中に入れてやるとしよう。

「今日は美少女転校生が来まーす」

「「「「おっしゃあああああああ!!!!」」」」

 小学生とはいえ、男子の結束力は固いな。やはり、何処の世界も美少女には敏感な様だ。

「じゃ、フェイトさーん。入っといでー」

「し、失礼します」

 緊張しつつ、扉を開けて入って来たのはフェイト・テスタロッサ。その金髪のツインテールをさらりと揺らして教壇の横に立ち、軽い挨拶をする。自己紹介も終わった所で、空いている席に座らせた。

「じゃ、授業始めるよー。1,2時間目は体育だ、全員着替えて表に出ろ」

「先生、喧嘩始める様な言い方は恐いのでやめてください」


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