小瓶に閉じ込めていた
色とりどりの星の砂。
単なる砂だと思っていたのに、ある日なにかを模り始めた。
手のひらにそれをのっけると、
自分の所有する理想の世界が広がった。
それは、一度は悲しみの涙でどろどろになってしまった世界だった。
自分の世界なのに、
どんなに頑張ってもほんの一部分しか組み立てられない。
あとはなんだか分からないぼやっとした砂の雲。
それはあなたの頭の中の記憶装置に、
星の砂を組み立てる記憶が足りないから。
無邪気な心は、イマジネーションで星の砂を操って、
手のひらの中の世界を広げてみる。
一部ができあがっていれば、あとはにくづけしていくだけ。
ただし、それは飽くまでも架空の世界。
現実を忘れて、人を傷つけてはいけないというルールがある。
ルールさえ守れば楽しい遊び。
一部分しか組み立てられていないから、
たくさん組み立てる楽しさを味わうことができる。
そして、その世界のことを、いつか誰かが分かってくれる。
誰か意地悪な人のせいでその世界が崩れたのなら、
またすぐに戻せばいい。
一部分さえできあがっていれば、あっという間にすぐにもとに戻る、
あなただけの自由で優しい世界なのだから。