「あっははははは!」
「そっ、そんなに笑わなくても! 雄君だってなったもんっ!」
美咲は恥ずかしさで顔を真っ赤に染めている。
「ごめんごめん。 …あはははっ。」
「もうっ! 知らないっ!」
ぷくっとふくれてそっぽを向く美咲。 そんな二人の耳に元気良く階段を駆け上がってくる音が届いた。
バタン!
「雄也! おきたー!」
部屋に入るなり雄也に飛びついてくる愛子を抱きとめながら美咲に聞いてみる。
「もしかして、ずっと傍にいて何も食べてないのか?」
「美咲ねー。ずっと雄也と手を繋いでたんだよ!」
ふくれてそっぽを向いたままだった美咲の頬が赤みをさす。
雄也は微笑んだ。
見ていた愛子が思わずポーッとなってしまうぐらいの素直で優しい笑顔で。
「ありがとう。美咲。」
愛子を抱っこしながら立ち上がり、美咲の手を取る。
優しげな気配が伝わったのか、拗ねるのをやめた美咲もはにかんだ。
「みんなにも話したい事があるんだ。 食事でもしながら聞いてくれないか?」
「…うん。」