小説『大切なもの(未定)』
作者:tetsuya()

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 書きたい作品の分野を考えることにした。恋愛、学園もの、ファンタジーなど数多くあるタイトルの中で、何にしたらおもしろいのだかイメージを膨らませた。書いてみたい分野があまりにも多すぎる。

 小一時間ほど、悩んだあと恋愛小説を書くことにした。彼女自身に恋愛経験はないが、想像力で補って物語を描いてみよう。わからなくともひとまずはチャレンジだ。

 恋愛を書くと決めたので、次はタイトルだ。練習作なのでありきたりなものでいい。『私と彼』というタイトルで書き進めることに決定した。

 彼女は恋愛を描く前に、彼と彼女の性格を決めることにした。それなりに決めておかないと話に矛盾が生じてしまう。

 性格はすぐに決定した。彼は温かく見守ることが好きなおせっかいタイプ、彼女の方は失敗ばかりするドジタイプだ。ドジタイプをおせっかいタイプが支えるという現実にもよくあるパターンにしよう。

 タイプを決めたら次は出会う場所やその出会い方だ。場所はいろいろ候補地が挙がるが、出会い方は周りをよくみれずに失敗を繰り返すドジタイプがおせっかいタイプにぶつかってしまった衝撃で、かばんの中に入れていたものを地面に落とす。それをおせっかいタイプに一緒に拾ってもらったことに感動で優しさをべた惚れし、恋愛に発展するという展開にしよう。最初だからそれほど深くこだわる必要はない。場所も公園の前でいい。話を書いてみることが重要だ。

 当然、プロの作品と雲泥の差があっても気にしてはいけない。練習することで少しずつ上達する。石の上にも三年ならぬ、石の上にも十年だ。売れる小説を書こうと思えばそれくらいは覚悟しなければならない。

 仕事を続けながら、小説にもいそしむのはかなり厳しい。だけど仕事をやめるつもりもまったくない。安定した収入は精神の安定につながる。小説でごはんを食べるつもりであったとしても、それまでは会社から給料をいただかなければ生活できない。虎の皮算用より現実を直視することを求められる。小説を書くために、大事な仕事を失うのは本末転倒だ。小説が売れるようになるまでは仕事の優先順位を上に持ってこなければならない。

 お金がたまれば自費出版も考えてみたい。とある有名な作者は自費出版した本が爆発的にヒットして有名になった。数百万の出費は痛いけど、可能性があるのなら投資してみてもいい。

 これは私個人の意見だが、小説は賞をとったものがいい作品とは限らない。賞をとるための本というのは、どこかぎこちなく、作者の持ち味が殺されてしまっている。爆発的に売れる作品の一部には、個性が生かされているがゆえにブームになり大ヒットにつながった作品も数多くある。賞をとるために本を書くようでは一生、型にはまったままで売れないだろう。作品には作者それぞれの個性を充分に取り込んでいかなければ、他人と同じのありきたりなものにしかならない。それでは読者はお金を出してまで買ってくれない。

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