4, 未来の設計図
「そ、そんなことあるわけない! タイムトラベルなんて………」
「今のしょぼい科学じゃないの。
時間を飛び越えることくらい、どうってことない」
「う、嘘よ…………」
「証拠もあるのよ。ほら」
女性がパチンっと指をならすと、香夏の目の前に一枚の紙が浮かび上がった。
「こ、これって…………」
「そう、アンタ……あたしの書いた?ZOAR?の設計図。
もう何年とたってしまったから、紙は擦り切れ字は読めない様でしょ? 」
「どうしてコレが……」
?ZOAR?の設計図は、確かに今机の上に―――――
そう思い、慌てて筆箱の下の設計図を取り出した。
まだ真新しい、濃い字で書かれた?ZOAR?の設計図。
ちゃんと香夏の手の上にある。
しかし目の前にも、全く同じ色あせた設計図。
その右上には、確かに自分の字で?ZOAR?と書かれてあった。
「この設計図は………」
香夏は目の前に浮かぶ、その設計図を指差した。
煙が教室内に立ち込める。
「これは実物じゃない。三次元映像のホログラムを、時空を超えて発信してるんだ。
この設計図に書かれてるのは、確かに自分の字だろ」
「う、うぅ…………」
もうこれには唸るしかない。
香夏は頭を抱えこんだ。
「わ、分かったよ、信じるけど……………」
「けど、何? 」
「み、未来の…………あたしが、今のあたしに………一体何の用? 」
「あぁ、そのこと」
「何のことよ? 」
「あたしの研究を手伝って欲しい。
だから、自分を助けると思って未来に来い」