小説『俺はめだかの世界にいるそうです』
作者:如月暦()

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第2章2話 あいつとあいつは恋人か。チっ。死ねばいいのに。俺だって頑張れば…え?今頑張れ?…明日から本気出す。



校長室を後にした俺は、さっき言われたとおり1年1組へと向かう。なぜ一組なのかというとめだかの親友かつ、恋人な善吉がいるからである。とのこと。
そっかー。あの二人親友になったし、恋人になったのかー。と、感心しつつ、

「こんちゃーす。遅れてすんませーん」

そう言って教室に入った。ちょうど、休み時間だったらしく、まあ、運が良かったといえよう。
と、思っていると、目の前にはみずいろ髪の幼女と、金髪でいかにも善吉に似ている男の子が大声で話している。

「しっかし、あのお嬢様。全校生徒の前でよくあんな啖呵が切れるもんだよ、人前に立つのに慣れてるっつーかさー」

「カッ!」

なんと。まさかのビンゴ。一発で見つけたぜ。手間が省けたよ。

「ありゃ人の前に立つのに慣れてるんじゃねーよ、人の上に立つのに慣れてんだ!」

みずいろ「んーそうだね。そうでなきゃ、1年生で生徒会長になれないもんねー」

よくわかってらっしゃるよ。善吉は。…しかしほんとに付き合ってんのか?めだかと善吉。

「そうは思えないよなあ…」

金髪&みずいろ「「ん?」」

声に出てたか…

「…?お前どっかであったことあるか?」

「…いや。ねえよ」

「そうか…」

勘がいいのね。

「で?あんたら誰?」

「おお。俺は人吉善吉。人に吉。で、善に吉で人吉善吉」

「あたしは不知火半袖。不知火に半袖。で、不知火半袖」

説明になってないぞ。半袖ちゃん。

「俺は…」

そういえば、名前を考えてなかったな。…良し。これにしよう。

「真崎破篭井名(まさきわりごいみょう)真(まこと)だ」

「「嘘つくな」」

「ごめんなさい」

こいつらすげえ…

「わーたよ。言うよ。言う言う。俺の名前は、筑紫条(つくしじょう)輝明(てるあき)。つっくーとでも呼んでくれ」

「おう。よろしくな。つっくー」

「よろしくねー。つっくー」

「おう。で?お前らは一体何の話をしていたんだ?」

まあ。知っているがな。

「ああ。善吉の、幼馴染のお姫様のお話をしていたんだー」

「あいつがお姫様あ?カッ!そんながらじゃあないな!」

うん。まあね?

「大体あいつ人間じゃ無いよなー。噂とかひでえもん」

「噂?」

「あー。そういえばそうだよねえ」

「たとえばなんだよ」

「全国模試では常に上位をキープ!」

ほうほう

「偏差値は常識知らずの90を記録し!」

それで?

「手にした賞状やトロフィーは数知れず!」

そりゃすげえ。

「スポーツにおいてもあらゆる記録を総なめ状態!」

あらやだ。

「実家は世界経済を担う冗談みたいなお金持ち!」

それは知ってる。

「全長263.0メートル、高度6万フィートをマッハ2で飛行!インテル入ってる!」

「「それはもはや人間じゃねえ!」」

俺と善吉のダブル突っ込みが炸裂する。
俺が聞いたのはもっと人間味があったよ?

「とにかくだ!」がたん

そう言って立ち上がる善吉。

「俺へ絶対生徒会には入らない!」

わー。後ろに変な人がいるよー!誰だろー。
まあ、めだか以外誰がいるか。と、言う話だがな。

「善吉よ…そうつれないことを言うでない」

「いっ!?何でおめーがここにいる!て、いうかいつからいた!!」

君がお姫様に反応したときですよー

「さ、行こうか」

そう言って首根っこをつかむめだか。
…お前はいつからそんな人の話を聞かない子になった?オラ。

「ちょっと待てよ。生徒会長さんよォ…」

「ん?貴様…朝の無礼者ではないか?何の用だ?」

「何の用だ?じゃねえよ。善吉嫌がってんじゃねえか。やめろよおい」

「善吉は嫌がってはおらんぞ。なあ?善吉よ」

「いや…結構嫌―め「ほらみろ」―おい…」

「…話聞けよ。恋人同士なんだろ?そんぐらいの事はしろよ。きっちり嫌がってんじゃねえかよ」

「はあ!?恋人!?」

「…」

「どうなんだよこら!」

「…」

「…貴様には関係なかろう」

その一言で、俺の怒りはMaxになった。

「関係ねえだあ!?そいつは俺の友達だ!この野郎ォ!!」










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