小説『大切なもの(未定)』
作者:tetsuya()

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二つ目の作品を書き上げる目標を立てた。前回はすこぶる適当になってしまったので、今度はちょっとくらい骨のある作品にしたい。

 とはいいつつも、今回も気まぐれで変わってしまうんだろうなと諦めている自分もいる。やる前からネガティブはダメだとわかっているのにマイナスに考えてしまう。楽観主義をモットーとしていた彼女も、厚い壁に阻まれるとマイナス思考にどっかりと浸かってしまうようだ。手の届きそうな世界なら、どうにかなると思えても、遠い世界になるとまったく違う。

 前回もそうだった。書いてる途中で内容が変わってしまい、話のつながりを欠いてしまった。序章と結論がこれっぽっちも一致しない。

 一つの作品をきっちりと作りあげるのは素人では困難を極める。作文が苦手な佳代には、先のページとの関連性を持たせるのすらできない。

 自分に文章力がないのはわかっている。いくら書いてもいい作品を仕上げられないことも。だったら書くなと非難されるかもしれないが、やるのは個々人の自由だ。奪う権利は誰にもない。
  
 前回はやらなかったことを一つやろうと思う。小説の書き写しだ。プロの優秀作品を真似て書くと、文章力は飛躍的に向上する。

 思い立ったが吉日で早速やってみる。悩んでばかりいても先に進めない。玉砕覚悟でつっこんでみなければ何も得られない。

 書き写しは始まって数分でかなり鬱陶しくなってきた。書き映すのは、読む何倍もかかるということを考慮していなかった。

 十分後に強い眠気に襲われ、それから五分もしないうちにリタイアしてしまった。わたしにこんな地道な作業は向いていないのかもしれない。

 十五分でわずか二ページしか進まんでいない。三百ページに換算すると約四十時間になる。一冊の本を書き写すのに仕事四〜五日間の労力を要する。書き写し一冊は口でいうは容易し、実行は極めてむずかしい。そこまでの時間をかけて書き写しをおこなえる人はよっぽと小説を書く作業が好きなんだろうな。今のわたしにはその執念はちっともないが。

 これを身につけられるようになれば、本当にあきらめない心を勉強できる。一日一ページでいいから書き写しもやっていこう。積み重ねれば困難なこともきっと乗り越えられる。やってみよう。



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