次の日。
龍児は9時過ぎに目覚めた。
今日も水曜なのでもちろん学校。
俺も学校辞めようかな。
高校なんか行かないでバイトしてたほうがバンドのためになるし。
今週の土日もオールナイトでスタジオだし。
金も馬鹿にならない。
母親がいなかったらすぐに辞めているだろう。
辞めてしまったら母親を裏切ってしまう気がする。
いや、裏切ってしまう。
女一つでここまで俺を育ててくれ、高校に入れてくれた。
でも行く意味が、感じられない。
あの母親のことだ、あっさり了解してくれるだろう。
龍児がやりたいようにって言ってくれるだろう。
だけど、もちろん不安だろう。
母親に心配はかけたくなかった。
あまり覚えていない父親にも。
「今日は行くか・・・」
今週はまだ一回も行ってなかった。
登校途中の本屋で、無料の求人情報誌を手に入れた。
一応持っておいて損はない。