小説『ちっぽけなバンドの物語』
作者:Dissonance★()

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次の日。
龍児は9時過ぎに目覚めた。
今日も水曜なのでもちろん学校。

俺も学校辞めようかな。
高校なんか行かないでバイトしてたほうがバンドのためになるし。
今週の土日もオールナイトでスタジオだし。
金も馬鹿にならない。

母親がいなかったらすぐに辞めているだろう。
辞めてしまったら母親を裏切ってしまう気がする。
いや、裏切ってしまう。
女一つでここまで俺を育ててくれ、高校に入れてくれた。

でも行く意味が、感じられない。

あの母親のことだ、あっさり了解してくれるだろう。
龍児がやりたいようにって言ってくれるだろう。
だけど、もちろん不安だろう。
母親に心配はかけたくなかった。
あまり覚えていない父親にも。

「今日は行くか・・・」
今週はまだ一回も行ってなかった。

登校途中の本屋で、無料の求人情報誌を手に入れた。
一応持っておいて損はない。

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