小説『とある世界の主人公達(ヒーローズ)』
作者:くろにゃー()

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 市元非波の能力で作った「苦瓜と蝸牛の地獄ラザニア」が所狭しと並んでいる市元の部屋に、笑顔を維持したまま座っている、白い修道服の少女・インデックスはこれでもかと言わんばかりの喰いっぷりで、右にあるラザニアをがぶがぶと修道服を着た少女とは思えない、下品な音を立てながら、空になった皿を左に回している。

 確かに、食欲と言うのは、第三意欲の中にも指定される程(諸説あっても、これだけは入っている。)、人間などの生物には我慢の効く物ではないが、それにしたって、見渡せば縦横無尽に広る、「苦瓜と蝸牛の地獄ラザニア」を、どうしてそこまで、急ぐ必要性があるのか? 疑問である。

 「ちょ……タンマ! 少し休憩! これ以上作れん!! 苦瓜と蝸牛の地獄ラザニアだけはもう勘弁して!!」

 「私は健全な、モグモグ、シスターさんだから、ゴクン。決して辛いことを強要することはないのよ。」
 
 最後の一口をごくりと呑み込んで残りかすだけになった皿を、名残惜しげもなく左に回すインデックスが、やっと欲情溢れた行為を止め、食材や調味料が付いた顔を市元と既に満腹で動けなくなっている上条にそう言った。彼女が仮にも、神に仕えるシスターだったなんて言っても、第三者は誰も信じようとはしないであろう

「おお、ここまで、俺はホントにコイツがシスターなのか、疑問に思っていたが、やはり君は紛れもない、シスターだったようだ。慈悲の心をありがとう。」

「じゃあ今度はハンバーグ作ってほしいな?」

「あれ? あれれ? 肉料理注文するシスターが見える。きっと気のせいだ。うんうんうん。疲れてるな、俺。」

「早く作らないと、あらなみを代わりに食べちゃうかも!」

「はは、学園都市でレベル4のこの俺を食べるだと……? 大言壮語も甚だしい! お前はまだ分からんようだな! お前は俺が捕食者で、お前が被食者だと言う事がまだ分かっていないようだな! 勿論食うってのは、性的な意味合いでな!! ははは、シスターで、まだ成長期も抜けてないからって遠慮すると思うなよ! てゆうか、寧ろ大好物で、ギャャァァァ、か、噛むな〜〜〜」

「今の発言には、流石の私も怒るかも、粛正しなくちゃ。」

「暴力で粛清するシスターなんて聞いたことねぇよ! シスターってのは優しい言葉で、間違った人を導くものだよ!」

「安心して。世界中が君の敵でも、私は優しく接し上げるよ。」

「鋭利な牙で、噛みながら言ってる時点で支離滅裂だ!!」

 まぁ結局この問題は、非波が牙によって出血したのを理由に、一時的な停滞を見せるのであった。流石のインデックスも、怪我を負わせてしまったのだから、それなりには、引け目を感じているようだ。
   
 「そういや、アイツ誰だ? 名前を名乗った後殺し名とか、キモい中二台詞吐く余裕を見せてたから苛ついて、そっこーで間を詰めたら、馬鹿みたいに鈍感でさ、ははは、ホント誰だろうな。」

 けらけらと笑う市元が、上条に問いかけた。しかし当の上条は人の家にも関わらず、気だるそうに床に身を預けていた。インデックスのように初対面であるのに関わらず、全く遠慮のの無い対応よりかは、マシに見えるが……

「ん〜。魔術師??」

「はぁぁ??」

市元は間抜けな表情になったが、この科学に埋もれたと言っても過言ではない学園都市の住民からして見れば、模範的な対応だろう。

「何言ってんだよ。暑さで頭おかしくなったか?」

「いくら上条さんでも、七月の中旬の暑さには負けませんよ。」

「コイツもそんな事言ってたな。」

 そう言って市元は残った料理を残さず食しているインデックスに横目で見る。 確かに理解に苦しむところはいくつかあるが、どれも科学で証明できそうなことばかりだ。……彼女の軽合金のような胃袋を含めて。

「はぁ〜。なんか、付き合ってらんねーわ。」

「この問題は俺らが解決するから、お前は手伝わなくて良いよ。飯、ありがとな。ほら。インデックス帰るぞ。」

「待って、とうま。もうちょっとで食べ終わる。」

 そう言って上条は部屋に戻って行った。市元は、まだ心残りが積もるほどあったが、聞く暇などなかった。

 ★おまけ★


ス「僕って、設定こそ凄い飾ってるけど、対して活躍してない気が……」

神「それは……そうですが……」

ス「他の二次創作でも、チートな転生者とかにボコボコにされるし、もう散々だよ」

神「ステイルは初回から悪目立ちしたのも要因の一つですね。特に、アニメ二話。咄嗟とはいえ、あの子を蹴るような真似をしたからじゃないですか?」

ス「あ、あれは言わないお約束だろ? それに、あれはツンデレの一種だ。」

神(そう言うのが、DVに繋がる気が)

ス「君の様に、ホントは事情があるんですよ〜。アピールをもっと感情的に表す方が良かったか。」 

 この会話は全てフィクションです。キャラがメタに走っているので分かると思いますが……

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