小説『俺はめだかの世界にいるそうです』
作者:如月暦()

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                   第二話:そこは




「いつからここにいたんだっけ?」
彼は頭をかきながらそういった。
「物心ついたときにはもうここにいたと思う」
僕はそう答えた。―――否。そう答えることしかできなかった。
「そうやっていつまで現実逃避を続けるつもりだい?」
かれは呆れた顔でそういった。
元はといえばお前のせいだろうに。
「うるさい。しょうがないだろ?暇だったんだから」
「君のぶっ壊れた心をカヴァーしたあの人に出会わせてあげたのは僕なんだぜ?もうチョイ感謝しろよ」
「誰がお前なんかに感謝するかってーの。は!」
そういって唾を吐く。
彼には届かなかったものの、十分怒りを買ったみたいだ。
「いい加減にしろよ。現実を受け止めろ。君はもう正義になるしかないんだよ」
「俺はもともと根っからの正義マンだ」
「嘘をつくな嘘を」
そういわれた瞬間体が宙に浮いたような感覚に襲われた。
「くっ…」
「さあ。お別れの時間だ」
また1か月後にここで会おう。
視覚、味覚、嗅覚、触覚の4感覚が失われたとき彼のそんな声が聞こえた。
「だ…れ…が…会うか…!」
「会うことになるんだよ。結局はね」






「三ヶ木君!」
「うおっ!な、なんだ!?善吉!」
「あは!やっときずいた」
世界のみなさんおはようございます。三ヶ木 兎一計というものです。
よろしく。
目の前に(何故か)いるこいつは俺の幼馴染。人吉(ひとよし)善吉(ぜんきち) 6歳
俺が通っている保育園の同級生である。
とりあえずはいろんな大前提としてみんなに聞いておいてほしいことがある。
俺は転生sy(ry
え!?なんで!?なんで略られた!?まあそこは触れないでおこう。
メタ発言は好きではない。
「どうしたの?三ヶ木君」
「ん?いや。なんでもない」
「?。そう」
話を聞かれてたみたいだな。気を付けよう。
「ところで善吉よ」
「なに〜?」
「なぜお前がここにいる」
此処には俺の親はいないため、誰も招き入れるべき人物はいないはずだ。
それに俺特製の「超・ピース☆ロック」を取り付けたはずなため、簡単には入れない。
はず。
なのになんで普通(ノーマル)な善吉がこんなこと―――っ!まさか!
「そう!そのまさかだ!」
「く!めだか!おまえ地の文む読むな!」
「そうこれぞ私のスキル!DOKUSINJYUTUだ!」
「カッコよく言っても無駄だから!」
くそ!またか…!また俺はこいつの侵入許してしまったのか…!
この偉そうな口調の幼女…けふんけふん。女の子は黒神(くろかみ)めだか 6歳。
もうこの面子で分かった人もいるだろう。

俺はめだかボックスの世界に転生させられたのだ。

まあとりあえず。とりあえず…だ。
「で、だ。なんのよう?めだか。善吉」
「いや。今からめだかちゃんのうちに行こうと思って」
「いや…すまないが、今日は…」
「なにもないのであろう」
「くっなぜ知っている」
まさかそれもスキルか!?
「ふふふ。あきらめて私の家にいくぞ!」
「いやだあああああ!お、俺は今日はだらけたいんだあああああ!」
こうして俺の今日の予定。だらけようZE☆は台無しになってしまった。

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