小説『遮蔽』
作者:たまちゃん(たまちゃんの日常サタン事)

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ドンドンドン
   
保健室のドアが激しくノックされた。


千秋「誰なのっ?」


ガラッ


???「イタチ、すぐ来てくれ!」

イタチ「あなたは…ブリー中隊長!」


同じクラスの、体育会系肉食男子
ブリー中隊長であった。

イタチに対し、密かに恋心を抱いてはいたが…
妻子もちだった。

小学4年で結婚し、5年の夏休みに離婚、
今の妻と出会ったのは、秋の大運動会だった。

リレーのバトンに、こっそり指輪をはめ、
相手に渡したのが、プロポーズであった。

運動場の真ん中での、32分にも及ぶディープキスは、
今でも全校生徒の、記憶に新しい。


イタチ「一体…どうしたって言うの?」

ブリー「落ち着いて聞いてくれ…ナオヤがさらわれた。。。」

イタチ「何ですって?」

ブリー「奴からのメールだ!」





2009/7/27mon16:13
ユージ【っつーかさー、

俺さらわれてんのに、

誰も助けに来ないって

ありえなくねっ?

ヒサシ着拒してるしさ〜!

マジ殺〜す!

中隊長さぁ、

今…いくらぐらい持ってる?

え〜?身代金要求されちゃってさ、

今月ピンチなんだよね。。。

悪いけど3億ぐらい貸しといて(わら)

とりあえず、

今夜8時に『第3埠頭』まで持ってきて!

あと…ヒサシに、

焼きそばパンとおしるこ買ってくるように伝えて!



〜追伸〜



助けてくれ!

手足を縛られて…

猿ぐつわをされ…

目隠しされている。。。

怖い。。。

ここは、どこだ?

寒いよ〜!

心も身体も…

凍えてるよぅ。。。


あっ!

キャッチ入ったから…切るわ。。。

じゃあねぇ〜♪】




イタチ「………」

ブリー「奴からのメールだ!」

イタチ「いやいやいや。。。」

ブリー「どーよ?」

イタチ「どーよー?って、言われてもさぁ。。。」

ブリー「俺、ガンプラ(ガンダムプラモデル)買ったから

あと2億ぐらいしかのこってないんだよな。。。」

イタチ「え?貸すのぉ〜?何の疑いも無しに?」

ブリー「いや、疑ってるさ。。。」

イタチ「…そうか、これは罠なのね?そこにあえて騙され…」

ブリー「焼きそばパンに、おしるこは、合わないと思うんだ!」

イタチ「そこ?そこ気になっちゃたんだ?」

ブリー「とりあえず『第3埠頭』に行こう!」

イタチ「マジで〜?」

ブリー「ああ、ガチだ!」

カミア「あたしも行くわ!」

イタチ「カミア!あなた…」

カミア「残りの1億、西園寺財閥が出さしてもらいますわ!」

たま男「俺も行くぜ!ベイビー!」

イタチ「たま男…あんたまで…ってか、あんたキャラ変わってな〜い?」

ヒサシ「待たせたなっ!」


全員『ヒサシ!』


ヒサシ「買ってきたぜ!カステラと、フランスパン!」


全員『喉、パサパサになるわっ!』





暮れゆく夕焼けの空に、

皆は何を見たのか?

今はまだ、

自分達の身に起こる惨劇を、

知る由もなかった。






ひぐらしが鳴いていた。。。





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