小説『ちっぽけなバンドの物語』
作者:Dissonance★()

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「じゃあ高校生バンドのJunkersさんとLyricPandaさん、順番はどうしますか?」
「1番目か2番目ですよね?」
雄大は確認を取る。
「そうですね」
「できれば2番目がいいですね」
「じゃあ1番行きますよ」
LyricPandaの1人が言った。
「ありがとうございます」
「お願いします」
龍児と海斗は頭を下げた。
「じゃ逆リハ始めるんでNootsさんお願いします」

Nootsの人たちがステージに上がっている。
張り詰める空気。
Minelでのライブとは比べ物にならなかった。
「スネアくださーい」
PAの人が機械をあたりながら言った。
Minelと違ってドラムにマイクがついている。
ドラムの人はこなれた手つきで音を出した。

「じゃ音合わせお願いしまーす」
それぞれの楽器が出していた音が消える。
ドラムがカウントを取り演奏を始めた。
オリジナルのような感じがする曲。
普通にうまかった。
ドラムは確実なフィルとスネアワークが綺麗で、器用にこなすようなドラマー。
弦楽器の人達も忙しそうに動いている手とは裏腹に、顔は平然としていた。
サビが終わったところで音を止め、片づけを始めた。
かっこよかった。
かなりの経験値と練習を積んだバンド、という感じだった。

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