小説『俺はめだかの世界にいるそうです』
作者:如月暦()

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                   第三話:フェルマーの定理








〜めだか宅〜
結局あの後、めだかに気絶させられてしまったらしく、気が付いたらベットで寝ていた。
「おお!起きたか」
「…ここは?」
「うむ!ここは私の家、黒神邸だっ!むふふ・・・。将来みーくんの住む家でもあるぞ?」
「はっ!冗談言うな」
「む。冗談ではないぞ?ならば『きす』をしようか」
「だれがするか。アホ。俺の唇は生涯を共にしてくれる人にしかしねえ。つうかてめえいつも園児相手にいつもキスしてんだろ」
「むう(それとこれとは話が違うのだが…)」
そういってむくれるめだか。
やあこんにちわ。
上条さんだy―けふんけふん。三ヶ木菟一計だよ。
分かってる人はいると思うがあえて言おう。
ここは黒神めだかの住む、黒神邸だ…!!
「ところで善吉は?」
ここでさっきから気になっていたことを言う。
「ん?あやつならトイレに…」
「…俺もトイレに行ってくる」
〜廊下〜
「…ここどこ?」
いやいやトイレに行くだけでこんな迷うとか。
ギャグですか?
「…図書室?」
そういやだいぶ本読んでねえなあ…。
入ってみるか。
ギィィィィィィィ
バタン
「おお!すげええ!この蔵書の数…パねえ!うわ…これとか30年前に絶版したやつじゃん!」
「うるせえ」
「!!…どなた?」
そこには、手足を鎖でつないだ少女。つまりはMっ気幼女がいた。
「…それを言いてえのは私だよ!(がりがりがりがりがりがりがり)」
「ああ!この豪邸の方ですか!…してお名前は?」
「何であなたに名前を教えなくちゃ―――(がりがりがりがりがりがりがりがり)」
「お名前」
「だから何で―――(がりがりがりがりがりがりがりがり)」
「お・な・ま・え」
「…黒神くじらだ。よーく憶えとけ」
「俺は三ヶ木菟一計」
「(がりがりがりがりがりがりがり)」
「…あのさあ…何してんですか?」
「あのよぉ丁寧語やめてくれねえか?」
「オーケーオーケー。で、なにやってんだよ?」
「あ?見て分かんないの?(がりがりがりがりがりがりがり)」
「……勉強?」
「…まあそのとうりっちゃあそのとうりだが…違う。(かたん)私は不幸になりたいんだ」
鉛筆を置きながらバカみたいなことを言う。
「知ってるか?歴史上の人物達はな、不遇の人生を送り、偉大な発見はたいてい劣等感から生まれている。だから、私も決して幸福であってはであってはならない。『素晴らしいものは地獄からしか生まれない』んだよ!恵まれた生まれ!恵まれた容姿!恵まれた才能!恵まれた環境!どれもクソ喰ら―――」
「あ?ざけんじゃねえぞ?」
「!!」
その時にはもうがまんできなかった。
こいつは…こいつは…優衣の事をバカにしたようなもんなんだ…!

Sideくじら
「あ?ざけんじゃねえぞ?………この世にはなぁ幸せになれない人がたくさん…たくさん、たくさん、たくさん、たくさん、たくさんたくさんたくさんたくさんたくさん―――いるんだよっ!」
そう言いながら顔をちかずけくる、三ヶ木。
その気迫に私はけおされる。
「お前はお前らしさを持っているんだし、何より、家族に愛されて生きてきた幸せを知っている。それを、お前は…!」
そういって彼は唇をかみしめる。
その唇には血がにじんでいた。
「それでもやりたいというならば勝手にしろ。」
そういって彼は私の書いていた解くのに3週間かかっている問題に何か書き込む。
「じゃあな。ひと待たせてるから」
「あ・・・おい!ってもう行っちまったか…」
ちっ。いうだけ言っていきやがって。そういって彼書き込んでいた紙をふと見る。
「!!!?」
私は驚いた。
嘘…だろ…?
そこに書いてあってのは、めだかでさえ解けなかって問題。



(1)フェルマー数の問題
  n&#8805;0の整数nを用いてFn=2の二乗n+1の形をした素数をフェルマー数という
  フェルマー数は下の5個だけか? 
  Fo=3 F1=5 F2=17 F3=257 F4=65537

(2)フェルマー数の問題
  pを素数,nを自然数とする。
  2p-1=np二乗+1を満たす(p、n)は何組あるか?














そのずっと下に乱雑な字でこう書かれていた。





4 と




「あいついっいたい・・・!?」















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